アラン・ドロン、俳優引退へ フランスが誇る美男の代名詞
2017年05月10日 07:07 AFP
第66回カンヌ映画祭で開かれた、『太陽がいっぱい』のリマスター版上映会に出席した仏俳優アラン・ドロン(2013年5月25日撮影)
【5月10日 AFP】「史上最高の美男俳優」の一人と称されるフランスの人気俳優アラン・ドロン(Alain Delon、81)が9日、間もなく俳優業から引退すると宣言した。
ドロンはAFPの取材に対し、最後に映画と舞台作品にそれぞれ1本ずつ出演してから引退する意向を表明。「この歳だし、ここまで俳優としてやってこれたし、もう終わりにする。(中略)人生の終わりではないが、キャリアの終わりだ」と述べた。
ドロンは1960年代初め、『太陽がいっぱい(Plein Soleil)』や『山猫(The Leopard)』といった名作で美しく若き殺人犯や策略家を演じ、名声をつかんだ。また、マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)やスティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)らハリウッド(Hollywood)の映画監督たちは、ドロンが1969年の『サムライ(Le Samurai)』で知的な殺し屋というキャラクターのひな形をつくったと評している。
ドロンは2000年にも一度、銀幕を退いたが、8年後に『Asterix at the Olympic Games』のユリウス・カエサル(Julius Caesar)役で復帰。「考えを変えないのは愚か者だけだ」と語っている。ただ、ドロンはAFPに対し、今回の引退は本物だと述べている。
フランスの著名な映画監督パトリス・ルコント(Patrice Leconte)がメガホンを取る最終作では、自身のイメージと重なるキャラクターを演じるという。
ドロンは「脚本はほぼ仕上がっている。素晴らしいラブ・ストーリーだ。題名はまだついていないが、役は私自身にかなり近い」と述べ、「私くらいの歳の、少し気分屋で、気難しく、怒りっぽい男が、人生の最後に愛を見つける」物語だと明かした。
相手役はジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche)で、ドロンは「素晴らしい女優」と評している。
『太陽がいっぱい』(1960年)に出演したアラン・ドロン。
仏俳優アラン・ドロン(撮影日不明)
ジャック・ドレー監督作品『太陽が知っている』に出演した仏俳優アラン・ドロン(左)と独女優ロミー・シュナイダー。フランス・カンヌでの撮影の様子(1968年9月撮影)
仏俳優アラン・ドロン。パリで行われた仏女優マリア・シュナイダーの葬儀で(2011年2月10日撮影)