在韓米軍、大規模民間人疎開訓練を来月実施
2018/03/24 09:13 朝鮮日報
在韓米軍が来月、韓半島(朝鮮半島)で最悪の悪夢のシナリオが展開するケースに備えた大規模な(民間人)疎開
(mass evacuation)訓練を実施するという。米軍機関紙『星条旗新聞』が22日(現地時間)報じた。
同紙は「今回の疎開(撤収)作戦には、民間人志願者100人を選抜し、米国本土まで脱出させる作戦も含まれる。米国本土への
疎開は史上初めてといわれる」と伝えた。これについて、在韓米軍司令部と韓米連合司令部は「作戦事項なので確認はできない」
「事実ではないと思う」と、慎重な反応を示した。
「非戦闘員疎開訓練(NEO)」と呼ばれる今回の脱出訓練は、韓米合同演習の期間に当たる来月16日から20日にかけて実施される。
星条旗新聞は専門家の話を引用し、今回の訓練には在韓米軍人の家族など対象民間人のおよそ10%前後が参加すると予想した。
在韓米軍は毎年、韓国国内の米民間人のうち志願者を中心として春と秋の2回、NEO訓練を行ってきた。
米軍消息筋は「今年も例年と同じく100人前後の米民間人が訓練に参加するようだ」と語った。
これまでのNEO訓練は、米軍人の家族などを都内西部の横田空軍基地まで撤収させるレベルにとどまっていた。しかし今回は、
米国本土に撤収させる方向へと大幅に拡大されることもあり得るという。時事週刊誌『ニューズウィーク』は「今回の訓練は韓半島に
戦争の影が差しつつあることを思い起こさせている」と報じた。
星条旗新聞は、北朝鮮が平昌冬季オリンピックに参加するなど一連の外交的突破口が整えられたものの、米国の当局者や
専門家らは最悪のシナリオに備えるべきだという認識を持っている、と伝えた。
米太平洋軍(PACOM)のハリー・ハリス司令官は最近、米国連邦議会下院の聴聞会で「韓半島で衝突が発生したら、脱出しようと
する人の数はショッキングなものだろう。20万人以上の米国人と100万人の中国人、6万人の日本人が脱出しようとするだろう」と
語った。ジェームズ・マティス国防長官も昨年12月、「韓半島に暗雲が押し寄せている」として、在韓米軍の家族の撤収について
「非常対応の準備はできている」と語った。
北朝鮮は昨年、火星12型、北極星2型など、在日米軍基地やグアム島を攻撃できる核ミサイル能力を見せつけた。韓国国内の
米民間人を日本やグアムまで撤収させても、依然として北朝鮮のミサイルの脅威からは逃れられないため、米国本土まで撤収させる
必要性が生じたのだ。
しかし米国内からは、NEO訓練は非現実的だという批判も出ている。
駐韓米国大使に内定したものの白紙となったジョージタウン大学のビクター・チャ教授は最近、ワシントンポスト紙に寄稿した
記事で「多数の民間人を脱出させることは現実的には不可能。むしろ、隠れて戦争が終わるのを待つ方がまし」と指摘した。
現在、在韓米軍2万8500人を除く「NEO」対象の米民間人(米軍人の家族含む)の数は23万人に達する。これらの民間人を全て
疎開させるには1カ月以上かかると予想され、非現実的という評価が出ているのだ。