北朝鮮に忍耐の限界か 「強力な報復」に方針転換=文大統領
2017/08/29 15:52 聯合ニュース
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の相次ぐ挑発にも対話路線を取ってきた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「強力な報復」へと
方針を転換した。
北朝鮮が29日、日本の上空を通過する中距離以上の弾道ミサイルを発射したことを容認できるラインを越えたとみなし、
独自制裁や多国間外交はもちろん、軍事的対応まで用いる対抗手段を取った。
文大統領は同日、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長(閣僚級)から北朝鮮のミサイル発射に関する報告を受けると、
「強力な対北報復能力」を誇示するよう指示した。
この指示により、軍はF15K戦闘機4機を出撃させ、MK84爆弾8発を投下する訓練を行った。米軍の戦略兵器の韓国展開も
検討しているとされる。
文大統領は北朝鮮が26日に弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を発射した際は韓米合同指揮所演習「乙支フリーダム
ガーディアン」(UFG)に反発するレベルの低い挑発と判断したが、今回は重大だとみなし、厳しい対応に乗り出したとみられる。
青瓦台(大統領府)の高官は「対話ムードに向かえば良いが、そういう状況を先方(北朝鮮)がつくらないなら、こちらも対応
措置を取る」と強調した。
北朝鮮が米領グアム沖への中距離弾道ミサイル発射計画を公表してから高まっていた緊張状態が多少緩和された時期に挑発を
強行したことも、文大統領の方針に影響を及ぼしたようだ。
青瓦台は北朝鮮に対する制裁と圧力の重要性を指摘しながらも、対話の可能性を強調してきたが、今後も今回のような挑発が
続く場合は対話の可能性が小さくなっても強力な対応措置を続ける方針を示唆した。
韓国外務省「強く糾弾」
8月29日 19時08分 NHKニュース
北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて韓国軍の合同参謀本部は声明を発表し、「北の弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会の
ラブロフ外相「北朝鮮に安保理決議順守を求める」 ミサイル発射を受け
ロシアのラブロフ外相は、朝鮮民主主義人民共和国による29日のミサイル発射を受け、 ロシア政府は北朝鮮が安保理決議を
全て順守するよう強く求めると述べ、北朝鮮への表立った非難は避けました。
同外相はアラブ首長国連邦(UAE)での会議終了後、北朝鮮のミサイル発射実験に対するロシア政府の姿勢を以下のように
説明した。
「我々は国連安保理決議の全てを支持し、隣国の北朝鮮がそれらを完全に順守することを強く求める。安保理協議で我々はこの
方針に従っており、今回開催される会合でもこれに従うつもりだ」
29日未明、北朝鮮は再び弾道ミサイルを発射。ミサイルは日本上空を通過し、太平洋上に落下していることから中距離型であったと
推測されている。
露外務省が深い憂慮 北朝鮮への制裁圧力は効果なし
EUモゲリーニ上級代表 北朝鮮のミサイル発射は日本への直接的脅威。 相応の対応を準備
「EUは朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射を日本への直接的な脅威ととらえ、国連安保理の緊急会合召集を支持し、
パートナーらと協調し反応を準備する。」 モゲリーニEU 外務・安全保障政策上級代表がこうした声明を表した。
モゲリーニ上級代表は「私はこの直接的脅威に晒されている日本および日本国民を支援する」と語った。
この声明は欧州対外行動局を通じて表された。
モゲリーニ氏は「これらの行為は国連安全保障理事会の複数の決議に記載されている国際義務の北朝鮮による許すべからざる
違反であり、国際平和と安全保障に深刻な脅威をもたらしている」と指摘した。
同氏はまた、EUは国連安保理緊急会合の本日開催の要請を全面的に支持していると強調した。
モゲリーニ氏は「EUは主要パートナーと緊密に連携し、国連安保理の立場に従った適切な対応を検討する」と述べた。
中国外務省、すべての関係国に自制求める。オーストラリアは中国批判
[北京 29日 ロイター] - 中国外務省の華春瑩報道官は29日の定例会見で、北朝鮮によるミサイル発射を受け、すべての
関係国に自制を呼び掛けた。
同報道官は、北朝鮮が国連決議に違反してミサイルを発射することには反対だとしつつ、制裁と圧力では北朝鮮問題を解決できないと
指摘。米国と北朝鮮に対話するよう求めた。
また、オーストラリアのターンブル首相は、北朝鮮の主要な同盟国で貿易相手国でもある中国がもっと行動する必要があると指摘。
オーストラリアのラジオに対し「中国は圧力を強めなければならない。中国はこれまで、他国と同じように北朝鮮のミサイル発射を
非難しているが、独特の影響力を有しているために独特の責任も負っている」と述べた。