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アシアナ航空、ノー機内食騒動のあらまし。「非正常な機内食」情報提供が相次ぐ 。機内食業者は自殺。

2018-07-07 12:09:17 | 韓国

 

アシアナ航空、前代未聞のノー機内食騒動で自殺者も

 

大韓航空に続き、ここでも「オーナー経営」が原因か?

 

2018.7.6(金)   JBPRESS

サンフランシスコ国際空港(San Francisco International Airport)で着陸に失敗し炎上した韓国アシアナ航空(Asiana Airlines)の事件も記憶に新しい(2013年7月12日撮影)


 2018年7月1日から韓国のアシアナ航空の国際線で、機内食が提供できなかったり、機内食を積み込む

ために出発時間が大幅に遅れる異例の事態が続いている。


 騒動が広がるなか、機内食を供給する下請け会社の代表が自殺する事件も起きた。背景を探ると、

ここでもオーナー会長の無理な経営が原因だという指摘が出ている。


 機内食騒動は7月1日に始まった。この日、アシアナ航空の国際便80便のうち、36便で機内食を積まない

まま出発することになった。


 日本便や中国便ならともかく、東南アジアなど飛行時間が比較的長い便でも「ノーミール(機内食なし)」

で出発した。


下請け会社の代表が自殺

 機内食騒動は、2日、3日、4日も続き、「すぐにすべて解消できる見込みはない」という。

5日からは、ブリトーや、パン、ヨーグルト、果物などが入った軽食セットを提供して、「何もなし」という

事態は回避し始めた。


 大韓航空と並び韓国を代表する航空会社のアシアナ航空で「機内食がない」という事態が続いたことは

前代未聞で、韓国内では大きな話題になっている。


 そんななか、仁川市内のアパートで、機内食を供給する下請け会社の代表が、自殺しているのが見つかった。

韓国メディアによると、1日の騒動で疲弊していたといい、機内食騒動が死因だった可能性が高い。


 アシアナ航空は、機内食を提供できない便の搭乗客に対して、1万ウォン(1円=10ウォン)の

空港内食事券や30~50ドル相当の免税品購入クーポンを提供した。


 機内では、「カップラーメン」を求めたり、クーポンで免税品を購入する客が相次いで、乗務員は大変な

苦労だという。

 いったいどうしてこんなことになってしまったのか。


業者変更初日から大混乱

 アシアナ航空は、7月1日から、機内食の供給業者を変更していた。

 この業者が、機内食を指定の時間までに届けることができず、機内食騒動が続いているという。

業者を変更した初日から大混乱に陥ったのだ。


 単なる「事故」かと言えば、そうでもないようだ。

 というのも、アシアナ航空はこれまで1日に2万5000~3万食の機内食の供給を受けてきた。

だが、新しい業者は、これまで1日3000食程度しか供給したことがなかった。


 会社の運営がそもそもアシアナ航空向けのサービスに適用できる体制になっていなかったという

指摘が多い。


 アシアナ航空は、実は別の業者から7月1日以降、機内食の供給を受ける計画だった。だが、この業者の

機内食工場で火災が起き、急遽つなぎの業者を探した。この選定や準備過程がおそまつで、こんな事態に

なってしまった。

 ここで、疑問が生じる。


どうして業者を変更したのか?

 では、どうして、機内食業者を7月1日から変更することになったのか?

 これこそ、今回の騒動の核心なのだ。


 アシアナ航空はもともと子会社から機内食の提供を受けていた。ところが、韓国を襲ったIMF

(国際通貨基金)危機のあおりで経営が悪化すると、この子会社の株式の大半を独ルフトハンザ航空

傘下の機内食業者に売却した。


 2003年以降、この業者から機内食の供給を受けてきた。5年契約で、更新を繰り返してきた。


 ところが、2018年6月末の契約満了を前に、アシアナ航空側が長年の契約先に異例の要求を出した。


 「アシアナ航空の親会社である錦湖(クムホ)ホールディングス(現錦湖高速)に資金援助をしてほしい」


 韓国メディアによるとアシアナ航空側は、錦湖ホールディングスが発行する1600億ウォン相当の

新株引受権付き社債(BW)を引き受けることを契約更新の条件として提示してきたという。


契約延長の条件は資金協力?

 どうしてこんな無理な要求をしたのか?

 錦湖グループは、ここ数年、オーナー会長である朴三求(パク・サムグ=1945年生)氏が主導した

拡大経営の失敗や、実弟との経営権争いなどで迷走を続けてきた。


 朴三求会長は拡大志向が強く、2006年に「大宇(デウ)建設」、2008年に「大韓通運」という

経営破綻していた名門企業を、合わせて10兆ウォンで買収した。1兆円相当の大型M&Aだった。


 「いくら何でも買収額が多すぎる」というグループ内外の懸念は、直後に起きたリーマン危機で一気に

現実のものとなる。グループの資金繰りが急速に悪化したのだ。


 この間、かねて不仲だった実弟が、儲け頭である石油化学事業を率いて独立してしまう。


 残った錦湖グループは、アシアナ航空やバス運行会社、リゾート施設運営会社など交通、運輸、

観光事業などが主力になったが、巨額の借入金負担から事実上の銀行管理となった。


 この過程で、優良企業だった錦湖タイヤの経営権が銀行団に渡った。

 

錦湖タイヤを取り戻すため?

 錦湖タイヤを中国企業に売却しようとした銀行団に対して、朴三求会長は、抵抗を続け、「買い戻し」を

求める。


 だが、資金繰りが苦しいグループでは、思うように手当てができない。資産売却などあの手この手で

「資金集め」を進めていた。


 そんななかで、浮かんだのが、「アシアナ航空の機内食」だ。


 だが、機内食供給継続の見返りに資金協力をしろというのは、いくら何でも受け入れがたかった。

 異例の申し出をルフトハンザ航空の子会社が拒絶するとともに、「不公正取引だ」として韓国の

公正取引委員会に駆け込んだ。調査は今も進行中だ。


中国企業が1600億ウォンのBW引き受け

 こうしたなか、アシアナ航空は、中国の航空会社、海南航空などを傘下に持つ海航集団と新たな

機内食供給会社を合弁で設立することで合意した。


 ちなみに7月3日、この海航集団の会長が、フランスで事故死して大きなニュースになっている。


 新しい機内食供給業者は「ゲートグルメコリア」。アシアナ航空が40%、海航集団の傘下企業である

機内食サービス大手、「ゲートグループ(スイス)」が60%出資して設立した。


 アシアナ航空に機内食を7月1日から供給するはずだったが、建設中の工場で火災が発生し、3か月ほど

遅れることになってしまったのだ。


 どうして、「ゲートグループ」だったのか?

 

2017年春、ゲートグループの親会社である海航集団は、錦湖ホールディングスが発行した1600億ウォンの

BWを引き受けている。


 ルフトハンザ航空の子会社が「拒否」したBWを海航集団が引き受けた。

これと前後して、機内食供給業者も海航集団が株主の大半を握る会社に変更になったのだ。


 錦湖アシアナグループによる錦湖タイヤの「買い戻し」は結局、失敗に終わった。


 だが、機内食供給業者の切り替えは、顧客サービス改善というより、「錦湖タイヤを買い戻して

グループを拡大したいというオーナー会長の強い希望」で「1600億ウォンを確保するためだった」と

見る向きは多い。


 その結果、大混乱が起きて、顧客や乗務員などに大きな被害が出た。それどころか、自殺者まで出して

しまった。本当なら、これほどひどい話もない。


そんななかで会長の長女は常務就任

 「オーナーの無理な経営を断固糾弾する」

 「ノーミール事態発生に責任がある経営陣を糾弾する」


 アシアナ航空の労働組合や従業員有志などの間では、オーナー会長などに対する批判が強まっている。

労組は、6日からソウル市内で、街頭で抗議の「ローソク集会」を開く計画だ。


 韓国では絶大な権限を握るオーナー会長に対して従業員が公然と反発して街頭集会を開くなどつい

最近までありえなかった。


 ところが、大韓航空のオーナー会長と妻、子供たちの横暴と不正に従業員が反発して、街頭集会が

何度か開かれた。同じ業界で、また、同じような集会が開かれることになったのだ。


 そんな折、朴三求会長の長女(1978年生)がよりによって7月1日付でグループ関連会社の常務に

就任したことが明らかになった。

 

 梨花女子大を卒業後、東京などで観光、料理の専門学校に通ったことはあるが、ビジネスの経験はなく、

入社していきなり「常務」にしたことに批判の声が上がっている。


 7月4日、朴三求会長らはソウルで記者会見で一連の「機内食騒動」について謝罪した。

自殺した機内食下請け会社代表についても「道義的責任を痛感している」と話した。


 ただ、朴三求会長は「機内食供給会社の変更は、あくまでサービス向上のためだ。海航集団からの

資金はリゾート事業で協力することが目的で、機内食業者の変更とは直接関係ない」と否定した。


 また、長女が関連会社常務に就任したことについては「好意的に見てほしい」と語り、さらに批判を

増幅してしまった。


大韓航空に次ぐ「オーナーリスク」

 韓国では、大韓航空のオーナー家の様々な問題が噴出して、捜査が進んでいる。


 「オーナー経営」のマイナス面がアシアナ航空でも表面化してしまった。


 韓国紙デスクは、「大韓航空を傘下に持つ韓進グループで起きている様々な不祥事で『オーナーリスク』

への批判が高まっているのに、またアシアナ航空でこんな問題が起きるとは…」とあきれる。


 ある大企業幹部は、「ナッツリターン事件をはじめ、韓進グループで役員に昇格していたオーナー会長の

長女、次女の乱行ぶりが世論の集中砲火を浴びている中で、同じ業界でオーナー会長の長女を常務に

起用する人事などどう見ても考えれない話だ」と話す。


 韓国紙デスクはこう話す。


 「大韓航空への国民の批判が強い中でアシアナ航空にとってはチャンスでもあったのに、もっとひどい問題を起こすなど信じがたい」

 こんな批判は当面消えそうもない。



アシアナ航空、これが機内食正常化? 「非正常な機内食」情報提供が相次ぐ

2018年07月06日07時58分    中央日報

 「機内食大乱」5日目を迎えたアシアナ航空が5日、機内食提供のない「ノーミール(No Meal)」

運航はもうないと予告したが、正常な食事が提供されていないという指摘が相次いでいる。

  アシアナ航空職員によると、この日内部に向けて「ノーミールゼロ(No Meal Zero、機内食

未搭載運航なし)」方針が決まった。


  朴三求(パク・サムグ)錦湖(クムホ)アシアナグループ会長も前日の記者会見で「明日からは機内食の

ない飛行機がないように最善を尽くす」と明らかにした。


  しかし、提供された機内食は正常化したとは言い難い水準だったことが伝えられた。

メニューにはプルコギ定食とあるが肉と白飯だけのものやリンゴはいつむいたのか分からないほど黄色く

変色したままのものだった。



  また、パンやバターなど基本的なメニューにメインディッシュはクーポンで代替されたが、これもまた

航空機の安全を脅かすという指摘だ。該当のクーポンは30~50ドル(約3300円~5500円)の

免税品が買えてアシアナ航空券購入時にも使用可能だが有効期間は1年だ。クーポンで機内免税品を

買おうとする乗客が大幅に増えて乗務員が免税品販売のため忙しく危険な飛行をしているという。



 

 アシアナ航空客室乗務員労組委員長のイ・ギジュン氏は「飛行重要段階に入る前に免税品販売を終了して

安全活動をしなければならない。だが、搭乗客がクーポンで免税品の購入を希望すれば応対しないといけない」

とし「機内免税品販売を終了するのが難しかった」と伝えた。

  この他にも「簡便食」に分類されるブリートを入れて提供したが、アシアナ職員2000人余りが集まった

匿名チャットルームでは「小細工だ」とする声が上がった。



  チャットルームでは「簡便食提供便は『ノーミール』飛行機から除外しようとしているようだ」とし

「小細工して欺こうとするやり方だ」という指摘が続いた。

  これについてアシアナ関係者は「今日運航する航空便79便全体で機内食が提供される予定で、

このうち一部短距離路線に限りブリートなど簡便食が提供される」とし「だが、ミネラルウォーターと

ヨーグルト、果物、プリン、パンなどが一緒に入っている『コンボボックス』として提供するので

機内食と見ることができる。ブリートだけ提供している従来の簡便食とは違う」と説明した。

 

 

声を上げたアシアナ航空職員「会長はホットミール、乗客はノーミール、乗務員は欠食」

アシアナ航空職員約300人、「機内食大乱」に経営陣の責任を問う 
協力会社代表の追悼のために黒い服を着て「パク・サムグ会長退陣」叫ぶ


 

アシアナ航空職員や市民が6日夕方、ソウル鍾路の世宗文化会館前の階段で開かれた「アシアナ航空ノーミール事態責任経営陣糾弾文化祭」でパク・サムグ会長の退陣などを要求するプラカードを掲げている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 


 アシアナ航空の職員300人余りが黒い服と“猫”の仮面などをかぶり、6日午後6時30分にソウル鍾路区の

世宗(セジョン)文化会館前の階段に集まった。アシアナ航空は1日から機内食の供給支障で「ノーミール

(No meal=機内食なし)事態」が起こった。ついに2日には機内食の供給協力会社代表のY氏が自ら命を

絶つ事件も起きた。Y氏は、アシアナ航空の無理な物量の供給要求と、供給支障が発生した際に

過度なペナルティーを与える問題などで苦しんでいたという。

 

 

 公共運輸労組アシアナ航空支部などはこの日、今回の事態の責任は経営陣にあるとし、

パク・サムグ会長の退陣などを要求する「アシアナ航空ノーミール事態の責任経営陣を糾弾する文化祭」を

開いた。アシアナ航空の職員たちは、Y氏を追悼する意味で黒い服を着て文化祭に参加した。

 


 アシアナ航空客室事務長のLさんはこの日の文化祭で「ある人の誤った意思決定で、そしてその人の

機嫌を取るための判断ミスでこのような大乱を迎えることになった。私たち乗務員はお客様の罵声を

黙々と受け入れて陰で泣いた」とし、今回の事態の責任が経営陣にあるという事実を明確にした。

また、他の乗務員も自由発言で「主に短距離を運行していて、昨日初めて(ノーミール事態を)経験してから、

多くのことを考えた。一体なぜ事態がこんな状況までになってしまったのか聞きたくてこの場に参加した」

と話した後、「パク・サムグは消えろ」とスローガンを叫んだ。地上旅客サービス業務のある職員は

「パク・サムグ会長が『ホットミール(暖かい食事)を食べているとき、乗客たちは『ノーミール』で、

乗務員たちは欠食していた」、「パク・サムグ会長は退くべきだ」と主張した。

 


 アシアナ航空労組委員長を務めた正義党所属のクォン・スジョン・ソウル市議会議員もこの日の文化祭に

参加した。クォン議員は「職員たちは最善を尽くしている。それなのになぜ経営にミスした人のために

(乗客の)「罵声受け係り」として生きていかなきゃならないのか。いまやこんなふうに集まった。

愛する職場を我々が守っていけばいい」と言い、大きな拍手を受けた。

 

 

 アシアナ航空の職員たちは、日曜日の8日夕方にも世宗文化会館前の階段でパク・サムグ会長の退陣を

要求する文化祭を開く計画だ。