じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

長板中型染の松原さんの工房へ・・・

2011-02-28 20:17:31 | イベント

こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 今は京都に居るんですが

 その前は 千葉の君津にある 

 長板中型染めの松原伸生さんの工房にお邪魔してきました

 あいにくの土砂降り雨で 染めの作業は拝見できませんでしたけど

 長板中型について ご説明しましょう。

 長板、って言うくらいですから 長い板を使います。

 
 反物半分が貼れる長さです。

 重いんですよ・・・・ ここに染める生地を貼り付けます。

 

 
 型は柄によって大きさが違いますが

 だいたい25~30センチ(幅は反幅ですね)

 これを柄がずれないように 繰り返し反物に糊伏せするのです。

 糊置きしたのがこの状態。

 茶色く見えるのが 布糊と糠、塩などを混ぜた糊。

 
 染める生地の厚みや節、染める日の天気などで 調整して作ります。

 この糊の出来の良し悪しが染め上がりを左右するのです。

 
 藍で染めますが

 いわゆる、藍甕ではなく

 藍の浴槽?? かなり大きいです。

 これは 反物を漬ける時に布同士がすれて糊が剥がれたりしないように。

 糊を置いて 藍に漬けて水分を含んだ反物は

 かな~り、すごく重いです。 重労働・・・

 江戸時代から男の仕事だったのが納得できます。

 こんな 松原さんをじざいやにお迎えするのは来週です。

 お楽しみに。

 ・・・・小千谷や紬地への 長板中型のお誂えも承ります!!

 お手持ちの白生地がある方はご相談ください~~~

 

== 横浜元町・普段着物のじざいや 紬と木綿が得意です ====

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明日は長板中形の工房へ行って 2日まで京都です= 紙布の話なども

2011-02-27 21:35:34 | 元町じざいや日記

こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 元町チャーミングセールも終わって

 ホッとする間もなく出張2箇所続きです。

 明日は朝から 中形長板染めの松原さんの工房へ行って

 そのまま 京都へ入ります。

 2日まで京都におります。

 可愛い子、きれいな子を連れ帰りますのでお楽しみに!

 

 3日からは 出羽の織座のご紹介です。

 米沢で古代布の復元をしながら

 原始布・古代織参考館を主宰している山村さんが

 北国のおばぁちゃんたちと作り上げた作品です。

 雪に閉ざされる冬の手仕事として伝えられた

 刺し子や 山葡萄の編み籠、

 物を無駄にしない生活の知恵から産まれた紙布や琴糸織、

 身近な植物繊維を布に織り上げるシナ布やからむし、ぜんまい紬・・・

 

 今日はその中から 紙布をご紹介します。

 

  これは 米沢でも山村さんではなく 玉虫正直さんの
  経糸緯糸100%紙布の着物です。

  大抵は経糸に絹や木綿を使い
  緯糸だけに和紙を使いますが
  これは 経糸も和紙。糸を作るだけで半年以上掛かったので
  もう二度と作らない、本当は売りたくない、と言われたものです。
  ほんのりピンクの縞は紅花で染めたものです。

  紙布は和紙を裂いて拠った 紙糸で織られます。

  最近は見ませんが うちの父などは いつも和紙をよって

  「こより」を作り メモなどを綴じていました。

  和紙をよったものが紐として使われるように

  和紙は縒ることによってとても強い糸になります。

  この糸で織りあげた布は 軽く、肌当たりが柔らかく、

  濡れても乾きが早く 丈夫で保温性に優れているのです。

  その性質ゆえ 山形の庄内地方では 漁師が着ていたそうです。

  それは経糸に丈夫な藤糸や木綿糸を使い

  緯糸には 反故紙(不要になった文書類、書き損じ)をよった糸を使った

  リサイクルでエコな布だったのです。

  

  これは 出羽の織座の紙不角帯で
  経糸には絹を使って 刺し子で模様をつけてあります。
  

  
  これも 刺し子入りの紙布角帯。

  復元力があるので 滑らず締りが良く軽くて

  なにより とてもお洒落ですね。

 

 

 

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伊藤峯子さん、明日までです!

2011-02-12 18:36:45 | イベント

こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 伊藤峯子さんの会は明日までです。

 寒さも忘れる 花倉織りの魅力をご堪能ください。

 手打ち蕎麦と美味しいお酒もありますよ~

 

 2/14(月)~16(水)の3日間、

 床下工事のためのお休みをいただきます。

 17日からは 床を張り替えた新生じざいやです。

 絨毯の色がね~~ 今度は市松なんですよ。

 どんな市松かは 17日のお楽しみ^^

 17(木)~20(日)には

 新装開店セールを行います!!

 年末年始のセールで買えなかった着物や帯、

 新作の美しい着物や帯が20~50%引きになりますので

 みなさん お越しください~~

 (ナイショですけど 明日来られた方にもセール価格適応です)

 

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裏話。

2011-02-11 18:41:30 | 元町じざいや日記

こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 今日は沖縄から伊藤峯子さんが来られて

 沢山お話くださいました。

 数十年振りに雪を見た、と喜ぶ伊藤さんは

 「積もらないかな~~」と積もるのを楽しみにされてますが

 横浜では どうやら積もらないらしい・・・

 

 昨日は両面花織りの画像をご覧いただきましたが

 今日は てぃー花、と呼ばれる 表だけに浮き織りの出る花織と

 沖縄独特の手結絣です。

 
 てぃ花の帯です。
 刺繍のようにも見えますが 色糸ごとに浮き織りを織り込む技法で
 色の数だけのヒを使います。

 これを裏から見ると・・・
 
 糸が飛び出しています。
 でも きれいですね。

 
 てぃ花に 手結絣を入れた帯です。
 V字のところが絣になっていますが
 一番原始的な絣で 柄に合わせて絣を作るのではなく
 先にまだらに染めた緯糸を 左右にずらしながら柄を作っていきます。
 

 
 この脇に飛び出した糸がずらした部分の余りです。
 沖縄で 琉球絣の工房にお邪魔したときの話 に詳しく書きましたので
 こちらもご覧ください。

 

 伊藤さんは 明日、明後日いらっしゃいます。
 ぜひ 遊びにいらしてください。


 

  

 

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裏こそ必見!

2011-02-10 18:39:29 | 元町じざいや日記

こんにちは じざいやのさくらこです。
横浜元町・普段きもののじざいやへようこそ!

 明日からは伊藤峯子さんがじざいやにいらっしゃいます。

 首里花織の中でも 花倉織りの美しさが冴え渡ります。

 とてもチャーミングな方ですので

 気軽にお話にいらしてください。

 

 昨日のブログで 帯の裏から画像を載せましたら

 なんかウケたので^^;

 業者の立場で展示会に行って 裏口のきれいな会場は

 全てにおいて信頼できるんですよ。

 見えないところに手を抜かない、それが本物です。

 
 伊藤峯子さんの花倉織りの帯。裏側。
 うーん・・・浮織りの花倉は裏表で柄の差があまり無いのでした・・・・

 
 藤山千春さんの吉野間道帯、裏側。
 これも ほとんど差がないのですね

 
 読谷花織は裏に糸が渡りますので 裏の丁寧さがはっきりわかります。
 ここで 糸が余分に浮いていると 表の花織もゆるんでひっかかり易いのです。

 
 石原恵子さんの刺繍帯の裏側。
 刺繍だって 不必要な糸が裏に沢山あるのは
 糸の分重くなるし 表の刺繍の糸が飛び出しやすくなります。

 一番お見せしたいのは
 今は亡き 山口安二郎翁の 唐織の裏。
 唐織というと 多数の糸が糸の数だけ渡っているイメージですが
 山口さんは 丁寧に一色づつ留めて 
 生地を軽く、糸の引っかかりが少なくなるよう努力されていました。

 
 染だって ちゃんと染めたものは
 生地の裏まで染料が浸透して裏からの柄もきれいです。
 これは 田中さんの茜染め古渡り更紗帯の裏。

 店の方には
 芝崎さんの熨斗目を写し直してアップしてます。
 今日の画像は すこしだけ実物に近づいてます。
 でも 実物は数倍、数十倍、きれい。
 伊藤さんの帯だって 着物だって 画像よりずっとずっと素敵です。  

 

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