アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Supernatural 2-13 "Houses of The Holy"

2007年02月08日 | TV: Supernatural
【アメリカ合衆国での初回放送日 = 2007年2月1日】※ウィンチェスター兄弟が遂に天使と遭遇?タイトルはLed Zeppelinのアルバムから取ったもの。

ロード・アイランド州プロヴィデンス(Providence)市。「天使の導き」による殺人事件が起こる。犯人は犯行後にすぐ自首したという。

サム・ウィンチェスターは留置場(精神病院?)の係員になりすまし、服役中の犯人、グロリアの独房を訪れる。彼女はちょうど、聖書を読んでいるところだった。

サムとディーンが調べたところ、グロリアが刺殺したカールは平凡な図書館員で、毎週、教会に通っており、駐車違反さえした事がないという無害な男だった。ところが、天使はグロリアに、カールは土台が腐った人間(「guilty to his deepest foundations」を意訳)だと教えてくれたのだという。グロリアは殺人を後悔しているどころか、逆に救済に一歩近付いたと喜んでいる。

モーテル。サムが戻ると、ディーンがコイン式振動ベッドで遊んでいた。先日の銀行立て籠もり事件でTVのニュースに顔が映ってしまったため、あまり大っぴらに出歩けなくなり、暇を持て余しているのだ。しかも、ちょうどコインが切れてしまったところだった。

サムが見たところ、グロリアは正気らしい。天使は本当にいるのかもしれない。ところが、ディーンは「どうせ、霊が天使のフリをしてるだけだろう」と決め付ける。

サムはすでにグロリアのアパートも調べていたが、特にめぼしい物は見つからなかった。そこで、2人はカールの家(あれ?捜査現場を示すイエローテープがない)を調べてみることにする。グロリアによると、天使光臨後、カールの家の前を通りかかった時に「疑いようのないサイン(神威のしるし)が見えた」のだという。そこで、彼女はドアをノックし、出て来たカールを刺し殺したのだ。

玄関には鍵がかかっていたので(そりゃそうだ)、サムとディーンは裏に回ってみる。すると、地下室への入り口があった。サムはグロリアが「カールは土台が腐った人間だった」と言っていた事を思い出し、「文字通り、家の土台を指していたのかも?」と思いつく。地下室を調べてみると、壁に人の爪らしい物が付いていた。サムとディーンはその近くの地面を掘り、白骨死体を見つける。グロリアに殺人を指示したものが本当に天使かどうかはともかく、カールが悪人だったのは明らかだ。

その夜、ザックという男の前に天使が現れる。ザックが散歩していると、ある家のドアが光る。ここに退治すべき悪人がいるというサインだ。ザックはドアのチャイムを鳴らし、出て来た男を刺殺する。

翌日。ディーンとサムは新たな犠牲者の家(今度はイエローテープで囲まれている)を調べる。コンピュータをチェックしてみると、殺された男は13歳の少女とEメールを数回にわたって交わしており、ちょうど今日、会う約束になっていた事がわかる。つまり、男は未成年の少女を餌食にする変態野郎だったのだ。また、家の中には教会からのニュースレターがあった。『Our Lady of the Angels』という教会だ。それはカールが通っていたのと同じ教会だった。

『Our Lady of the Angels』教会。レイノルズ神父はディーンとサムに「この地域は物騒で、同僚だったグレゴリー神父も先日、教会の前で強盗に殺されたんです」と話す。その現場には花束が捧げられており、レイノルズ神父もグレゴリー神父のために祈り続けているのだという。

レイノルズ神父に別れを告げた後、サムは「そんな祈りが天使に通じたんじゃないか?」と言う。だが、ディーンは「生前のグレゴリー神父が犠牲者たちの悪事を知っていて(告白を受けていた?)、自分が死んで霊になってから彼らの退治を始めたんだろう」と反論する。それはともかく、ディーンは「なんだ、お前、急に信者になったのか?」とからかう。しかし、サムは実は「何年も前から毎日、お祈りをしてるんだ」という。ディーンはすっかり理解しているつもりだった弟の意外な一面を知り、驚く。(あのー、一緒に食事する時とかに気付かないわけ?)

ディーンとサムは教会の奥にあるグレゴリー神父の霊廟をこっそり訪れる。ディーンがさっさと先に入っていった後、サムは天使の光を見る。天使はサムに殺人を命じる。その相手はまだ罪を犯してはいないのだが、間もなく間違いなく罪を犯す事になるのだという。つまり、サムに「その犯罪を阻止しろ」というのである。ディーンが戻って来た時、サムは意識を失っていたが、すぐに目を覚ます。夢でも見たのだろうか?

ディーンはサムの話を聞いても天使の存在を信じようとはしなかった。実は2人の母のメアリーも天使の存在を信じていたのだが、その甲斐もなく、デーモンにあっさりと殺されてしまったではないか…というのである。ディーンは「俺は自分の目で天使を見た事はないし、そういう話も聞いた事はない」と言う。サムの「俺たちは普通の人が夢にも思わないような事をこれまでいろいろと目撃してきた。だから、自分たちがまだ確認していないからといって天使が存在しないとは限らない」という主張にも一理あるが、ディーンはもっと現実的に「天使がいるという証拠はないが、霊がいるという証拠ならある」とキッパリ言い放つ。ともかく、2人は試しに召喚儀式を行ってグレゴリー神父の霊を呼んでみる事にする。

夜。ディーンとサムは街の雑貨屋で召喚儀式の道具を揃え、外に出る。その時、サムは買物客の1人の向こうに光を見る。天使からのサインに違いない。だが、ディーンにはその光は見えない。

サムは「彼が悪事を働くのを阻止しなければいけない」と興奮する。ディーンは「そりゃそうだが、具体的にどうするつもりなんだ?殺すのか?それなら、俺はそのうち悪の手先になるとされているお前も殺さないといけないのか?」と指摘する。ディーンは1人で車に乗り込み、男の車を尾行する。

置いてけぼりになったサムは仕方なく教会の霊廟に戻り、グレゴリー神父の召喚儀式の準備を始める。

ディーンが尾行している若い男の車に若い女が乗り込む。男は女に花束を渡し、再び車を走らせる。今のところ、普通のデートにしか見えない。ディーンはそれでも尾行を続けるが、角を曲がった所で見失ってしまう。

男は人気のない裏道に車を止め、助手席の女に無理矢理キスしようとする。初デートなのに、映画も見ないうちから、いきなりキスするなんて…と女が嫌がると、男は「俺、慣れてないんだ」と言いながらナイフを取り出し、女を刺そうとする。その時、運転席側の窓ガラスが割られ、腕が伸びて来て、男を殴る。ディーンだ。ディーンはすかさず助手席側に回り込み、女を助け出す。

男は起き上がり、車を急発進させる。ディーンは自分の車に戻り、追跡するが、なかなか追い詰められない。男の車はやがて交差点にさしかかり、横から走ってきたトラックと衝突しそうになる。トラックが急停止し、その荷台に積まれていたパイプの1本が男の車のフロントガラスを破り、男の胸を貫く。男は即死だった。ディーンは呆然とする。これこそ、「神の意思」なのかもしれない。

教会の霊廟。レイノルズ神父がサムを見咎め、追い出そうとする。突如、奥の壁が光り、天使…いや、グレゴリー神父の霊が姿を現す。グレゴリー神父は「死んだ時、何もかもが見えるようになった」のだという。そして、自分は天使になったのだと思い込み、悪人退治を始めたのだ。レイノルズ神父は「汝、殺すなかれ(Thou shalt not kill.)」という神の教えをグレゴリー神父に思い出させ、供養の祈りを捧げる。グレゴリー神父の霊は平安を得て、光の向こうに消えて行く。

モーテル。サムはディーンの推測が正しかったと認める。一方、ディーンは逆に「神や天使は実在するのではないか」と思うようになっていた。「神の意思」らしき現象を自分の目で見たからだ。(2人の主張がそれぞれ、最初と最後では逆になってしまうというところが皮肉的で面白い。)


☆今回の音楽: "Knocking On Heaven's Door" by Bob Dylan


★名言・迷言集:

【その1】
(殺人について)
Sam: Why would you do that?
Gloria: Because it was God's will.
Sam: Did God talk to you?
Gloria: I get the sense God's a little busy for house calls.

【その2】
Dean Winchester: (コイン式振動ベッドを楽しみながら) Man, you have got to try this because there really is magic in the magic fingers.
Sam Winchester: Dude, you're enjoying that way too much. It's kinda making me uncomfortable.

【その3】
(Deanがコイン式振動ベッドの上で警察無線を盗聴しているところにSamが戻って来る)
Dean: Did you bring quarters?
Sam: Dude, I'm not enabling your sick habit. You're like one of those lab rats that pushes the pleasure button instead of the food button until it dies.
Dean: What are you talking about? I eat.

【その4】
(Carlの家の前に天使の飾り付けがあるのに気付き)
Dean: Always remove your Christmas decorations after New Year's, or you just might get filleted by a hooker from God.
Sam: I'm laughing on the inside.

【その5】
Dean: Yup, Roma Downey made him do it.
(※Roma DowneyはTV番組『Touched by an Angel』で天使役を演じた)

【その6】
Father Reynolds: So you're interested in joining parish?
Dean: Yeah, well... you know, we just don't feel right unless we hit church every Sunday.

【その7】
Dean: Since when are you all Mr. 700 Club?
(※『The 700 Club』というキリスト教徒向けのロングラン番組がある。)

【その8】
Dean: What's next? You're going to start praying everyday?
Sam: I do pray.
Dean: What?
Sam: I do pray everyday. I have for a while.
Dean: Things you learn about a guy.

【その9】
Dean: (皮肉を込めて) That lore about unicorns is true, too. I hear they ride on silver moonbeams and shoot rainbows out of their ass.
Sam: Wait, there's no such thing as unicorns?
Dean: That's cute.

【その10】
Dean: I'll tell you who else had faith like that. Mom. She used to tell me when she tucked me in that angels were watching over us. In fact, that was the last thing she ever said to me.
Sam: You never told me that.
Dean: What's to tell? She was wrong. There was nothing protecting her.

【その11】
Dean: If Father Gregory's spirit is around, the seance will bring him right to us. If it's him, we'll put him to rest.
Sam: What if it's an angel? It won't show. Nothing will happen.
Dean: Exactly. It's one of the perks of the job, Sam. We don't have to operate on faith. We can know for sure. Don't you want to know for sure?

【その12】
Dean: We just need a few odds and ends and that séance ritual in Dad's journal.
Sam: Sounds great. I hope Whoopi's available.
(※Whoopi Goldbergは劇場映画『Ghost』で霊感師役を演じた。)

【その13】
(召喚儀式の道具を買って)
Sam: Dude, all right, I'll admit... we've gone pretty ghetto with spellwork before, but this takes the cake! I mean... a SpongeBob placemat instead of an altar cloth?!
Dean: We'll just put it SpongeBob-side down.
(※Nickelodeon局の人気アニメ番組『SpongeBob SquarePants』のキャラクターのこと。)

【その14】
Sam: Dean, what did you see?
Dean: I don't know. Maybe... God's will.


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Sera Gamble (kenn)
2007-02-11 09:11:26
私この脚本家さんのストーリー好きです。前回のCrossroad Bluesもそうでしたけど、宗教的な概念をうまくドラマに取り入れていて、話の結末も印象的です。

Supernaturalがこの先続くなら、ちょくちょく彼女を起用して欲しいな、なんて思います。きっとDVDで後から見た時にいいアクセントになるような気がするので。

http://www.seragamble.com/というサイトがあるんですが、私にはカードの意味は全く分かりません。もしかしたら今後エピソードに取り入れられたり...するのかな。
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Unknown (TB)
2007-02-11 16:55:22
おじゃまします。Sera Gamble は他にシーズン1の "Dead in the Water" "Faith" "Nightmare" "Salvation"、シーズン2の "Bloodlust" も書いているようですね。とくに "Faith" のラストは、今回のお話にも繋がっている気がします。Executive Story Editor ということで、これからもまだエピが控えているようですよ。

ロングインタビューがありました。美人ですね!
http://www.sequentialtart.com/article.php?id=345
(ネタバレがあるかもしれません)
I sometimes say it's "the epic love story of Sam and Dean," というのが気になりますが。がんばれサム。
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ありがとうございます! (kenn)
2007-02-11 19:13:12
Executive Story Editorだったのですね。インタビューは、脚本の作り方からドラマに対する考えまで、読んでいて面白かったです。ホラーなんだし、バンバン人を殺して、生きようとする人間を苦しめなきゃダメでしょ!とか地獄があるから天国があるの?とか、まさにこのドラマにうってつけな人かもしれないですね。

Samの"get-laid" episodeを書いているということなので、非常に楽しみです。Being John Malkovich的なnightmareってのも彼女が書くとどうなんでしょうね。今後に一層期待です。
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どうも! (ジョウ)
2007-02-13 04:39:52
kennさん、一般のホラーとは一線を画す、よく考えられた上手な脚本ですよね。

TBさん、インタビュー記事のご紹介、ありがとうございます。私もあとで読ませて頂きますね。

「love story of Sam and Dean」というのが気になりますが(笑)、この次のエピソード(今、エピガイを書いてます)でもサムのゲイ・ネタ(?)がありましたよね。
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Unknown (TB)
2007-03-08 02:42:18
しつこくおじゃまします。
Sera Gamble の新しいインタビューがあったので紹介させてください。

http://www.sequentialtart.com/article.php?id=439

あの絵はやっぱり兄のことだったのですね。天使の兄が守ってる弟は悪魔。うーん。
サムの "get-laid" エピが思っていたのと違うものになりそうで、俄然楽しみになりました。

それにしても地味なドラマだなと思います。時々わけもなく HEROES が羨ましくなったりして…。
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地味? (ジョウ)
2007-03-09 05:59:07
新インタビュー記事ですか。嬉しいですねー。ありがとうございます。

この番組はレギュラーが今時珍しく(?)2人しかいないですから、地味に見えちゃいますよね。でも、その分、レギュラーが死なない(死んでも甦ってくる)ので安心して見れます(笑)。
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