*** june typhoon tokyo ***

第105回全国高校野球選手権記念大会 8強決定&優勝予想


 深紅の大優勝旗までのカウントダウン。

 8月6日より阪神甲子園球場で開幕した第105回全国高校野球選手権記念大会は、8月15日に台風の影響で1日順延があったものの、ほぼ順調に日程をこなし、第11日目となる8月17日を終えて、ベスト8が出揃った。個人的には第2日目となる8月7日の第1試合(高知中央✕川之江)、第2試合(鳥取商✕履正社)、第3試合(智辯学園✕英明)の終盤までを甲子園球場にて生観戦したこともあり、例年以上に注目する大会となっている。

 先日、開幕前に8強展望の記事(→「第105回全国高校野球選手権記念大会 組み合わせ&8強展望」)をエントリーしたのだが、本日ベスト8が出揃ったということで、8強予想の答え合わせと優勝予想をしてみたいと思う。8強展望のコメントと合わせて、次に記していくことにする。

◇◇◇

■Aブロック
創成館(長崎)
星稜(石川)
いなべ総合学園(三重)
沖縄尚学(沖縄)

 台風の影響で6日目の試合となった沖縄尚学がどの程度の影響があるか。ただ、沖縄は代表決定も早いので、対策に不足はなさそうだが、当日のコンディション次第か。星稜と創成館は好カード。星稜が例年ほど盤石ではない感じもするので、創成館と沖縄尚学の九州勢の対決と予想。

◆予想::創成館(長崎)→ 結果:沖縄尚学(沖縄)✕
「創成館と沖縄尚学の九州勢の対決と予想」という展開までは読めていたのだが、沖縄尚学のエース東恩納の実力を軽んじてしまった……。


■Bブロック
立正大淞南(島根)
広陵(広島)
慶應(神奈川)
北陸(福井)

 ボンズこと真鍋擁する広陵は明治神宮大会準優勝、選抜4強ゆえV候補の1校だが、激戦の神奈川の決勝で横浜を逆転して甲子園に名乗りを上げた慶應もかなり強力。それぞれ初戦の堅さが出なければ、この2校が順当に勝ち上がりそう。

◆予想:慶應(神奈川)→ 結果:慶應(神奈川)〇
このブロックは見立て通りの結果となった。広陵は"広陵のボンズ”こと真鍋が思ったほどの結果を出せなかったのが痛かったか。


■Cブロック
文星芸大付(栃木)
宮崎学園(宮崎)
ノースアジア大明桜(秋田)
八戸学院光星(青森)

 作新学院をサヨナラで破った文星芸大付、接戦で多くサヨナラ2回で勝ち上がった宮崎学園は、ともに勢いがカギとなりそう。春季東北大会準決勝の再戦となった明桜と八戸学院光星は、同大会決勝で仙台育英に勝利して東北王者となった八戸学院光星が有利か。

◆予想:八戸学院光星(青森)→ 結果:八戸学院光星(青森)〇
このブロックも比較的予想がしやすかったという意味から考えると、順当な結果となったか。ストップ・ザ・作新学院を現実にした文星芸大付が予想以上に奮闘していた。袖の「Ugaku」の文字が懐かしかった(文星芸大付の旧校名は宇都宮学園)。


■Dブロック
専大松戸(千葉)
東海大甲府(山梨)
九州国際大付(福岡)
土浦日大(茨城)
上田西(長野)
 
 激戦区千葉を勝ち上がった専大松戸、高校通算31本塁打の佐倉俠史朗擁する九州国際大付の2校がやや頭一つ出ているか。ただ破壊力ある打撃が定評の東海大甲府、劇的な勝利で甲子園の切符を掴んだ土浦日大の関東勢も侮れない。

◆予想:専大松戸(千葉)→ 結果:土浦日大(茨城)✕
正直なところ、九州国際大付が負けるにしても土浦日大に0-3と零封に終わるとは思っていなかったのだが、その勢いもあって専大松戸も撃破してしまった。土浦日大、専大松戸、東海大甲府の関東勢3校の奮闘で、熱戦が続くブロックとなった。


■Eブロック
共栄学園(東東京)
聖光学院(福島)
浦和学院(埼玉)
仙台育英(宮城)
川之江(愛媛)
高知中央(高知)
履正社(大阪)
鳥取商(鳥取)

 今大会の最激戦区か。福島常連の聖光学院、優勝候補の仙台育英は初戦で強豪・浦和学院と激突。明徳義塾を降した高知中央は川之江との四国勢対決、さらに大阪桐蔭を破った履正社と、このブロックで優勝候補や強豪が1校に絞られる。贔屓したいところだが、初出場の共栄学園は厳しいブロックに入ってしまった。

◆予想:仙台育英(宮城)→ 結果:仙台育英(宮城)〇
実力伯仲でどこが出てきてもおかしくはなかったが、浦和学院が19-9で仙台育英は敗戦したのは多少ショックが。仙台育英は投手力で抜けている感。履正社と仙台育英の争いで仙台育英の勝利との見立ては当たったが、ここは紙一重。東東京の共栄学園は予想通り聖光学院に実力差を見せつけられた形。


■Fブロック
英明(香川)
智辯学園(奈良)
愛工大名電(愛知)
徳島商(徳島)
花巻東(岩手)
宇部鴻城(山口)
前橋商(群馬)
クラーク国際(北北海道)

 智辯学園、愛工大名電、花巻東に今春選抜で智辯和歌山に勝利した英明と、Eブロック同様こちらも激戦。春季近畿大会で大阪桐蔭、市立和歌山を倒し、決勝で金光大阪に圧勝した智辯学園が有利とはいえ、甲子園を知る実力校揃うだけに油断は命取りになる。

◆予想:智辯学園(奈良)→ 結果:花巻東(岩手)✕
智辯学園の打棒は見事だが、初戦の英明戦、次戦の徳島商戦ともに先制を許して6失点し、投手陣が思ったほど抑えられず。花巻東にも先制を許し、好守もあって及ばなかった。花巻東は佐々木麟太郎の調子次第とみていたが、打撃はさすが。


■Gブロック
日大山形(山形)
おかやま山陽(岡山)
大垣日大(岐阜)
近江(滋賀)
鳥栖工(佐賀)
富山商(富山)
日大三(西東京)
社(兵庫)

 近江、社の近畿勢が一歩リードか。特に3季連続出場で激戦区兵庫を勝ちぬ浮いた社は有力候補だ。日大勢3校のなかでも日大三を挙げたいところだが、投手層に不安があるのは否めない。ただ、初戦で社に勝てば、勢いが加速しそう。接戦となれば、本格右腕と打棒を誇る日大山形、佐賀北のような雰囲気も感じる鳥栖工も浮上。

◆予想:社(兵庫)→ 結果:おかやま山陽(岡山)✕
近畿勢は組み合わせの妙もあったとはいえ、結局8強には1校も残らず。このブロックでも近江、社が初戦で散った。社を破った日大三はチャンスだったが、西東京大会から散見されていたエラーなどのミスと、社、鳥栖工と2試合好調だったが、エース安田だけでは厳しかったか。


■Hブロック
市和歌山(和歌山)
東京学館新潟(新潟)
立命館宇治(京都)
神村学園(鹿児島)
東海大熊本星翔(熊本)
浜松開誠館(静岡)
明豊(大分)
北海(南北海道)

 市和歌山、立命館宇治の近畿勢、神村学園、東海大熊本星翔、明豊の九州勢のなかから勝ち抜けが出るか。好敵手・智辯和歌山が早々に消え、出場を叶えた市立和歌山は、春季近畿大会で報徳学園に勝利も準決勝の智辯学園にコールド負けと波がありそう。全体的に拮抗していて、どこが勝ち抜けても可笑しくない。

◆予想:明豊(大分)→ 結果:神村学園(鹿児島)✕
前述したように、近畿勢が思ったほど奮わず。結果としては九州勢の神村学園が8強を勝ち取ったが、当初目を掛けていなかった浜松開誠館や北海はあと一歩のところまでと、いい意味で戦前の予想を裏切り、大会を盛り上げた。

【8強予想・結果】
創成館(長崎)→ ✕(沖縄尚学)
慶應(神奈川)→ 〇
八戸学院光星(青森)→ 〇
専大松戸(千葉)→ ✕(土浦日大)
仙台育英(宮城)→ 〇 
智辯学園(奈良)→ ✕(花巻東)
社(兵庫)→ ✕(おかやま山陽)
明豊(大分)→ ✕(神村学園)

【8強展望結果】
8校中3校的中……ほぼ順当のところ以外は当てられずという微妙な結果となってしまった。ダークホースを九州勢と踏んで、創成館と明豊を挙げていたが、どちらも外した上に沖縄尚学と神村学園という別の九州勢が8強に進出するという、本当に"持ってない”というか見る目がない予想を展開してしまったのが悔やまれるところ。8強の内訳は、東北が八戸学院光星、花巻東、仙台育英の3校、関東が土浦日大、慶應の2校、中国がおかやま山陽の1校、九州が神村学園、沖縄尚学の2校で、(北海道、北信越、東海、四国に加えて)近畿が8強に勝ち残れなかったのは、なかなか予想出来なかったのではないだろうか。

◇◇◇

 さて、1日休養日を挟んで、8月19日に準々決勝が行なわれるが、その組み合わせがこちら。

第1試合 沖縄尚学(沖縄)✕ 慶應(神奈川)
第2試合 土浦日大(茨城)✕ 八戸学院光星(青森)
第3試合 神村学園(鹿児島)✕ おかやま山陽(岡山)
第4試合 仙台育英(宮城)✕ 花巻東(岩手)

 沖縄尚学慶應の一戦は、沖縄尚学のエース東恩納を慶應打線が捉えられるかに尽きる。慶應は選抜で同優勝校の仙台育英にいい戦いをしていたこともあり、小宅をはじめとした投手陣も悪くない。ロースコアなら沖縄尚学、打ち合いに持ち込めば慶應か。
 土浦日大八戸学院光星の一戦は、土浦日大が茨城大会決勝からの勢いそのままに試合を動かしていきたいところ。総合力では八戸学院光星に分があるので、専大松戸戦では6点差をひっくり返したものの、土浦日大は先制されると厳しい。
 ダークホースとして浮上した2校といってもいいのが、神村学園おかやま山陽。どちらも打撃が好調で、ロースコアの試合とはならないだろう。特に神村学園は立命館宇治に10-2、市和歌山に11-1、北海に10-4と3試合とも二桁得点で快勝している。おかやま山陽はビッグイニングを作らせず、競り合いに持ち込めば勝機も。
 東北勢対決となった仙台育英花巻東。仙台育英は安定した投手力に打撃も好調と、連覇に向けて視界は良好だ。花巻東はスラッガーの佐々木麟太郎のほか、千葉、北條らが仙台育英投手陣を打ち崩すことが出来るかがカギ。

 これらを踏まえて、準々決勝は慶應、八戸学院光星、神村学園、仙台育英が勝ち上がると見る。春季東北大会では決勝で八戸学院光星が仙台育英を破って優勝を果たしているが、昨年の秋季東北大会では八戸学院光星は出場出来ず。仙台育英はどちらも決勝にコマを進めていて、その安定感は高評価に値する。神村学園は昨年の秋季九州大会で初戦コールド負け、今年の春季九州大会は出場なし。ただ、勢いという意味では一番ありそう。慶應は昨年の秋季関東大会で準優勝の専大松戸に準決勝で延長の末惜敗、今年の春季関東大会では準優勝の木更津総合に初戦で惜敗とコンスタントに結果を残せる強みがある。

 また、これまでなら勝ち上がるにつれ連戦となるゆえ、投手層が厚い高校が有利に働く一方、打ち合いに持ち込む打撃戦で活路を見出す形が少なくなかった印象だが、今年は準々決勝と準決勝、準決勝と決勝それぞれに1日休息日が設けられており、エース一人と心中するタイプの高校にも多少なりとも回復の時間が与えられる。とはいえ、勝ち上がってきた疲労と夏の暑さは相当なもの。実力ある投手を複数有しているチームが有利な面は否めない。

 ということで、優勝予想は、予想としてはつまらないかもしれないが、連覇となる仙台育英を本命にする。対抗には慶應、次点に八戸学院光星を挙げておく(しかしながら、これで土浦日大、おかやま山陽の決勝となったりすることもあるのが、高校野球でもあるが)。 

◇◇◇





ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「野球」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事