それは、バレーボールに興じ終えた前夜9時過ぎに決行が決まった。
そろそろ山岳ステージをとメイルのやり取りをしていたが、次の三連休は天気が下り坂の
模様だったので、「明日はどう?」「いいよ」で決まった。
そしてステージは蒜山。
大山も加えようかと思案したが、それは身の程知らずだろうということで
蒜山一周となった。
朝6時出発。
山陽道、岡山道、中国道と快晴の中を走っていく。
米子道を北に進むにつれ曇り空が広がってきた。蒜山SAに着くと、蒜山三山は雲に隠れていた。
前日の天気予報では、米子エリアは曇りのち晴れとなっていたので、回復を信じてインターを下りる。
スタート地点の道の駅「蒜山高原」に到着するも、閑散として淋しい限り。
それよりも冷たい風がビュービューと。
9:00にスタート。山岳コースに備えてのんびりゆっくりと、のどかな高原を犬狭峠に
向けて登っていく。峠では、20人くらいの登山者がガスガスの下蒜山に向けて出発準備中だった。
峠を越えると一気にダウンヒル。降った雨で路面は濡れ、その上に落ち葉が積もって
怖いのなんの。そう思うと余計に体が強張って、ヘアピンのセンターラインをオーバーすること幾度。
朝一番のヒヤヒヤを無事終えて関金の街に入ると「コロッケ」の看板が目に飛び込んで来た。
相棒のHくん、スタート前におにぎり2個、蒜山SAで買った限定シュークリームを食べたばかりだというのに、速攻で休憩。
「牛コロッケ」と「かにコロッケ」。迷ったが、山陰に因んで「かに」と決めた。
ほんのり蟹の風味にアチッチッチッチ!
コロッケを頬張っていると、青空が広がってきた。
天気は予報通り回復傾向にあると確信して、裏蒜山ののどかな田園地帯を快調にペダリング。
いよいよ山岳ステージが始まり、ひと登りした明高の水車がある休憩所で一息。
ここを過ぎると牧草地帯の坂が延々と。
さっきまでの晴れ間はいつの間にか雨雲に覆われて来た。
そしてポツリポツリと。「どうする?」と言ったところで「進むしかなかろう」ということで
小雨の中を進むが、段々本降りになってきて、林に逃げ込む。
長く休んでも体が冷えるばかりなので、小降りになったのを見て再出発。
インナーローで黙々と登って行くと、本日2つ目の峠「地蔵峠」に到着。
標高570m。天気が良ければ蒜山や大山が望めるのだろうけど、生憎のガスガス展望。
メッシュジャージ1枚の背中は、雨やら汗でベショベショ。
お昼を予定している鏡ケ成まではあと8キロ。もうひと漕ぎとばかりに
雨の稜線ルートを進む。
が、雨足も強まり標高も上がってガスに煙り視界は100m弱。
たまーに通るドライブ中の人達も、ガラス越しに「こんな雨の中、好きだねー!」と
言わんばかりに呆れ顔で見て過ぎる。
東大山大橋の上から谷を俯瞰。
途中から10%勾配の看板が現れ、新小屋峠に向けて急坂が続く。
気温も下がり吐く息も白く見え、ヒーヒーハーハー言ってる割には進まない。
12時を10分少々過ぎた辺りでようやく峠を越え、ひと下りするとようやく鏡ケ成に到着。
この時道路脇の温度表示は、11℃。
左右の木立が無くなり広いところで出たもんだから、横殴りの風がビュービュー。
ここで二人のローディーさんに「コンチハー」と声を掛けるが、腹の内は互いに「ここにも物好きな人がおるで」と思ったに違いない。
雨風から逃げるように、休暇村大山鏡ケ成に飛び込む。
フロントのおねえさん、サイクルスタンドを準備してくれたのは嬉しいが、言葉は一言も発せず。二人の濡れネズミオヤジは、歓迎されているのやら敬遠されているのやら。
それはさて置き、ホテル内は温かい。
熱々の味噌汁が、体に染み込んでいくー。
お腹も膨れ、濡れた服も乾いてきたが、心底体を温めるには温泉が一番。
その為には、再び雨の中を車まで戻らねば・・・。
またまた意を決して、外に出る。
予想通り第一声は、「寒びー!」
ちょっと下ると、遠く山の下に蒜山のリゾートエリアが見えた。
「エー、あそこまで下るんですか?」
その先の鬼女台の展望台から雨に煙る蒜山三山を望む。
エーイ、ヤケクソでこの寒さに万歳じゃ。
ここを出ると一気に300mのダウンヒル。
当然のことながら、スピードが出ると寒い。
かと言ってトロトロ下ると余計に寒さが身に沁みる。
そこで、意を決して坂を転げ落ちて行く作戦に出る。恐怖で寒さを忘れさせるのだ。
ようやく無事に下界に下りてきて、ホッ。
あー寒かった!
結局、蒜山はお頭を現さず。
整備されたサイクリングロードをのんびり車へと。
自転車を速攻で車に積み込み、やつか温泉「快湯館」へ。
ようやく生き返り、定番のコーヒー牛乳をゴクリ。
雄大な景色こそ望めなかったが、雨降りの冷え冷え地獄を経験したことは
鬼の金棒が1本増えたこととして喜んでおこう。
本日の走行距離 54キロ。
15:20発 18:40着。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます