須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

585号 小杉隆元自民代議士の妻・敬子が、詐欺罪でやっと逮捕!捜査で小杉自身も・・

2010-05-27 | 記 事
★やっと小杉隆元代議士の妻・敬子が詐欺罪で逮捕!

昨日からのテレビ、新聞の報道でご存知のように、昨年引退した元文部大臣で小杉隆・元自民衆院議員(74)の妻・敬子(73)と元私設秘書・新沼拓郎(63)の2人が、詐欺容疑で警視庁捜査2課に逮捕された。新沼は、小杉敬子の20億円余の借金の連帯保証人だった男だ。

それにしても、敬子が20億円余もの借金で、東京地裁に自己破産と申し立てたのが2006年12月。それから3年半も経ってから、詐欺罪で逮捕するなんて、遅すぎるじゃないか。巨額借金が発覚してときから、敬子が儲け話や衆院選が終ったら返済するなどと偽り、詐欺行為で借金をしまくっていたのはわかっていたよ。ぼくは、何人もの被害者から相談と受けて、詳しい話を聞いたものだ。

★まず、ネットニュースの記事を紹介する!

詳しい話と裏話をする前に、まず2本のネットニュースの記事を紹介する。最初は「読売新聞」。

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架空話で詐欺容疑、小杉・元文部相の妻ら逮捕

架空のもうけ話を持ちかけて知人から金をだまし取ったとして、警視庁は26日、元文部相の小杉隆・元衆院議員の妻、敬子容疑者(73)(東京都目黒区中根)と元秘書、新沼拓郎容疑者(63)(住居不定)を詐欺容疑で逮捕した。

2人は「返すつもりだった」と容疑を否認しているという。
発表によると、2人は2005年9月下旬、小杉元議員の後援者だった目黒区内の会社社長(65)に、「内緒の投資話がある。1億円用立ててもらえば1・5倍から2倍になる」などとウソを言い、4回にわたって現金8900万円をだまし取った疑い。

敬子容疑者は事業投資に失敗するなどして借金がかさみ、06年12月、約14億円の負債を抱えて自己破産していた。だまし取った金は、自宅のローン返済に充てていたという。
(2010年5月26日13時08分 読売新聞)
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つぎにNHKのネットニュース。
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元文相の妻ら 詐欺容疑で逮捕

5月26日 12時16分
文部大臣を務めた小杉隆元衆議院議員の妻と元秘書が支援者の男性にうその投資話を持ちかけて現金8900万円をだまし取った疑いが強まり、詐欺の疑いで逮捕されました。警視庁は妻らが少なくとも1億円以上をだまし取っていたとみて調べを進めています。

逮捕されたのは、小杉隆元衆議院議員の妻の小杉敬子容疑者(73)と元秘書の新沼拓郎容疑者(63)の2人です。警視庁の調べによりますと、2人は、平成17年9月、小杉元議員の支援者だった65歳の男性に「もうかる投資話がある。1億円用立ててもらえれば1.5倍から2倍になる」などとうその投資話を持ちかけて、現金8900万円をだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。

敬子容疑者は事業の失敗をきっかけに支援者などから借金を繰り返して14億円余りの負債を抱え、4年前の平成18年、東京地方裁判所に自己破産しています。警視庁は2人が同じような手口で少なくとも1億円以上をだまし取っていたとみて調べを進めています。

警視庁によりますと、調べに対して2人はいずれも「返すつもりだった」などと容疑を否認しているということです。小杉元議員は、東京5区が選挙区で、自民党の衆議院議員を8期務め、文部大臣や環境政務次官などを歴任しましたが、去年の衆議院選挙を前に引退しています。
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★まだ詐欺事件の余罪はいっぱいあるはず!1億の被害者も!

今回、逮捕のキッカケになった詐欺事件は、被害金額が8,900万円。敬子と新沼が、嘘っぱちの儲かる投資話をネタにして、だまし取った。類似の事件は限りなくある。
敬子が自己破産を申し立てたあと、カネを貸した債権者会議が開かれ、債権者はなんと230人余にも達した。自己破産を申し立てたときは22億円ともいわれたが、債権者会議の対象金額は14億円余だった。債権者には1%しか戻らなかった。

ぼくは、1億円を貸して返してもらえなかった被害者の話も聞いた。借用書は、小杉敬子名義だった。しかし、被害者は長年、小杉隆の支援者で「小杉隆さんが、選挙をひかえて事務所費などのために、敬子夫人が小杉代議士の代理として、貸してくれというので貸したのだ。貸した相手は、あくまで小杉隆本人のつもりだ」と語っていたよ。
他の被害者も金融業者を除けば、すべて衆院議員・小杉隆の支援者、後援者だった。そりゃどうだ。小杉議員の支援者以外のひとに妻・敬子が借金を申し込んでも、それこそ鼻も引っかけず、相手にするわけはないよ。

★小杉隆は「借金は妻の問題だ」と責任逃れ!知らぬわけはない!

肝腎の小杉隆自身は、妻・敬子名義の20億円余もの借金について、説明してきたか。妻・敬子が自己破産と申し立てていたことが発覚したとき、ちょうど自民党目黒支部の総会が目黒雅叙園で開かれ、取材陣が殺到して、総会後に小杉隆が、とんでもないコメントをした。

小杉隆は「借金は、あくまでも妻の問題です。事務所のことは、妻と秘書に任せていて、私は事務所にタッチしていなかった。今後も私の政治信念は変わらず、議員を続けていく」とヌケヌケと言い放ったのだ。そんなバカなことがあるもんか。

妻の10万、50万の借金ならば、夫が知らないということがあるかも知れぬ。20億円余の謝金だよ。夫の小杉が知らないなんてことがあるわけないだろう。
逮捕のキッカケの8,900万円は、自宅の二世帯住宅2軒の建築費に使ったというのだから、夫の小杉隆が知らぬなんてことがあるもんか!
20億の借金総額の中には、当然、金利も含まれる。例えば、1億円を高利のトイチ(10日で1割の金利で借りたら、1か月でなんと3000万円の金利になるのだ)。仮に10億でトイチなら、月に金利がなんと3億の計算になるのだが。まあ、巨額の金利もふくまれているだろう。

★詐欺事件を想定した極めて悪質な犯罪だよ!

総会が終了後、ぼくは雅叙園の廊下で小杉隆を直撃取材したときも「借金は妻の問題だ。議員を辞めるつもりはない」などと無責任発言を繰り返すばかりだった。
ぼくが、被害者たちの話を聞いた結果、こう結論した。そもそも、妻・敬子の借金は、いずれ詐欺事件として、司法当局が捜査を開始するであろうことを念頭において、綿密に企てられた、極めて悪質の事件といえる。
返却できないのに、単にカネを借りたのでは、詐欺で捕まる。しかし、投資話ならば、一緒に儲けようとしてダメだったのだから、詐欺にはなりにくい。

そこで、敬子と秘書の新沼(当然、背後には小杉隆がいたと考えるのが合理的判断だ)は、「魚の餌(えさ)を製造して儲ける」「風力発電で儲けよう!」などと、ぶち上げてはカネを集めたのだ。
数年前の住宅地図を見ると、小杉の自宅に「風力発電研究所」なんて書いてきある。けれど、どう見ても普通の民家で、風力発電を研究しているそぶりもない。典型的なペテン師、詐欺師のやり方だった。

ダマシのテクニックが発覚したときを想定して、小杉隆隠しを徹底してやった。連帯保証人にしたのは、私設秘書の新沼だった。1億円もの被害にあった人は、3年半前に返還請求の民事裁判を提起した。敬子は自己破産を申請したために、被告にはできず、連帯保証人の新沼が被告に。
裁判は、たったの1回で被害者である原告の勝訴だった。つまり、連帯保証人の新沼が「はい、1億円の連帯保証人になりました。返済します」と認めたからだ。しかし、新沼はスカンピンで一銭なしだから、裁判には勝ってもカネは戻ってこないのだ。同様の被害者が何人もいるはずだ。

★妻・敬子の借金の仕方が異常!土下座して追い回す!

小杉敬子の借金の仕方は、尋常じゃなかった。ぼくが話を聞いた主婦の被害者はこういった。「電話があったので、断ったんですが、家に押しかけてきて、私がキッチンで夕食の準備中で、まな板で大根を切っているところで、両手を床について土下座して『何とかお願いします!』を何回も絶叫する。
電気釜のほうにいくと、彼女は床を這(は)って移動して、また土下座し『お願いします。お願いします』でした。それが小杉代議士の衆院選の真っ最中で『当選まで、あと一歩なんですが、事務所の経費が足りない。選挙が終ったら、すぐに返済しますから、お願い!』って調子で、つい400万円貸してしまったのです。結局、返してもらえなかったのです」

選挙で夫の小杉隆は街頭で「お願いします」、妻・敬子は借金のため支援者宅で土下座して「お願いします」だったのだ。とんでもない政治家夫婦だ。
自民党も自民党だよ。現職の自民党衆院議員の妻が、20億円もの借金で自己破産し、支援者に迷惑をかけたのに、何の処分も除名や離党勧告すらせず、人気いっぱい議員をやらせた責任は自民党にもあるよ。
今回の逮捕による徹底捜査で、余罪と夫・小杉隆に詐欺罪の責任がどこまで及ぶのかが、注目される。

★洗脳された京都の尼寺にも借金のカネは流れたのか!

妻・敬子は、京都にある尼寺の尼僧と昵懇(じっこん)で、被害者の女性によれば、敬子は尼僧に洗脳状態で、20億円のうちの何%かは尼寺にも流れたともいう。そうしたことも、捜査で解明されるかも。
(5月27日午前11:50更新)

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