サウジ、拘束の王族ら釈放 資産没収と引き換え
2017 年 11 月 29 日 04:29 JST THE WALL STREET JOURNAL
サウジアラビア政府は28日、汚職の一斉摘発の一環として拘束していた複数の有力王族らを釈放した。違法に蓄財していたことを
認め、資産を差し出すことと引き換えに拘束を解いたもようだ。
サウジ当局は王子や著名実業家、政府当局者など200人以上を汚職容疑で逮捕し、その多くをリヤドのリッツカールトン・ホテルに
拘束していた。
ある政府に近い筋は「和解交渉が進展している」とした上で、「政府当局者は幕引きを望んでおり、そのため司法取引を
提案している」と話す。今回の動きは、政府による汚職捜査が解決に向かっていることを示唆している。
容疑者の多くは、資金やその他の資産の移管に応じることで、拘束を解かれたという。
この日釈放された王族の中には、国家警備隊司令長官を務めていたミテブ・ビン・アブドラ王子も含まれる。
ミテブ王子は今回の汚職捜査で拘束された王族メンバーの中で、最も政治的影響力がある人物とされる。ミテブ王子はアブドラ
前国王の息子で、後継候補の1人とみられていた。ミテブ王子は現在、リッツカールトンからリヤドの宮殿に戻っている。
ミテブ王子のコメントは得られていない。サウジの政府報道官はコメントの要請に応じていない。