１２号そらをみあげて

　「おかあさん。
　　　
　　　　もうはやきょうから春になった。」

２月さいごの空

なんというあおいあおい空

保育所の桜の枝も

こどものほっぺも

ああ、春だ、って知っていた

だあれもおしえなくっても。

おひさしぶりです１２号

このあいだ、
じいちゃんばあちゃんから、
ついにランドセルが送られてきたんだっ！

天使の羽のランドセル！
わくわくしちゃってさ、やっぱり。
毎日しょってみちゃってさ、やっぱり。
鏡で自分チェックしちゃってさ、やっぱり。
ランドセルしょったままムダに歩き回っちゃって。
やっぱり。うん。やっぱり。

あともすこしで一年生なんだな。
って、やっぱり毎日毎日わくわくしてるんだなっ♪

１２号かけぬけた日々を振り返って・４

大晦日には夜中に出かけて

荘厳なふんいき☆とゆうかんじで

ふぉのう（炎）をみつめたりして

おとうさんとおかあさんと

新しい年を迎えました。

「まもってください。なむあみだぶつ。」

おれはすごいものに守られているらしい。

１２号かけぬけた日々を振り返って・３

頭もいそがしくピコピコ動いてるけど
カラダもグングン高性能になっている

どうしても飛び越えられなくて、
くやしくてくやしくて泣いてた、
そのとびばこだって、
いつのまにか軽～く、


　　　　　　ピョン！　なんだっ！！！

１２号かけぬけた日々を振り返って・２

あたらしい家で６歳の誕生日
あたらしい家のそばには、
田んぼも畑もないんだな。

カエルのこえ、鈴虫のこえ、
風のおと、大きくなってく稲穂、
同じアパートの赤ちゃんの泣き声、
そういうのに囲まれてきたけど、

これからは電車の音と飛行機の音
車の音、夜中のにぎやかな通りの人の声、
そういうのを聞きながら暮らしてるよ。

そんでもっておれの頭も猛スピードで回転してる。

１２号かけぬけた日々を振り返って・１

おれは去年、
住みなれたアパートにさよならした。
どんどんどんどん荷物がなくなって、
どんどんお部屋が広くなって、
せまいせまいって思ってたけど、
こんなに広かったのかってびっくりした。

生まれてからずっと住んだ家。
そのうちあたらしい人が住むのかな。
そんなのいやだなって思った。

ほんとにさよならする日
ぽろんとなみだがでちゃったんだ
いままでありがとう。おれの家。