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アサド政権、東グータを完全制圧 反体制派に打撃 米英仏空爆の日に / アサド政権、次の標的は内戦発端の南部ダルアー県・・・ 専門家

2018-04-16 22:47:36 | 戦争・内戦・紛争・クーデター・軍事介入・衝突・暴動・デモ

 

 アサド政権、東グータを完全制圧 反体制派に打撃 米英仏空爆の日に
2018.4.14 20:56      産経新聞

 

 シリア人権監視団(英国)によると、首都ダマスカス近郊の反体制派拠点だった東グータ地区のうち、武装組織「イスラム軍」が

最後まで残っていたドゥーマで14日、ロシア軍とアサド政権による支配が確立した。東グータは完全制圧された。

 


 反体制派は回復不能の打撃を受けた。米軍による支援を求め続けた反体制派にとって、米英仏のシリア攻撃の日に主要拠点が

陥落するという皮肉なタイミングとなった。

 


 ドゥーマでは、今回の攻撃の根拠とされた化学兵器攻撃が7日にあったとされる。政権側の完全制圧を受け、

近く化学兵器禁止機関(OPCW)が現地調査を実施する見通し。


  東グータは2013年から政権軍による包囲下にあり、今年2月に政権軍が猛攻撃を開始。民間人1600人以上が死亡した。

多数の市民は政権支配地域に脱出するか、反体制派武装勢力と共に北部の反体制派支配地域に移送された。


ロシア国営通信は12日の時点で東グータは制圧されたと伝えています。

CNN


ロシア国営通信は12日、シリア反体制派が支配していた首都ダマスカス近郊の東グータを、シリア政府軍が完全制圧したと伝えた。

同地では、7年に及ぶシリア内戦の中でも特に集中的な軍事作戦が行われていた。

 

ロシア国営通信によると、シリア政府軍は、反体制派が最後まで抵抗を続けていた東グータのドゥーマ地区で国旗を掲げた。

 

事実とすれば、アサド政権にとっては重大な勝利となる。ロシアはシリア軍によるドゥーマ制圧を、シリアの歴史における「画期的な出来事」と

評した。

 

シリアはまだ、公式には東グータ制圧を宣言していない。ただ、国営メディアは先に、ドゥーマの反体制派「ジャイシュ・アル・イスラム」が8日、

同地からの撤退に同意したと伝えていた。

 

 

シリア内戦では、アサド政権がロシアの軍事力を借りて攻勢に転じ、この2年で広大な地域を反体制派から奪還してきた。

 

 

ただ、ドゥーマ地区で化学兵器が使われたとされる問題を巡り、米英などが軍事作戦に踏み切る可能性もある。米国のトランプ大統領はツイッターへの

投稿で繰り返し、アサド大統領を名指しで非難している。

 

東グータのかつての人口は約40万人。国連難民高等弁務官事務所によると、この4週間だけで13万3000人あまりが避難し、

ドゥーマには数万人が取り残されていた。


アサド政権、次の標的は内戦発端の南部ダルアー県・・・ 専門家

2018年4月16日 16:54 発信地:ベイルート/レバノン   AFP
 
 

【4月16日 AFP】シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権にとって、首都ダマスカス東郊の東グータ

(Eastern Ghouta)地区を反体制派武装勢力から奪還したことは重要な節目となった。

それはまた、政府軍にとって7年に及ぶ内戦の始まりの地である南部ダルアー(Daraa)県へと攻勢の方向を移す道を開いた。

 

 周辺地域からの相次ぐロケット砲攻撃で多数の死者が出ていたダマスカスの安全を確保したことで、アサド政権は今、政府軍を

国内の他地域に進攻させる準備を整えた。

 

 国内北西部イドリブ(Idlib)県を掌握しているイスラム過激派は今なお脅威ではあるものの、専門家の間では、アサド大統領に

とって最も優先順位が高い地域は、2011年に同政権への抗議運動が最初に起きたダルアー県ではないかとの見方が出ている。

 

 アナリストのファブリス・バランシュ(Fabrice Balanche)氏によれば、シリア政府軍は、同盟国ロシアの支援を受けて

国内55%以上の地域を反体制派から奪還した。

 

 東グータを制圧した今、アサド政権にとって唯一の危機は、ダマスカス南部にあるヤルムーク(Yarmuk)のパレスチナ

難民キャンプを含め、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が今なお制圧している少数の南部地域にある。

だが専門家からは、アサド政権にとって真の関心は別の地域にあると指摘する声が上がっている。

 

 フランス国立パリ政治学院(Paris Institute of Political Studies)のジュリアン・セロン(Julien Theron)教授は、

「ISが制圧する地域が残っていることは、アサド政権にとって国内の他地域を再び支配する格好の口実となっている」と主張。

アサド政権は、反体制派に対する戦線を強化するための軍の再配置が可能となり、そうした地域に含まれるダルアー県こそが

同政権にとって「真の関心事」だとセロン教授は指摘する。

 

 ダマスカス南方に広がる広大なダルアー県は、ヨルダンおよび、イスラエルが占領しているゴラン高原(Golan Heights)と

国境を接しており、米国とヨルダンの支援を受けた非イスラム過激派の反体制勢力が県内の4分の3近くと県都ダルアーの一部を

掌握している。

 

 英エディンバラ大学(University of Edinburgh)のシリア問題専門家、トマス・ピエレ(Thomas Pierret)氏も、

アサド政権が東グータの次に狙っているのは間違いなくイドリブ県よりもダルアー県とみている。

ピエレ氏は「ダルアーの緊急性がより高いのは恐らく経済的な理由と、ヨルダンとの貿易を再開するため」との見方を示している。


反体制派が支配しているシリア南部ダルアーで、空爆とみられる攻撃を受けて立ち上る煙(2017年8月8日撮影)


反体制派が支配しているシリア南部ダルアーで、破壊された建物のそばを歩く子どもたち(2017年9月17日撮影)