日韓関係は歴史と安保・経済を切り離す…安候補
2017年04月19日 22時03分 読売新聞
【ソウル】韓国大統領選(5月9日投開票)に立候補した野党第2党で中道左派「国民の党」の安哲秀(アンチョルス)前代
表(55)が19日、本紙の書面インタビューに応じた。
日韓関係について、歴史問題と安全保障や経済問題を切り離す「ツートラック外交で臨む」との考えを示した。
安氏は「金大中(キムデジュン)大統領と小渕首相の1998年の『日韓共同宣言』の精神に基づき、過去を直視する土
台の上で未来志向の発展を図る必要がある」と強調。日韓自由貿易協定(FTA)締結や通貨スワップ再開に前向きな姿
勢を示した。韓国内で反対論がある日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)についても「北朝鮮の核ミサイルの開発
の動きを漏れなく把握することは軍事的に重要だ」と述べた。
一方、2015年末の慰安婦問題を巡る日韓合意については「安保問題と異なり、当事者(元慰安婦)が生存している」
とし、関係者との合意に基づいて修正する必要があるとの考えを示した。
中国が反対する在韓米軍への米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」配備は推進
し、当選すれば「早期にトランプ米大統領と会談し、安保問題を重点議論する」と対米重視の姿勢を示した。北朝鮮につ
いては弾道ミサイル発射などの挑発行為を非難する一方、「南北間対話や6か国協議などを再開する機会を作るため
努力する」とした。
安氏は支持率で、左派の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表(64)に次ぐ2位につけ、「2強」の争
いとなっている。