憲法記念日に思う夫婦別姓問題。いわゆる選択的夫婦別姓(氏)
制度である。現行民法の下で結婚後は夫または妻のどちらかの姓を
名乗ることとされ、94%が夫の姓を名乗っている。
歴代政府は「国民の理解が得られていない」として法改正には
反対して来たが、実際は男社会に拘る「守旧派」だけが反対している
に過ぎない。企業内では結婚後も旧姓で仕事する女性も多い。
私は時々配偶者を旧姓で呼ぶ。旧姓での○○△子と結婚したという
思いを持ち続けるためでもある。当の配偶者は冗談だと思って笑って
いるが、「そう言えば私は〇〇△子だったのね」とも言う。
さて、ドラマ「舟を編む」について、今日はストーリーというか、
ドラマの中で「なるほど」と思ったことについて。
「言葉を紡ぐ」、糸を紡ぐようにして言葉を選んで文章をつくる、
あるいは話す。真面目な馬締(マジメ)編集主任が新人のみどりに
教えるように語る言葉から。
「どんなに尽くしても何一つ伝えらないこともあれば、たった
一つの言葉で千も万も伝えられることもある。全く意図していなく
ても勝手に伝えてしまうことがある」
「言葉に悪い言葉はない。問題は選び方と使い方。全ての言葉には
生まれた理由がある。誰かが誰かに伝えたくて生まれて来たもの」
辞書で扱うのは「言葉」。見出し(言葉)の後に「語釈」があって
言葉の意味が書かれる。その次に用例(使い方の例)がある。
ファッション誌の編集部から辞書部に異動した主人公のみどりが、
「辞書なんて私には・・・」と呟いた言葉にアルバイトの国文科の学生が
嚙みついた。副助詞「なんて」の語釈の一つに「軽んじる」がある。
売れないカメラマンと同棲して生活費の面倒を見ていたみどりだが、
最近訳もなく出て行ってしまった彼の本意がわからなかった。しかし
その前夜、いつもの場所に朝日を撮りに行くという彼に「カメラなんて、
朝日なんて」と言ってしまったことに気が付く。彼が一番大事にして
いるものを「軽んじる、侮辱」してしまったのだと。
今日の明け方は昨日までよりも10℃近く下がって「寒い」朝。久々に
江戸川の朝日を眺め、完成して5ヶ月の三郷流山橋を歩いて来た。