市民のあらゆる権利制限「緊急法」発動へ=香港政府 「1国2制度」最大の危機
2019年10月4日 15時42分(最終更新 10月4日 23時23分) 毎日新聞
香港で、覆面禁止令の制定を記者会見で発表する林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官(中央、2019年10月4日撮影)
複数の香港メディアは4日、香港政府が同日にも、政府が市民のあらゆる権利を制限できる
「緊急状況規則条例」(緊急法)を発動すると報じた。同法に基づき、まずはデモ隊が顔を隠すことを
禁じる「覆面禁止条例」を即日施行する見通し。
香港政府、デモ参加者のマスク着用禁止 緊急法5日施行
「緊急状況規則条例」(緊急法)を発動し、デモ参加者のマスク着用を禁止する「覆面禁止法」を
緊急立法で制定した。
5日午前0時の施行。緊急法の発動は英国統治下の1967年に中国共産党支持派の大規模な暴動が
起きて以来、半世紀ぶり。97年の香港返還後では初めてとなり、香港情勢は新局面を迎えた。
市民は4日夜、各地で抗議デモを実施し、一部が破壊や放火を行うなど、覆面禁止法に強い反発を示した。
緊急法は、行政長官と行政会議が「緊急事態または公共の安全に危害が及ぶ事態」と判断した場合、
立法会(議会)の手続きを経ずに通信や報道、集会、移動の自由を制限し、最高で終身刑を科せると
定めている。民主派は「事実上の戒厳令だ」と反対してきた。
こうした反発に、林鄭氏は記者会見で、緊急法を根拠とする禁止法制定は「緊急事態の宣言ではない」
と強調した。
林鄭氏はまた、衝突が香港各地に拡大した現状は「公共の安全に危害が及ぶ事態」に該当すると主張。
覆面禁止の目的は「暴力の停止だ」と訴えた。デモの参加者に顔を覆うことを禁じ、違反者には禁錮
1年以下か罰金刑を科す。一方、報道で検討中とされた夜間外出禁止令は、親中派の有力議員が
「警察に負担がかかり実行は不可能」と反対し、採用されなかった。
香港デモ隊、中心部にバリケード築く。 覆面禁止令制定直後
【10月4日 AFP】香港中心部で4日、覆面姿の抗議デモ参加者らがバリケードを築いた。林鄭月娥
(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官が、デモ参加者の覆面を禁じる法律の制定を発表した
直後のことだった。
数十人の抗議デモ参加者らは、大手国際企業が多く集まる中環(セントラル、Central)地区で、
プラスチック製の柵や木製のパレット、三角コーンなどを積み上げた。最大のバリケードの後方の
道路には、マスク姿のデモ参加者ら数千人がとどまっている。
バリケードは、九龍塘(Kowloon Tong)地区にも築かれた。また沙田(Sha Tin)地区の
ショッピングモールでは、数百人が座り込みの抗議デモを行った。
香港で行われた覆面禁止令への抗議デモで、マスク姿で片手をあげ「5大要求」をアピールする参加者たち(2019年10月4日)
香港で行われた覆面禁止令への抗議デモで、マスク姿で片手をあげ「5大要求」をアピールする参加者たち(2019年10月4日撮影)
香港の中環地区で、覆面禁止令の制定への抗議デモに仮面をつけ英国旗を手に参加する男性(2019年10月4日撮影)
香港の中環地区で行われた覆面禁止令への抗議デモで、中国建国70周年を祝う横断幕を燃やす参加者(2019年10月4日撮影)。
香港臨時政府宣言
https://video.twimg.com/ext_tw_video/1180144488808734720/pu/vid/640×360/SKI14TNTF2zvhxnL.mp4
https://twitter.com/RFA_Chinese/status/1180144986785898496
さまざまな地区のデモ参加者が「香港暫定政府宣言」を読み、香港特別行政区政府は北京によって
完全に支配されており、香港の人々を代表することはできないと主張しています。
したがって、正当性はありません。 香港の人々は暫定政府を設立しなければなりません。
新港城中庭宣讀:香港臨時政府宣言 pic.twitter.com/hNkrzz5iZC
— 🇹🇼萬夫莫敵張益德(ㄓㄤㄈㄟ) (@TWZhangFei) October 4, 2019