
メシア──世界唯一のスケプティックハンター。懐疑論者の嘘を暴く達人。
クラウディア──オカルト好きのハーフの美女。
クラウディア 山本弘さんはと学会の『トンデモ本の逆襲』の中で次のようなことを言っているわ。
(前略)レーザージャイロの原理について説明する前に、何度も話題になっている、マイケルソン=モーレーの実験について説明しなくてはならない。
ここに宇宙空間を慣性で等速度飛行している宇宙船があるとする。その中に正方形の部屋があり、船首方向の壁に鏡A、側面の壁に鏡Bが置かれ、部屋の中央に宇宙飛行士Oがいる。
Oは鏡Aと鏡Bに向かって同じ波長のレーザー光線を発射する。そして反射して戻ってきた光線を重ね合わせる。重なった光線は干渉縞を作る。
宇宙にはエーテル(光の媒質)が満ちているとする古典的な物理学では、宇宙船はエーテルに対して運動しているわけだから、宇宙船から見るとエーテルが後ろに流れているように見える。たとえば前方に向けて発射された光線の速度Cは、速度Vで動いている観測者Oからは、C─Vで遅くなって見えるはずである。
この部屋を90度回転させ、鏡Aが側面に、鏡Bが船尾方向になるようにする。これによって、部屋全体のエーテルの流れに対する角度が変化し、エーテルによる影響も変化する。そのため、部屋の回転に合わせて光の干渉縞が動く現象が見られるはずである。
1881年、A・A・マイケルソンはこの実験を行なってみた。もちろん当時はレーザーも宇宙船もない。レーザーの代わりに普通の光線を使い、宇宙船の代わりに秒速約30キロで公転する我々の地球の運動そのものを利用した。
ところが、予想に反して、装置を90度回転させても干渉縞は動かなかった。
実験精度に問題があると考えたマイケルソンは、1887年、E・W・モーレーと共同で実験をやり直した。場所はクリーヴランドの地下室。実験精度は前回の10倍。しかも装置に振動を与えないようにするため、クリーヴランドじゅうの交通機関が止められるというものものしさだった。
だが、それでもやはり干渉縞は動かなかった。地下で実験したのがまずかったのかと、後年、屋外での実験も行なわれたが、結果は同じだった。
すなわち、「地下はエーテルの中を運動している」「光の運動はエーテルに影響される」という前提は、間違っていたのである。不思議なことに、光速度Cはいかなる観測者から見ても一定だったのだ。これが「光速度不変の法則」の発見である。
そしてアインシュタインは、この「光速度不変の法則」にもとづいて特殊相対性理論を作ったのである。
メシア 申し訳ないけど山本さんのこの説明は、なんばグランド花月大爆笑もののギャグだ。
クラウディア え!?どういうこと!?
メシア なぜならこの説明が根本的に間違っていることを、コンノさんが『ホーキング宇宙論の大ウソ』の中で完全に証明しているからだよ。
クラウディア えっ!
メシア 山本さんがすべきことは、それに対する反論だと思うのだが……。
では、コンノさんが『ホーキング宇宙論の大ウソ』の中でどのようなエーテル論を唱えているのかを、私が引用しながら可能な限りわかりやすく説明しようと思う。
山本さんファンとと学会ファンはハンカチのご用意を……。
クラウディア う、うん……。
メシア 聖書の創世記において、神が1番最初に創造したもの──それが《光》だ。
光が粒子と波動、つまり《波》をそなえていることは、様々な実験で明らかになっている。
波といえば水だけど、水があるから波が生じるんだ。
水なしで波が生じたらバケモノの世界だ。
音波も同じ。音は大気を浸透させて伝わっていく。
つまり大気という物質があるからこそ、音波という現象が生じるんだ。
では光が波なら、それを生じさせる物質はなんなのか?
どれだけ追求しても、答えはわからないままだった……。
しかし、それでは科学界の面目が立たないので、エーテルというものが考え出された。
しかし、マイケルソン=モーレーの実験で、エーテルの存在はことごとく否定されてしまった。
では、光を媒介するものはなんなのか?
現代物理学は場理論というものでお茶を濁している……。
ところで《宇宙》というものの定義を知ってるかい?
クラウディア 宇宙の定義?
メシア 辞書には《全体を占める空間》とある。
では、《空間》とはなんなのか?
辞書には《なにもないカラのところ》《隙間》《真空》とある。
が──実は真空とは、なにもないカラなところなどではないんだ。
クラウディア どういうこと?
メシア 1915年、イギリスの天文学者アーサー・スタンレーは太陽近辺を通過する光を観測し、太陽の高重力によって空間が歪曲する現象を証明したんだ。
つまり、真空は物質だからこそ、曲がり歪むという物理現象が生じたんだ。
答えが見えてきたのではないだろうか?
つまり真空そのものが、空間そのものが、宇宙そのものがエーテルだったというわけなんだ!
クラウディア なんてこと……。
メシア コンノさんは「宇宙にはエーテルが満ちている」なんて言っていない。
宇宙そのものがエーテルなんだから。
そもそも我々は通常「隙間がある」「空間が存在する」と表現するが、「存在する」ということは《有》であり、けっして《無》ではないということなんだ。
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