だせなかったLove Letter:35

2010-11-15 | 自作小説:私小説
妙に僕に絡む男がいた。
彼は、ライバルを探していた。
その候補のひとりがなぜか、僕だった。
僕の何が、彼のライバル心を煽ったのだろう。
その理由を聞くことは、永遠にできない。

S倉は、なぜか僕の数学のテストの結果を気にしていた。
僕に勝つ、彼の中では重要な判断基準のようだった。
当然、何を判断するのか、僕にはわからない。
そもそも、S倉とまともな話、
心を割って話をしたことは一度もなかった。
なぜ、彼と一度も酒を飲むことが出来なかったのか、
残念でしかたがない。

S倉には、同じクラスに2人の友人がいた。
その二人と昼休みに、必ずバスケットをしていた。
バスケをするS倉は、男から見てもかっこよかった。
とてもうまかった。
なぜ、彼がバスケ部に入らないのか、僕は不思議に思っていた。

いつだったか、担任に呼ばれるS倉をみて、
“あいつ、何かしたのか?”
と彼の友人に聞いたことがあった。
 “バイトのことだろう。
  あいつは、いろいろと複雑だから。”
そう言った。
僕の高校はバイト禁止で、バイトをするには先生の許可が必要だ。
あくまでも、正式なルートでの手続きで、黙っていてもいい。
S倉には、正式な手続きをしても許可が下りる、そんな家庭環境だった。
姉と二人暮し。
僕はそれしか知らない。

S倉の二人の友達のひとりのO村と僕はなぜか、仲良くなった。
一番の理由は、好きな歌が同じだったことだ。
そのとき、僕とO村が好きだった歌、、、



O村は酒屋の息子で、S倉と麻雀をしながら、
よく酒を飲んでいたようだった。
僕は、彼らの飲み会に参加することはなかった。

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