(センバツ応援イメージキャラクター:大角ゆき、ディラン)
球春到来。
3月18日から阪神甲子園球場で開幕する第97回選抜高校野球大会(センバツ)の組み合わせ抽選会が、3月7日に大阪市北区のオーバルホールで行なわれ、初戦の対戦相手が決定した。同地区同士は準々決勝まで対戦しないようにあらかじめ振り分けられ、2校出場の東京、神奈川、滋賀、和歌山、沖縄については、決勝まで対戦しないように振り分け。選手宣誓はキャプテン全員の抽選により、市立和歌山の主将、川邉謙信選手が選ばれた。
センバツ連覇を狙う健大高崎(群馬)は明徳義塾(高知)と、昨秋の明治神宮大会を制した横浜(神奈川)は市和歌山(和歌山)と対決。開幕試合は柳ヶ浦(大分)と二松学舎大附(東京)の一戦となった。春夏通じて甲子園初出場となる6校は、浦和実(埼玉)が滋賀学園(滋賀)と、千葉黎明(千葉)が智辯和歌山(和歌山)と、横浜清陵(神奈川)が広島商(広島)と、滋賀短大付(滋賀)が敦賀気比(福井)と、壱岐(長崎)が東洋大姫路(兵庫)と、エナジックスポーツ(沖縄)が至学館(愛知)とそれぞれ対戦。また、第5日の第1試合では、8年ぶり22回目の早稲田実(東京)と2年ぶり29回目の高松商(香川)が、センバツでは1924年の第1回大会決勝以来101年ぶりに対戦することになった(その時は高松商が2-0で優勝)。
それでは、組み合わせ表からA~Hの8ブロックに分け、各ブロック毎の展望と8強の予想をしてみたいと思う。
◇◇◇
■Aブロック
柳ヶ浦(大分)
二松学舎大附(東京)
花巻東(岩手)
米子松蔭(鳥取)
開幕試合から東京勢が出場。20年ぶりとなる柳ヶ浦は継投で昨秋九州大会4強入り。チーム打率4割近い二松学舎大附の打線が活発になれば、二松学舎大附優位だが、東京は朝の試合にそれほど強くない印象もある。花巻東は守備が乱れて昨秋の東北大会では4強止まりだったが、上位を狙える実力はある。米子松蔭は33年ぶり2回目。昨秋中国大会に鳥取2位で出場するも、甲子園出場経験ある創志学園を8-0で下し、決勝では敗れたものの広島商に3-6と好ゲームを展開。頭抜けた高校がなく混戦か。
■Bブロック
健大高崎(群馬)
明徳義塾(高知)
敦賀気比(福井)
滋賀短大付(滋賀)
連覇がかかる健大高崎が初戦で強豪校の明徳義塾と対戦とややもったいないカード。健大高崎は昨秋関東大会で横浜に惜敗の準優勝。その横浜は明治神宮大会の初戦で明徳義塾を2-0で下しているが、接戦ゆえ、実力伯仲といったところか。北信越王者の敦賀気比は明治神宮大会準決勝で9回に土壇場で広島商に追いついた粘り強さもあり、得点力高い打線が魅力。滋賀短大付は初出場だが、昨秋近畿大会の初戦で履正社を下し、天理に1-4と接戦で敗戦と侮れない。
■Cブロック
横浜(神奈川)
市和歌山(和歌山)
青森山田(青森)
沖縄尚学(沖縄)
明治神宮大会優勝の横浜は今大会優勝候補筆頭格。とはいえ、市立和歌山は昨秋近畿大会4強で、公立ながら甲子園出場時も旋風を巻き起こすイメージがある。青森山田は昨秋東北大会で惜しくも準優勝。ただ、優勝した聖光学院が明治神宮大会で東洋大姫路に5回コールド負けを喫しており、近年強さを見せている東北勢のレヴェルにあるかどうか。ただ、昨秋九州王者の沖縄尚学は明治神宮大会の初戦で敦賀気比に5-11で敗戦。なかなか読みづらいブロックだが、横浜が一歩リードか。
■Dブロック
大垣日大高(岐阜)
西日本短大付(福岡)
山梨学院(山梨)
天理(奈良)
東海王者の大垣日大、昨秋九州大会4強の西日本短大付、昨秋関東大会8強の山梨学院、昨秋近畿大会4強の天理。ただし、大垣日大は明治神宮大会で東海大札幌に無得点で1回戦敗退と、実力的にはどの高校にもチャンスがある混戦のブロックか。秋季大会では西日本短大付、天理が10点以上の失点で敗戦しているのがやや気になるところ。山梨学院は関東大会8強だが、初戦で東海大相模を6-5で破っており、軽視は禁物だ。
■Eブロック
壱岐(長崎)
東洋大姫路(兵庫)
広島商(広島)
横浜清陵(神奈川)
壱岐、横浜清陵の21世紀枠で初出場勢と東洋大姫路、広島商の優勝候補に2分されたブロック。壱岐は昨秋九州大会で熊本1位の専大熊本を降すも、エナジックスポーツに2-9で敗戦。横浜清陵は秋季神奈川県大会の準々決勝で東海大相模に0-5で敗れた。これらを踏まえると、近畿王者の東洋大姫路、中国王者の広島商の2校が優勢か。明治神宮大会で優勝した横浜との対戦を比較すると、東洋大姫路は同準決勝にて延長で1-3、広島商は同決勝で3-4と甲乙つけがたい。
■Fブロック
エナジックスポーツ(沖縄)
至学館(愛知)
千葉黎明(千葉)
智辯和歌山(和歌山)
昨秋近畿大会準優勝の智辯和歌山が一歩リードのブロックか。昨秋九州大会準優勝のエナジックスポーツ、昨秋東海大会4強の至学館、昨秋関東大会4強の千葉黎明は実力差はほぼないだろう。エナジックスポーツは昨秋九州大会で神村学園を撃破するなど、勢いがある。千葉黎明は昨秋関東大会で準優勝で昨季センバツVの健大高崎にこそ0-6だったが、東海大相模を降した山梨学院を破って4強入り。この2校のカギは初出場という経験値か。至学館は昨秋愛知県大会Vの調子を戻せるか。
■Gブロック
早稲田実(東京)
高松商(香川)
聖光学院(福島)
常葉大菊川(静岡)
101年ぶりの対戦となる古豪同士に、東北の雄と東海の実力校という興味深い組み合わせ。早稲田実は昨秋東京都大会で二松学舎大附に1点差に泣いたが、どちらが勝つか分からないシーソーゲームだった。高松商も昨秋四国大会決勝で明徳義塾と好ゲーム。ミスが少ない方が勝つ展開になりそう。昨秋東北王者の聖光学院は、甲子園では安定した実力を発揮するイメージが強いが、明治神宮大会で東洋大姫路にコールド負けが気になる。常葉大菊川は昨秋東海大会で準優勝で、ダークホース的存在か。
■Hブロック
滋賀学園(滋賀)
浦和実(埼玉)
日本航空石川(石川)
東海大札幌(北海道)
滋賀学園はなんといっても昨秋近畿大会初戦で大阪桐蔭を3-2で破ったことで注目されたが、続く智辯和歌山戦ではやや差があった。浦和実は、昨秋関東大会準決勝で横浜に2-3と惜敗。初出場だが侮れないだろう。日本航空石川は昨秋北信越大会決勝の敦賀気比相手に9回は乱れたものの、遜色はない。東海大札幌は昨秋北海道大会決勝で北海にリヴェンジ。失点が少ないのも特色で、明治神宮大会でも大垣日大に3-0と勝利している。勝ち抜くには打撃がカギとなるか。
◇◇◇
これらを踏まえて、センバツ8強を予想しておこう。
二松学舎大附(東京)
明徳義塾(高知)
横浜(神奈川)
山梨学院(山梨)
東洋大姫路(兵庫)
智辯和歌山(和歌山)
高松商(香川)
日本航空石川(石川)
明徳義塾は健大高崎に、東洋大姫路は広島商に変わることもある。伝統校の一戦は心情的には東京ゆえ早稲田実に軍配を上げたかったが、二松学舎大附もそうだが、頭抜けた投手陣を擁する訳ではないゆえに、高松商を選出。日本航空石川は開会式で数多く発言があった“能登半島地震”被災への希望を託して……とは別に、実力的に抜け出せるだろうという予想。昨秋各大会を踏まえると、本大会では東北勢、東海勢がやや勝負強さに欠ける印象があるのだが、ひと冬越えるとガラリとチーム力も変わることも少なくないゆえ、横浜と東洋大姫路以外は試合のあやでいくらでも結果が異なりそうだ。8強予想には選出しなかったが、ダークホースは浦和実と米子松蔭、そして常葉大菊川。
◇◇◇
【第97回選抜高校野球大会 各高校初戦日程】
〈1回戦〉
■1日目
第1試合 柳ヶ浦(大分) ✕ 二松学舎大付(東京)
第2試合 花巻東(岩手)✕ 米子松蔭(鳥取)
第3試合 健大高崎(群馬)✕ 明徳義塾(高知)
■2日目
第1試合 敦賀気比(福井)✕ 滋賀短大付(滋賀)
第2試合 横浜(神奈川)✕ 市和歌山(和歌山)
第3試合 青森山田(青森)✕ 沖縄尚学(沖縄)
■3日目
第1試合 大垣日大高(岐阜)✕ 西日本短大付(福岡)
第2試合 山梨学院(山梨)✕ 天理(奈良)
第3試合 壱岐(長崎)✕ 東洋大姫路(兵庫)
■4日目
第1試合 広島商(広島)✕ 横浜清陵(神奈川)
第2試合 エナジックスポーツ(沖縄)✕ 至学館(愛知)
第3試合 千葉黎明(千葉)✕ 智辯和歌山(和歌山)
■5日目
第1試合 早稲田実(東京)✕ 高松商(香川)
第2試合 聖光学院(福島)✕ 常葉大菊川(静岡)
第3試合 滋賀学園(滋賀)✕ 浦和実(埼玉)
■6日目
第1試合 日本航空石川(石川)✕ 東海大札幌(北海道)
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