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<ASEAN>ASEAN舞台に北朝鮮外交 日米と韓国の姿勢に温度差

2018-11-15 03:26:06 | 国際社会・国際会議・国際政治・経済・法及び条約等

ASEAN舞台に北朝鮮外交。日米と韓国の姿勢に温度差

2018年11月15日00時22分

 シンガポールで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の首脳会議では、北朝鮮の

核問題も議論された。非核化の実現まで制裁を続けるべきだとする米国や日本に対し、中ロや韓国は

緩和の検討を訴えており、ASEAN側にそれぞれ理解を求めた模様だ。かつて足並みをそろえた日米と

韓国の間に溝が広がるおそれもある。

 


 中国の李克強(リーコーチアン)首相、ロシアのプーチン大統領は14日、それぞれASEAN首脳との

会合に臨んだ。朝日新聞が入手したそれぞれの議長声明案には、北朝鮮に関する項目自体がなかった。

前日のASEAN首脳会議の議長声明案が、国連の制裁決議への支持に触れているのとは対照的だ。


 


 ロシアのラブロフ外相は9月下旬の国連安保理会合で、段階的な非核化に向けた北朝鮮の行動の後には、

「制裁の緩和が続くべきだ」と主張。中国も緩和の方針に賛同しており、それぞれ自らの立場で

ASEAN側に働きかけをした結果とみられる。

 

 一方、米国や日本の姿勢は大きく異なる。米国にとってみれば、経済制裁こそ北朝鮮に非核化を

促す最大のカードだからだ。ペンス副大統領は15日にあるASEANとの首脳会議で、こうした方針を

改めて伝えるとみられる。

 

 日本も米国の方針を強く支持している。安倍晋三首相とペンス副大統領との13日の会談では、

制裁を盛り込んだ北朝鮮の安保理決議の完全履行が必要との認識で一致。ペンス氏は会談後の

共同記者発表で、「北朝鮮の『最終的、最大限に検証された非核化』(FFVD)が実現するまで

全力で経済制裁は続けられる」とした。安倍氏は14日のASEAN首脳との会合でも「決議の完全な

履行が必要」と改めて強調した。

 

 日米とは温度差のある姿勢を取るのが韓国だ。文在寅(ムンジェイン)大統領は14日、ASEANとの

首脳会合で北朝鮮との対話継続に理解と支持を求めた。文氏はこれまで「非核化を進展させる場合に、

人道的支援や制裁の緩和が必要だ」といった発言を繰り返してきた。

 

 文氏が制裁緩和を議論することで北朝鮮の非核化を促そうとする背景には、2回目の米朝首脳会談に

向けた協議が滞っていることへの危機感があるとみられる。非核化をめぐる米朝協議では、核施設の申告や

検証を強く求める米国と、制裁緩和を含む相応措置を求める北朝鮮の立場の違いが埋まっていない。

今月8日にニューヨークで予定されたポンペオ国務長官と金英哲(キムヨンチョル)・朝鮮労働党副委員長

との会談も土壇場で延期になった。

 

 文氏には、自身が非核化の動きを牽引(けんいん)しなければ対話が停滞するとの焦りがあるとみられ、

ASEANの一連の会談でも自らの思いを訴えた模様だ。「ASEANのすべての国が北朝鮮と国交があり、

支持があれば強力だ」(大統領府関係者)との考えもある。韓国大統領府によると、文氏はこの日の

プーチン氏との会談でも制裁緩和に言及した。ただ、こうした韓国側の姿勢は、米国や日本との間で

摩擦を生む可能性がある。


https://digital.asahi.com/articles/ASLCG4JXKLCGUHBI01D.html?rm=294