
しかし、林死刑囚は冤罪の可能性が非常に高い。
メシア──世界唯一のスケプティックハンター。インチキ霊能力者の嘘を暴く達人。
クラウディア──オカルト好きのハーフの美女。
クラウディア 江原啓之さんは『江原啓之への質問状』という本の中で次のような話をしているわ。
丸山 殺人というのは「宿命」で決まっているんですか?
江原 違います。殺人は「運命」です。人を殺めるというのは多くの場合、衝動的なものでしょう。
丸山 そうでしょうか?衝動的でもグレていても、人を殺してしまえる人と殺してしまえない人というのは違いますよ。その差は大きいと思うのですが。
江原 もちろん例外はありますよ。なかには、カレーにヒ素を混入して何の罪もない人達を殺害した罪で起訴されている林真須美被告のように、計画的犯行ということもありますよね。そういう性根からダークサイドな人間もいるんです。
メシア 江原さん、林死刑囚のことを和歌山毒カレー事件の犯人だとマジで信じ切っているようだねぇ。
クラウディア あの事件、けっこう複雑な事件みたいね。
メシア うん。林死刑囚は冤罪の可能性が非常に高いんだ。これは有名な話。
まず、警察が林死刑囚が犯人と断定した理由が次のようなもの。
●カレーに混入されたヒ素と同じ特徴の亜砒酸が自宅から見つかった。
●頭髪から検出された高濃度のヒ素の付着状況から、亜砒酸を取り扱っていたと推認できる。
●夏祭り当日、林真須美だけがカレー鍋にヒ素を密かに混入できる機会を有しており、フタを開けるなどの不審な挙動が目撃されている。
●事件の1年前、保険金取得目的で人の食べ物にヒ素を入れる事件を起こしていた。
クラウディア え!?たったのそれだけ!?
メシア うん。たったのこれだけ。
次に林死刑囚と弁護団の反論を紹介する。
●カレー鍋の見張り中、次女とずっと一緒だった。
●目撃者は「林真須美は黒いTシャツを着ていた」と証言しているが、林死刑囚は当日、黒いTシャツなど着ていなかった。
●そもそも無差別殺人をする経済的利益・動機がまったく存在しない。
クラウディア なるほどね。林死刑囚側のほうが説得力がある。
メシア でも、判決はくつがえることはなく、林真須美は今も死刑囚のままだ。
クラウディア なんてこと……。
メシア ちなみに和歌山毒カレー事件の真犯人は……林死刑囚とはなんの関係もない子供だったと考えられている。
クラウディア 子供!?でも、どうして子供がカレーの中にヒ素なんか……。
メシア 理由は単純にイタズラ目的だよ。
きっと真犯人の子供は毒カレーを食べた人たちが「うげっ!まずい!」「なんだこりゃ!?」という展開になるだけで終わるだろうと思っていたんだと思われる。
まさかあんな大惨事になるなどとは夢にも思っていなかったに違いない。
クラウディア 子供が事件の真犯人だったなんて……。
エラリー・クイーンの『Yの悲劇』みたい……。
メシア ところで江原さん、『江原啓之への質問状』によると、かつて何回か犯罪捜査に霊能力で協力したことがあり、そこそこの結果を残したことがあるらしい。
クラウディア そうみたいね。
メシア それにもかかわらず、和歌山毒カレー事件の真相に全然迫れてないんだから、拍子抜けせざるをえない。
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