須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

510号 返還命令取消し勝訴第2弾!政務調査に住民訴訟の重要さを強調した判決&訴状全文紹介!

2008-12-03 | 記 事
★取消訴訟勝訴の続報!住民訴訟の重要さをこれほど力説した判例は初めて!

政務調査費返還命令処分の取消訴訟で、原告のぼくが勝訴した件の続報だ。前号で、新聞記事を引用して勝訴の概要をお伝えした。
判決の主文は、
1 東京都目黒区長が原告に対して平成19年5月1日付けでした平成17年度分の政務調査費のうち13万5725円の返還を命ずる処分を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

勝訴にもいろいろあるが、判決文の内容からして、今回の勝訴は圧倒的な勝訴といっていい。さらに住民訴訟の重要さをこれほど力説した判例は、これまでなかったのではないか。

「地方自治判例百選」第二版、第三版(有斐閣)には、住民訴訟に係る判例があるが、今回の判決のように住民訴訟の存在意義を的確に判示した判例はない。
担当した裁判官は、東京地裁民事第38部のつぎの3人である。
裁判長裁判官 杉原則彦
   裁判官 松下貴彦
   裁判官 島田尚人

★政務調査費返還訴訟を提起するまでの経緯はこうだ!

そもそも、ぼくが本人訴訟(弁護士を代理人にせず、本人がやる訴訟)で、原告になって行った政務調査費返還命令処分の取消訴訟とは、どんな訴訟だったのか、きちんと説明しておこう。

・目黒区は、平成15年3月、旧区役所本庁舎・公会堂を随意契約で、最高見積価格111億1000万円より39億1000万円も安く、72億円で三菱商事に売却した。そのため、目黒区に39億1000万円の損害を与えた。そこで、ぼくは住民監査請求を経て、同年6月に本人訴訟で当時の薬師寺区長らに39億1000万円の損害賠償を求める住民訴訟を提起した。

・返還命令の対象になった135,725円の内訳はつぎの通り。
(1)住民訴訟テープ反訳(三菱商事を1位に選んだ審査委員会の録音テープを反訳、つまり文字化する料金):31,775円
(2)住民訴訟証人尋問速記反訳(旧区役所売却の住民訴訟で行われた証人尋問の速記代):75,600円
(3)住民訴訟控訴印紙代及び高裁提出切手代:28,350円

★自民区議・石山が監査請求、監査結果で返還を勧告!監査委員、区長が違法行為!

・目黒区民で自民党区議だった石山亨秀(区議会では「京秀」を使っていた)が、平成19年3月7日、ぼくら野党議員数名の平成17年度の政務調査費に関し住民監査請求を提起した。同年4月27日、目黒区監査委員は、住民訴訟テープ反訳等135、725円の支出は、いずれも住民訴訟のためにされたものであり、政務調査費の使途として認められないとして、目黒区長・青木英二に対して、原告に返還請求することを勧告した。
目黒区長・青木英二は、監査委員の監査結果を受けて、原告であるぼくに返還を命じた。

・そのため、原告は、平成19年6月29日、区長・青木に対して、処分取消を求める異議申立てをした。が、8月31日に区長・青木は、棄却した。そして、ぼくが原告になり、平成20年2月29日、取消訴訟を提起したのだ。

以上が、取消訴訟提起までの経過だ。
取消しを求める理由は、このあとに訴状の全文を公開したので、それを読んでいただければハッキリわかる。
簡単にいえば、原告のぼくの主張は、テープ反訳など135、725円は、政務調査のための支出であり適法だ。

★住民訴訟経費は、自治法、条例、使途基準、申し合せに違反していなかったのだ!

また、これらの支出は、地方自治法、目黒区の政務調査に関する条例、使途基準、申し合せ事項のいずれにも違反せず、監査委員の監査結果、そして区長・青木の返還命令が違法である、というのが原告のぼくの主張だ。
いっぽう被告の区長・青木の主張は、監査委員の違法な監査結果のオウム返しで、住民訴訟は住民の立場で提起するものだから、政務調査ではない、というまったく事実を無視した愚かな主張だった。

今回の判決が、返還命令が違法であるとして、返還を命ずる処分を取消したのだから、目黒区の監査委員と目黒区長・青木英二は、ダブルの違法行為を行ったのである。

ぼくは、区長・青木に異議申立てをしたときに、取消し訴訟と同じ主張をしたのだから、常識があれば、そのときにわかったはずである。しかし、愚か者だから、よく調べることをしなかったのだ。そんなヤツが、目黒区の区長をやっているのだから、これからも住民訴訟をやって区政の追及、是正を徹底的にやらねばならない。

★判決文は「住民訴訟は議員の区政の調査研究活動だ」と住民訴訟の重要性を強調!

住民訴訟の重要性、そして政務調査活動と住民訴訟の関係について、判決はつぎのように述べている。
「地方自治法242条の2の規定に基づく住民訴訟は、普通地方公共団体の執行機関又は職員による同法242条1項所定の財務会計上の違法な行為又は怠る事実の予防又は是正を裁判所に請求する権能を住民に与え、もって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的とするものである(最高裁昭和51年(行ツ)第120号同53年3月30日第一小法廷・民集32巻2号485頁参照)。

このように、地方財務行政の適正な運営を確保するという目的を有する住民訴訟の提起及び遂行は、議員による区政に関する調査研究活動と、その目的において重なり合いを有するものであるということができる。」

「前記認定事実によると、原告は、本件売却に係る別件住民訴訟に限らず、目黒区の財務会計行政にかかわる多数の住民訴訟の提起及び遂行をしており、その手続きにおいて明らかとなった目黒区の主張や職員等の証言を基に、当該住民訴訟に係る財務会計行為に関して、当該住民訴訟外においても、選挙公報における広報、目黒区議会における質問、ホームページ及び広報紙による住民への情報提供等を積極的に行っていることが認められる。

そうすると、原告による住民訴訟の提起及び遂行並びに住民訴訟によって得た情報等に基づく様々な活動は、原告が行う区政の調査、研究及び追及のための重要な手段であるということができる。

★住民訴訟は、「特に議会の多数派に所属しない議員にとって、区政の調査及び追及するための有効な手段」と判示した!

また、住民訴訟が提起されると、当該住民訴訟に係る請求が容認された場合に限らず、当該住民訴訟がされたこと自体をきっかけとして、その手続きの内外において、区政の問題点が追及され、また、その内容が明らかにされることなどによって、当該住民訴訟において支出が問題とされた政務調査費が自主的に返還されたり、各種の制度の改善につながったりすることがあり得るのであり(甲12等参照)、住民訴訟の提起及び遂行は、特に議会において多数会派に所属しない議員にとって、区政の調査及び追及するための有効な手段となり得るものであって、住民に対する影響力も大きいものと認められる。」

この判決文を熟読すると、住民訴訟を政務調査活動にしてきたぼくのような地方議員は、ほんとうに勇気づけられる。
ことに「住民訴訟の提起及び遂行は、特に議会において多数会派に所属しない議員にとって、区政の調査及び追及するための有効な手段となり得るものであって、住民に対する影響力も大きいものと認められる。」と判示している個所などは、読んでいると思わず、「よくぞ言ってくれた!」と、それこそ涙ぐみそうになるほどだ。

★判決文が、判例雑誌に掲載予定!

画期的な判決なので、行政法の泰斗、阿部泰隆・神戸大名誉教授、中央大学教授が、判決文を判例タイムスなど判例雑誌に送ってくれて、掲載されるだろう。全国の地方議議員、監査委員、そして自治体の首長にぜひ読んでもらいたい判決だ。

★取消訴訟の訴状の全文を紹介する!

取消訴訟の訴状全文を紹介する。時間のある方は、ざっとでもいいですから、目を通してください。

*****************
訴   状

平成20年2月28日

東京地方裁判所民事部 御中

原告本人 須藤甚一郎

〒152-0034 東京都目黒区緑が丘1丁目11番3号
原 告 須 藤 甚 一 郎

〒153-8573 東京都目黒区上目黒2丁目19番15号
被 告 目黒区 代表青木英二
    処分行政庁 目黒区長青木英二

政務調査費返還命令処分取消請求事件
訴訟物の価格 135,725円
貼用印紙代    2,000円

第1 請求の趣旨
1 処分行政庁・青木英二目黒区長が、原告に対して平成19年5月1日付けでした「平成17年度分政務調査費の返還命令」(目議第90号)による金135,725円の返還命令処分を取り消す
2 訴訟費用は被告の負担とする
との判決を求める。

第2 請求の原因
1 事案の概要
原告は、目黒区議会議員であり、原告の平成17年度分の政務調査費(月額17万円、年額204万円)に関して、平成19年3月7日付けで目黒区住民である石山京秀(目黒区議会議員)から目黒区職員措置請求(住民監査請求)が提起され(甲第1号証)、目黒区監査委員が監査を実施し、平成19年4月27日付けで監査結果を公表した。(甲第2号証) 被告は、原告あての平成19年5月1日付けの「平成17年度分政務調査費の返還命令」(甲第3号証)で、返還金額 金135,725円、返還理由として「平成19年4月27日付けで目黒区監査委員から違法・不当な支出であるとされたため」としている。

原告は、被告の返還命令処分に対して、平成19年6月29日付けで異議申立てを提起した。(甲第4号証) しかし、被告は平成19年8月31日付けで、原告の異議申立てを棄却する決定をしたのである。(甲第5号証) 被告は、異議申立て棄却決定で「処分の違法を理由とする場合は、この通知書を受け取った日の翌日から起算して6か月以内に目黒区を被告として(訴訟において目黒区を代表する者は目黒区長となります。)として、処分の取消しの訴えを提起することができます」と教示した。

原告は、当該政務調査費を政務調査費に係る地方自治法、条例、使途基準、議会の申し合せ事項の規定に厳格に則り、適正に支出したのであり、何ら違法性はなく適法である。したがって、目黒区監査委員の監査結果は違法である。その監査結果に基づく被告の返還命令処分は違法である。その上、被告は返還命令処分の根拠法令を明示せず、違法な処分を行ったのであるから、返還命令処分の取消しを求め、ここに本件訴訟を提起する。

2 返還命令処分の違法について
(1)被告は、原告に対して「平成17年度分政務調査費の返還命令」において、「返還理由 平成19年4月27日付けで目黒区監査委員から違法・不当な支出であるとされたため」、「返還金額 金135,725円」と記載されている行政処分を行った。

「目黒区職員措置請求書監査結果(目黒区政務調査費の支出に係る住民監査請求~告示第15号)」(以下、「監査結果」という。甲2号証、22頁「結論」)によれば、返還金額135,725円の内訳は、住民訴訟テープ反訳(原告注、目黒区旧庁舎の売却に当たり、業者各社による公募提案の審査委員会録音テープ反訳)31、775円、尋問速記反訳(原告注、旧庁舎売却に係る原告の本人訴訟による住民訴訟一審の証人尋問速記反訳)、印紙代等(原告注、原告住民訴訟の控訴審貼用印紙、切手代)28,350円である。

地方自治法第242条9項は、「 第4項の規定による監査委員の勧告があつたときは、当該勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員は、当該勧告に示された期間内に必要な措置を講ずるとともに、その旨を監査委員に通知しなければならない。この場合においては、監査委員は、当該通知に係る事項を請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。」と規定している。

この規定について、松本英昭著「新版 逐条地方自治法 第4次改訂版、学陽書房、平成19年刊」は「この場合の「必要な措置」とは、原則として、監査委員の勧告の内容たる必要な措置を指すものであるが、勧告を受けた機関としては、必ずしも勧告の内容に拘束されず、自らの判断により必要と認める措置を講ずることができるものというべきである」(935頁)で述べている。しかし、当該返還命令には、返還理由として「目黒区監査委員から違法・不当な支出であるとされたため」とあるだけである。

また、当該返還命令には、行政処分にした根拠法令が記載されていない。そこで原告は、平成19年5月7日付け(甲第6号証)及び同年5月29日付け(甲第7号証)で、2度にもわたり法的根拠、条文を示すように求めたが、被告は明らかにしなかった。
被告は、同年5月24日付けの回答書(甲第8号証)で、法的根拠、条文について、「返還命令書記載のとおりです」と回答しただけである。しかし、返還命令書のどこにも法的根拠、条文は記載されていないのである。何をもって「返還命令書記載のとおりです」というのか。まったく的外れな回答である。

行政処分とすることができる法的根拠である法令及びその条文を明示せず、返還命令の行政処分をしたのは、違法である。さらに、返還命令には、行政処分であるか否かを問わず、何ら根拠がないことを以下で詳述する。

(2)監査委員が返還を勧告した原告の政務調査費は、違法・不当な使途ではない

ア 返還請求金額135、725円の政務調査費は、目黒区議会議員である原告が政務調査として支出した経費である。原告は、目黒区が旧庁舎を売却するに当たり、随意契約で最高見積価格である111億1,000万円より39億1,000万円も安く72億円で売却し、目黒区に損害を与えたとして、目黒区の契約事務の違法性に関し、政務調査として住民訴訟を提起したのである。まさに区議会議員としての政務調査そのものである。しかも、地方自治法、条例、使途基準、議会の申し合せ事項等の規定に厳格に基づいて、政務調査費として支出したのであり、何ら違法・不当、目的外使用に該当しない。

当該住民監査請求で行われた関係人調査で、原告は目黒区監査委員に『「目黒区職員監査措置請求書(住民監査請求)請求人・石山京秀」に対する見解及び反論』(以下、「見解及び反論」という。甲第4号証)を平成19年3月22日付で提出した。
 原告は、「見解及び反論」において、監査請求の対象になった原告の政務調査費は、違法・不当、目的外に該当しないことを詳述したので、「見解及び反論」を引用する。違法・不当、目的外使用ではないことは、一読明白である。

イ 監査委員が違法・不当、目的外使用と判断したのは誤りである

 監査委員は「監査結果」4判断(甲第2号証、14頁)、「ア須藤甚一郎議員に係る支出」で、以下の通り判断した。
「住民訴訟については、当該議員が見解として主張するように、議員の政務調査の対象とすることを妨げる法令はないが、一方、政務調査費の使途基準において住民訴訟経費を交付対象とする特段の規定もないことから、住民訴訟経費が当然に政務調査費の交付対象となるものとはいえない。

また当該議員は、住民訴訟経費に政務調査費を充てることの根拠として、決定事項、申し合せ事項に住民訴訟経費に政務調査費を充てることを禁止した規定がないことを理由の一つに挙げている。決定事項申し合せ事項は、政務調査費の使途に関して、個別、具体的な問題が生じた際に、議会においてその対応策として適時、個別に取り決めがなされたものであり、政務調査費の可否を制限列挙したものでない。

したがって、決定事項、申し合せ事項に禁止の規定がないことをもって、政務調査費の使途として目的外にあたらないとはいえず、当該規定にないものは使途基準に定めがない場合と同様、個々に判断すべきものである」

上記の監査委員の判断が誤っている根拠は、議会が決めた決定事項である「使途基準と申し合せ事項」(甲第4号証、添付資料1)に関して「個別、具体的な問題が生じた際に、議会においてその対応策として適時、個別に取り決めがなされたものであり」というが、「使途基準と申し合わせ事項」の一覧表(甲第4号証、添付資料1)を一瞥すれば明らかなように、「個別、具体的な問題が生じた際に」議会において対応策として、決めたものでなく、議会の自律性のもとに、議会の総意で使途基準とその細目を決定し、すべての議員は使途基準と申し合せ事項に拘束され、それに基づいて政務調査費を支出しているのである。

また、監査委員が、政務調査費に関する鑑査を実施するときの基準も、使途基準、申し合せ事項に基づいて、従前やってきたのである。したがって、原告は、使途基準、申し合せ事項の基準に基づいて支出したのであり、違法・不当、目的外使用とする判断には根拠がない。

 さらに監査委員は「当該議員が住民訴訟を主たる政務調査活動の一つに掲げることは自由である。しかし、住民訴訟原告適格を有するものとして当該訴訟を提起できるものは、議員としての個人ではなく一住民としての個人である。政務調査費は、自治法の趣旨からすると、一住民の立場としてではない議員として行う調査研究活動に資するための経費として交付されるものであるから、一住民の資格において司法の判断を求める住民訴訟は、その対象事件が地方公共団体の財務会計上の行為として議員の調査研究の対象となるものであるとしても、訴訟行為それ自体は議員の活動として行われたものではないので、その一住民として行った行為に要した経費に、公費たる政務調査費を充てることはできない」と判断した。

上記の判断もまた誤りである。住民訴訟の原告適格が、一住民であることだけを理由にして、政務調査費を充てることはできないと判断しているのである。しかし、原告は、一住民であると同時に目黒区議会議員である。目黒区議会議員である原告が、目黒区が被った損害を取り戻し、目黒区民の利益の増進を企図して、目黒区の契約事務に関する政務調査として、地方自治法の規定に基づいて、住民訴訟を提起し、その住民訴訟経費に政務調査費を充てたのである。しかも、先述したように、条例、使途基準、申し合せ事項等の規定に何ら違反していないのであるから、一住民が原告適格であるとしても、議員として政務調査費を充てることは違法・不当、目的外使用ではないのである。

 平成15年度と17年度とでは監査の基準が矛盾しているのである。「見解及び反論」1(2)でも詳述したが、原告は平成15年6月に当該住民訴訟を提起し、訴訟費用の一部、弁護士の住民訴訟に関する相談料、貼用印紙代等を政務調査費で支出した。15年度の政務調査費に関して、監査委員は定期監査を実施した。しかし、地方自治法の規定に反して、監査実施に当り議員選出の監査委員を除斥することなく、違法な監査を行った。その結果、原告の政務調査費については、弁護士の住民訴訟に関する相談料のみが、地方自治法の規定にない手続きである監査事務局長から議会事務局長へ単なる留意事項として、通知されただけである。

原告は、当時の議長・石山京秀に対して平成16年9月27日付け『政務調査費の「住民訴訟に関する相談料について」及び平成17年4月28日付け『「政務調査費に関する検討及び調査結果」について』(甲第4号証、添付資料2及び3)を提出し反論した。その後、返還請求もなく今日に至っている。15年度の定期監査は、4人の監査委員(2人の議員選出委員を含む違法な監査である)が監査を実施した。その4人の中には、当該住民監査請求を受けて監査を実施した大竹勲監査委員も含まれている。大竹監査委員は、15年度から現在まで、代表監査委員を務めている。15年度分では、訴訟経費を違法・不当、目的外使用と判断せずに、17年度分については合議で違法・不当、目的外使用と判断したのである。矛盾した監査結果であり、違法である。

(3) 被告は、監査結果の内容を精査することなく返還命令の行政処分をしたのである。これまで述べてきたように、監査委員の監査結果には根拠がないのである。被告は、監査結果を精査すれば、そのことは自明ある。しかし、精査を怠り、自ら判断することなく、単に監査結果に基づいて返還命令の行政処分をしたのである。しかも、行政処分を行っていながら、その根拠となる法令、その条文を申立人に明らかにしないのは、違法な行政処分というべきである。

結語
返還命令の行政処分には、根拠も理由もないのであるから、その取り消しを求める。


証拠方法
1甲第1号証(平成19年3月7日付、目黒区職員措置請求書)
2甲第2号証(平成19年4月27日付、目黒区職員措置請求書監査結果)
3甲第3号証(平成19年5月1日付、平成17年度分政務調査費の返還命令)
4甲第4号証(平成19年6月29日付、異議申立書)
5甲第5号証(平成19年8月31日付、異議申立についての決定)
6甲第6号証(平成19年5月7日付、返還命令の法的根拠を求める質問状)
7甲第7号証(平成19年5月29日付、再度法的根拠を求める質問状)
8甲第8号証(平成19年5月24日付、法的根拠を求める質問状への回答)

附属書類
1訴状副本            1通
2甲第1号証ないし第8号証の写し 各1通
                              以上


12月3日午前7:50更新

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