安倍晋三首相はオバマ米大統領とともに行う真珠湾訪問で、日米和解を内外にアピールし、戦後に区切りを付けたい考えだ。
オバマ氏による5月の広島訪問と併せ、日米の指導者が未来志向で平和を誓う舞台として周到に準備を進めてきた。来年1月のトランプ次期政権への交代を前に、日米同盟の意義を再確認する狙いもある。
「この4年間を総括する場をつくろう」。首相は11月中旬のペルー・リマで行ったオバマ氏との短時間の立ち話で、こう呼び掛け、ハワイでの首脳会談を提案。オバマ氏は快諾した。
関係者によると、オバマ氏は5月に来日して首相と会談した際、真珠湾攻撃のあった12月8日の訪問を打診した。しかし、日本側は「謝罪色が強くなりすぎる恐れがある」(政府関係者)との理由で、同月下旬にずらせた。
オバマ氏の被爆地・広島訪問では、日本は原爆投下への「謝罪」を求めず、未来志向を演出することに心を砕いた。これと同様に、首相は自身の真珠湾訪問でも未来志向を重視した。
首相は昨年4月の訪米時に議会で演説し、真珠湾や太平洋戦争の激戦地に触れながら、「悔悟」の気持ちを表明。同年8月に発表した戦後70年談話でも「私たちの子や孫に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と、戦後に終止符を打つ必要性を強調していた。
首相はその当時からハワイ訪問の構想を温めてきた。首相は5日夜、「真珠湾を訪問する意義、象徴性、和解の重要性について発信したいとずっと考えてきた」と記者団に明かした。
一方、トランプ次期大統領は選挙戦で、在日米軍駐留経費を日本が全額負担しない場合の米軍撤退や日本の核武装に言及したことから、日米同盟の先行きを不安視する向きもある。
「日米同盟の価値は、過去も現在も未来も変わらない。このことを確認する意義ある会談になる」。首相はオバマ氏とハワイで行う首脳会談をこう位置付け、次期政権との間でも「希望の同盟」として堅持していきたいとの考えをにじませた。
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