等身大のジョンと僕

日常をのらりくらりと綴ります。
“The 四角形ズ”のVo&Gtのブログ。

モーパッサンと解説

2010-07-04 04:38:14 | 森見登美彦 / その他・書籍
突然ながら、『モーパッサン短篇選』の紹介を致しました。



かなり幼稚な文章でございますが、モーパッサンの素晴らしさを感じとっていただければ幸いでございます。



とりあえず、是非一度読んでいただきたい。



モーパッサンは短い生涯の中で、300もの短篇を作ったそうです。



その中から15篇が収録。



本当にどれも名作だと思います。



一つ一つを解説しては面白くないので割愛しますが、一つ一つのタイトルを見返すと、どれも鮮明に思い出されます。



その辺も是非、感じてみてください。

『モーパッサン短篇選』2

2010-07-04 01:25:53 | 森見登美彦 / その他・書籍
モーパッサンの作風は独特であると思います。



それは、“語り手”がいるということ。



中には、語り手が4人も出てくる話もあります。



そういう所を僕ら読者が気づいた時は、完全に物語に引き込まれた証拠と言っていいでしょう。



本文に秘められたメッセージ。



この短篇選に収録されている、「二人の友」、「ソヴァージュばあさん」には、普仏戦争(1870~1871年)に対する“反戦”が込められています。



「二人の友」にて、モーパッサンは戦争をこう表現しています・・・・



『フランスの家を破壊し、生命をうち砕き、人々を押しつぶし、多くの夢、多くの楽しみ、多くの希望と幸福を無にしつつあった。そうして、遠い国もとにいる女たちの、娘心や母心のうちに、癒えることのない苦しみの種を作り出しつつあった。』



まさに戦争を的確に捉えている文じゃないかと思います。



それは、モーパッサン自身がこの戦争を経験したことがかなり大きいと思います。



人が人を殺すことに対する悲惨さ、残された人間の悲しみや恨み。



ゾッとするぐらいに伝わるものがありました。



一方では、“純愛小説”としても優れています。



しかし、この時代の純愛というのは、現代のようなハッピーエンドだけではありません。



大きな愛だからこそ悲しかったり。



そういった意味でも、非常に女性にお勧めしたい作家さんであります。



なにしろ『女の一生』という作品も作った作家ですから、当時の女性の立場や身分がよく分かります。



そして彼自身、女性差別というか、どうしても男性が上の立場であった時代をよく思っていなかったのではないでしょうか。



この時代から既にこういう考えを持っていて、作品に取り入れたモーパッサン。



当時からすれば、かなり前衛的であったのかもしれない。



だからこそ、後のフランス文学に大きな影響を及ぼしたのだと僕は思います。



細かな情景描写が手にとるように感じられ、改めて人の優しさ、愚かさ、残酷さを考えさせてくれた、本当に素晴らしい作品です。



オススメいたします。



岩波文庫より、660円+税。

『モーパッサン短篇選』1

2010-07-04 01:25:16 | 森見登美彦 / その他・書籍
フランス文学の先駆けと言ってもいい、作家“アンリ・ルネ・アルベール・ギ・ド・モーパッサン”。



僕が先日購入した、岩波文庫さんの『モーパッサン短篇選』のレビューを記したいと思います。



編訳は、高山鉄男氏。



まず一言、『読んでよかった』と思っています。



外国の文学なり小説は、非常に難しいイメージがあります。



実際、きっと難しい本もあるでしょうが、これは非常に分かりやすいです。



分かりやすいというか、日本の小説を読んでいるかのよう。



短篇選なので15篇が収められているのですが、それぞれの主人公の仕事や環境は、確かに(19世紀の)外国らしいのかなと思います。



僕が思うモーパッサンの魅力とは、そのストーリーのオチが見えない所。



1つの話が20ページ程で綴られているのですが、『一体、どう終わるのだろう?』というのが楽しみであります。



そしてもう一つは、人間の描写。



それは愛だったり、悲愴、恐怖、欲望など、様々な感情。



『人間というのは奇麗な部分だけではない、だからこそ憎めない生き物である』というようなメッセージさえも感じる。



これは少し、“J.D.サリンジャー”にも通じるかと思います。



勿論、作風も国も、ましてや時代も違うのだけれど。



モーパッサンにもサリンジャーにも、世間に対する皮肉が含まれている。



またそれが、いかにも人らしい。



この2つの要素が、モーパッサンの魅力だと思います。



続きます。

フラニーと同意

2010-06-24 23:12:28 | 森見登美彦 / その他・書籍
実は、もう一つ本を購入しました。



今年の1月に亡くなった、“J.D.サリンジャー”の『フラニーとゾーイ』です。









訳者は、『ライ麦畑でつかまえて』の訳でも知られている、“野崎孝”氏。



先ほどのモーパッサンもそうですが、やはり外国文学の日本語訳というものは非常に大事だと思います。



訳す人によって、本当に違って見えるんですよね。



印象がガラリと変わるような。



そこがまた、良い所でもあるかもしれませんけれど。



『ライ麦・・』に触発された僕としては、やはり野崎さん。



で、“GRAPEVINE(以下:バイン)”の楽曲に「フラニーと同意」という曲があります。



おそらく、この本のことで間違いないでしょう。



こうした、田中さん(バインのボーカル&ギターで、作詞も担当)が影響されたであろう作品を読むと、また歌詞がいっそう理解できそうです。

イッツ ファンキー モーパッサン!!!!

2010-06-24 22:45:59 | 森見登美彦 / その他・書籍
昼間、話を致しました作家とは。



フランスの“ギ・ド・モーパッサン”です。



“GRAPEVINE”の「マダカレークッテナイデショー」の歌詞には、モーパッサンの作品名が出てきます。



というか、サビの歌詞で『I'm funky モーパッサン / It's funky モーパッサン』って歌われてます。



この曲も是非聴いていただきたいですが、本の話を。









本日、図書館で初めて読み、帰りに購入したのはこちら(↑)。



“岩波文庫”から出版されている、『モーパッサン短篇選』です。



高山鉄男氏の編訳。



本屋さんに行ってみたら色んな方の翻訳バージョンがあったのですが、やはりこの高山氏の訳が一番僕としては好きでした。



モーパッサンは1850年にブルジョワ階級の家に生まれましたが、最期には精神を病んでしまい、精神病院で生涯を終えました(享年43歳)。



この短編集の最初は「水の上」という作品。



これで、グッと心を鷲掴みされました。



なんでしょう、情景描写に引き込まれたと言いますか。



そして、最後の事実。



まだ、全て読んでいませんが、ハマりそうです。