祭りから慌てて家へと帰り、祖母に「あのハタキを大きくしたようなモンは何なん?。何であんなことをするん?」と早速のこと質したのだったが、私は今でもそれを昨日のようにして思い出すことが時々ある。
「ああ、オンベのことか。ありゃぁオハライをする道具だがな」
「オハライって言うのは何なん」
「オアハライつぅ~なぁ~、汚れや埃をハラウ(払う)って~ことだ」
「そんじゃ~、そのオンベ(御幣)って言うんなぁ~、掃除の時に使うハタキと同じようなもんなんだ。と言う事は、あれでサッサッサッて遣って貰ってた人にも俺にも、みんなに汚れや埃がついているってぇ~ことで、みんながその汚れや埃をあのハタキみたいなモンでハラッテ貰っているつぅ~ことなんだ」
と返すと、
祖母は「まぁ、そんなことだな」と言いつつ、可笑しなことを言う子供だとでも思ったのだろうか。?
笑いながら頷いた。
ハタキの親玉のことを祖母は「オンベ」と言ったが、漢字表記すると「御幣」。
これは「ゴヘイ」とも読まれる。
信州伊那谷の有名な郷土食である「五平餅」は正しくは、その形からして「御幣餅」であろう。
その他にも「ヌサ(幣)」。「ヘイソク(幣束)」。「ヘイハク(幣帛)」。また、「大麻(オオヌサ)」とも呼ばれる。
参考までにwikiの「大麻」を貼付しておく。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BA%BB_(%E7%A5%9E%E9%81%93)
つづく
