あばら家や其身その儘明けの春
家なしも江戸の元日したりけり
一茶
明けましておめでとうございます。
どんなお正月をお過ごしですか?
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。今年もいろいろな話題を報告してまいりますので、ご愛読ください。
新年の1回目の更新は、1月4日になります。
★★「ネットラジオ版政務調査の第2回」が、ホームページで、(http://home.f04.itscom.net/sudo-j/)聴くことができます。今回は、不当な控訴審判決についてしゃべりました。★★
★区長・青木の違法な新年会費返還の住民監査請求を提起!新聞各紙が報道!
12月28日に、目黒区長・青木英二の平成18年1月と2月の公費による新年会費について、違法・不当があったとして、ぼくは住民監査請求を起こした。新年会の合計は、なんと132回、新年会費の合計金額は111万3500円だ。区長・青木にその補填をするように求めた住民監査請求だ。
12月29日には、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞の各紙が朝刊で、ぼくの提起した住民監査請求を記事にした。
まぜ、年末の仕事納めである12月28日に、この住民監査請求をおこしたのか。そのことは、新聞記者の取材でも質問された。
理由は簡単だ。地方自治法の住民監査請求の規定では、第242条の2で、「当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない」とあるからだ。つまり、新年会費を払った日から、1年を経過してしまえば、それが違法・不当であっても、住民監査請求ができなくなってしまうからだ。
区長・青木に返還を求めた内容は、住民監査請求書の全文をつぎに掲載してあるので、ぜひ、それを読んでいただきたい。
ざっと、内容を紹介する。区長・青木の公費による新年会出席に関しては、18年3月の予算特別委員会で、すでに問題にして質疑した。区長・青木は答弁で、はじめは新年会で公費を払ったのは、200回とか140回などといっていた。が、最終的に「公費支出での新年会ということでは132回でございます」と答弁した。
★新年会132回、会費111万円余は、異常で常識外れだ!
区長・青木の区長交際費は、目黒区の公式ホームページで公開されている。それで確認すると、18年1月と2月の新年会の回数は、確かに132回。会費の総額は、111万3500円だった。異常な回数であり、金額も常識外れといっていい。
目黒区は財政難で、福祉関係などの予算が削られているというのに、区長が新年会で111万円余も使っていいわけがない。
区長交際費の支出基準は曖昧(あいまい)で、新年会なら何でもいいことになっている。区の広報紙「めぐろ区報」(12月5日号)で、「12月・1月は寄付禁止強化月間です」とPRしたばかりだ。その中で、区長、議員、これから立候補しようとする者が、公職選挙法で禁止されている行為として、「会費が明示されていない場合に会費相当分を出すこと」「政治家や候補者本人が、顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」などをあげている。
★公費を適正に払った立証責任は、区長・青木自身にある!
区長・青木が、公費で払った新年会費は、ほとんどが10,000円だが、公開されている区長交際費には、会費制だったか否かは書かれていない。18年1月8日には、じつに12か所もの新年会に出席しており、公職選挙法違反の「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」に該当する。
そのことは、公費を使って公職選挙法違反の寄附をしているというべきだ。
他にも、一例を挙げれば、早稲田大学の同窓会である「目黒稲門会」の新年会に、公費で10,000円の会費を払って出席した。
予算特別委員会の答弁で、区長・青木は同窓会は公務ではない、と認めているのに、「目黒稲門会」の新年会に公費を払って出席したのは、どうしてなのか。
ちなみに、区長・青木の母校は慶応大学だ。
住民は、公開されている区長交際費支出基準や支出状況からは、適切であったか否かの判断はできず、支出すべてに疑義がある。したがって、ぼくは新年会費の総額を返還対象金額にした。
公費を適正に出費したというなら、それを立証する責任は、区長・青木自身にある。住民監査請求で決着がつかなければ、住民訴訟でやるしかない。
★住民監査請求書の全文は、以下の通り。
―――――――――――――――
目黒区職員措置請求書(住民監査請求書)
1 請求の要旨
措置請求の対象者:
目黒区長 青木英二
措置請求の内容:
目黒区長・青木英二(以下、区長・青木という)は、平成18年(2006年)の1月及び同年2月に開催された新年会の会費を違法・不当に公費で支出し、目黒区に損害を与えた。地方自治法第242条の1(住民監査請求)の規定に基づいて、区長・青木に対し、目黒区の被った最大で1、113、500円の損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求する。
以下、措置請求の内容について述べる。
(1)区長・青木は、平成18年1月及び同年2月に開催された新年会に、公費を支出し出席した回数について、平成18年3月の予算特別委員会で、請求人の質疑に対して、「公費支出での新年会ということでは百三十二回でございます」と答弁した記録が議事録にある。(事実証明書1、線囲い個所(5))
目黒区公式ホームページの「区長の部屋」で、区長・青木の交際費が公開されている。それによれば、平成18年1月に開催された新年会で、会費を公費で支出した件数は107件で、合計金額は918,500円である。また、同様の支出方法で同年2月の新年会の件数は25件で、合計金額は195,000円である。同年1月及び2月の出席総件数は132件であり、総合計金額は1,113,500円である。(事実証明書2)
(2)上記ホームページ「区長の部屋」には、区長交際費支出基準が掲載されている。(事実証明書3)支出基準を列挙する前に、「区長交際費の適性、かつ公正な執行を図るため、次の基準により支出しています」とある。しかし、文中の“適性”は“適正”の誤りであるのは明らかだ。
区長交際費支出基準の「会費経費」の項目には、(1)出版記念会、送別会、新年会の経費。(2)その他の各種会合の会費、とあるだけである。区長・青木がわざわざ公費で会費を払い、区長の公務として、出席しなければならない新年会であるか否かを判断できる記載はない。支出基準は、極めて曖昧である。支出基準は、新年会に関して、単に「新年会の経費」とあるのみで、会費制の新年会に限定しているのか、あるいは会費制でない新年会も含まれるかについては定めていない。
また、支出基準には、新年会の主催者と目黒区との関係についての規定はなく、区長・青木が、会費を公費で支出するのが適正であるか否かの判断はできない。
このような支出基準では、公費で支出した新年会の会費が、「区長交際費の適正、かつ公正な執行」であったとはいえない。
(3)「めぐろ区報」平成18年12月5日号(事実証明書4)の第2面に、「12月・1月は寄附禁止強化月間です」の見出しで記事が掲載された。記事に関する問い合わせ先が、選挙管理委員会事務局となっていることから、目黒区選挙管理委員会が作成した記事である。
「三ない運動」と題した囲み記事で、「・政治家や候補者は、有権者に寄附を贈らない。・有権者は、政治家や候補者から寄附を受け取らない。・有権者は、政治家や候補者に寄附を求めない」と注意を呼びかけている。
本文記事のリード(導入部)に、
「議員・区長などの政治家や、これから立候補しようとしている人が、自分の選挙区内の人に寄附することは、選挙に関係した寄附であるかどうかにかかわらず、公職選挙法で一切禁止されています。有権者が寄附を勧誘し、要求することも禁止されています」とある。
当該記事の「せんべつ・会費には注意を」の小見出しの個所には、「各種の行事の参加に当り、金額や集め方から見て会費(懇親会などに係る実費相当分)と認められるものを支払うときは、債務の履行と認められ寄附の当たりませんが、次の場合は寄附に当ります。」とある。
そして、「・招待状などに会費が明示されていない場合に会費相当分を出すこと。・政治家や候補者本人が、自ら出席しない行事に会費を出すことや、顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」(下線は請求人)を挙げている。さらに、記事で「懇親会を伴う行事に政治家や候補者を招待する場合は、招待状に会費を明記するか、会費は受け取らないことを明記するようにしてください」と呼びかけている。
以上、「めぐろ区報」の当該記事で、寄附の禁止を呼びかけた記事は、議員・区長などの政治家や候補者個人による寄附のことであると解される。しかし、区長・青木の新年会の会費に関しては、支出基準が曖昧であり、新年会出席が公務として適正であるとはいえないものまで、含まれている。一例を挙げれば、平成18年1月9日には、目黒区稲門会新年会に10,000円の会費を公費で支出して出席した。稲門会とは、早稲田大学同窓会のことであり、その目黒の新年会であって、とうてい会費を公費で支出する公務に該当するものではない。
区長・青木自身も平成18年3月の予算特別委員会で、請求人の質疑に対して、同窓会は公務ではないと認めて、「例えば今言った、同窓会だけ行って、そのときに公用車に乗って家に帰るという使い方はしてございません」(事実証明書○、線囲み個所(6))と答弁しているのである。
区長・青木は同年1月8日には、じつに12か所で開催された新年会に、会費を公費で支出して出席したのである。会費の総額は、108,000円である。公職選挙法で禁止されている議員・区長などの政治家が「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」に該当するというべきである。さもなければ、12か所もの新年会に出席することは不可能である。
違法・不当行為の根拠:
(1)区長・青木は、平成18年1月及び同年2月に開催された132回の新年会に、合計1,113,500円の会費を公費で支出し、出席した。しかし、ホームページで公開されている区長交際費支出基準の「新年会の会費」については、何ら規定が設けられておらず、適正かつ公正な公費の支出であったと断定できない。
公職選挙法第192条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)で、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。中略)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。中略)内にある者に対し、いかなる名義をもってするかを問わず、寄附をしてはならない。中略。必要やむを得ない実費の補償(食事についての補償を除く。中略。)としてする場合は、この限りでない。」と定めている。
措置請求の内容(3)で、すでに請求人が述べたように、「めぐろ区報」の寄附禁止強化月間の記事では、公職選挙法第192条の2に基づいて、寄附に当る例示として、「招待状に会費が明示されていない場合に会費相当分を出すこと」「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」を挙げている。
公開されている区長交際費の支出状況からは、区長・青木が公費を支出して出席した新年会が、招待状などに会費が明示されていたとは判断できない。また、先述したように、平成18年1月8日には、じつに12か所の新年会に公費を支出して出席した。このことは、まさに公職選挙法で禁止する「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」に該当するというべきである。
そうすると、区長・青木は、公職選挙法で禁止されている寄附を公費を使って行ったというべきである。
さらに、同年1月9日には、これもすでに述べたが、区長・青木は早稲田大学の目黒区の同窓会である「目黒稲門会新年会」に、公費で10,000円の会費を支出して出席した。一私立大学の新年会であり、会費を公費で支出することが適正であるとは、とうていいえるものではない。
区長・青木が、同年1月及び2月に公費を支出して出席した132回の新年会、公費による会費の合計金額1,113、500円のすべてについて、区長交際費支出基準、区長交際費の支出状況から判断して、疑義がある。公開されている区長交際費支出基準、支出状況から、住民が適否を判断することは不可能である。
したがって、区長・青木は、出席した新年会132回のうち、公費を適正に支出したものがある場合には、その根拠、会費制であったか否か、新年会に出席した時間等の内容などを詳細に明らかにして、立証する責任が区長・青木自身にある。
区長・青木は、最大で1、113、500円の損害を目黒区に与えたことになる。そのことは、区長・青木は、地方公共団体である目黒区の執行機関の長として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反しているのである。
2 請求者
目黒区議会議員
須藤甚一郎
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します
平成18年12月28日
目黒区監査委員 様
(別紙)
事実証明書1(平成18年3月、予算特別委員会議事録の抜粋写し)
事実証明書2(目黒区ホームページ「区長の部屋」の区長交際費の支出状況をプリントした写し)
事実証明書3(「区長の部屋」区長交際費支出基準をプリントした写し)
事実証明書4(「めぐろ区報」平成18年12月5日号)
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(12月29日午後11:40更新)
家なしも江戸の元日したりけり
一茶
明けましておめでとうございます。
どんなお正月をお過ごしですか?
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。今年もいろいろな話題を報告してまいりますので、ご愛読ください。
新年の1回目の更新は、1月4日になります。
★★「ネットラジオ版政務調査の第2回」が、ホームページで、(http://home.f04.itscom.net/sudo-j/)聴くことができます。今回は、不当な控訴審判決についてしゃべりました。★★
★区長・青木の違法な新年会費返還の住民監査請求を提起!新聞各紙が報道!
12月28日に、目黒区長・青木英二の平成18年1月と2月の公費による新年会費について、違法・不当があったとして、ぼくは住民監査請求を起こした。新年会の合計は、なんと132回、新年会費の合計金額は111万3500円だ。区長・青木にその補填をするように求めた住民監査請求だ。
12月29日には、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞の各紙が朝刊で、ぼくの提起した住民監査請求を記事にした。
まぜ、年末の仕事納めである12月28日に、この住民監査請求をおこしたのか。そのことは、新聞記者の取材でも質問された。
理由は簡単だ。地方自治法の住民監査請求の規定では、第242条の2で、「当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない」とあるからだ。つまり、新年会費を払った日から、1年を経過してしまえば、それが違法・不当であっても、住民監査請求ができなくなってしまうからだ。
区長・青木に返還を求めた内容は、住民監査請求書の全文をつぎに掲載してあるので、ぜひ、それを読んでいただきたい。
ざっと、内容を紹介する。区長・青木の公費による新年会出席に関しては、18年3月の予算特別委員会で、すでに問題にして質疑した。区長・青木は答弁で、はじめは新年会で公費を払ったのは、200回とか140回などといっていた。が、最終的に「公費支出での新年会ということでは132回でございます」と答弁した。
★新年会132回、会費111万円余は、異常で常識外れだ!
区長・青木の区長交際費は、目黒区の公式ホームページで公開されている。それで確認すると、18年1月と2月の新年会の回数は、確かに132回。会費の総額は、111万3500円だった。異常な回数であり、金額も常識外れといっていい。
目黒区は財政難で、福祉関係などの予算が削られているというのに、区長が新年会で111万円余も使っていいわけがない。
区長交際費の支出基準は曖昧(あいまい)で、新年会なら何でもいいことになっている。区の広報紙「めぐろ区報」(12月5日号)で、「12月・1月は寄付禁止強化月間です」とPRしたばかりだ。その中で、区長、議員、これから立候補しようとする者が、公職選挙法で禁止されている行為として、「会費が明示されていない場合に会費相当分を出すこと」「政治家や候補者本人が、顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」などをあげている。
★公費を適正に払った立証責任は、区長・青木自身にある!
区長・青木が、公費で払った新年会費は、ほとんどが10,000円だが、公開されている区長交際費には、会費制だったか否かは書かれていない。18年1月8日には、じつに12か所もの新年会に出席しており、公職選挙法違反の「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」に該当する。
そのことは、公費を使って公職選挙法違反の寄附をしているというべきだ。
他にも、一例を挙げれば、早稲田大学の同窓会である「目黒稲門会」の新年会に、公費で10,000円の会費を払って出席した。
予算特別委員会の答弁で、区長・青木は同窓会は公務ではない、と認めているのに、「目黒稲門会」の新年会に公費を払って出席したのは、どうしてなのか。
ちなみに、区長・青木の母校は慶応大学だ。
住民は、公開されている区長交際費支出基準や支出状況からは、適切であったか否かの判断はできず、支出すべてに疑義がある。したがって、ぼくは新年会費の総額を返還対象金額にした。
公費を適正に出費したというなら、それを立証する責任は、区長・青木自身にある。住民監査請求で決着がつかなければ、住民訴訟でやるしかない。
★住民監査請求書の全文は、以下の通り。
―――――――――――――――
目黒区職員措置請求書(住民監査請求書)
1 請求の要旨
措置請求の対象者:
目黒区長 青木英二
措置請求の内容:
目黒区長・青木英二(以下、区長・青木という)は、平成18年(2006年)の1月及び同年2月に開催された新年会の会費を違法・不当に公費で支出し、目黒区に損害を与えた。地方自治法第242条の1(住民監査請求)の規定に基づいて、区長・青木に対し、目黒区の被った最大で1、113、500円の損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求する。
以下、措置請求の内容について述べる。
(1)区長・青木は、平成18年1月及び同年2月に開催された新年会に、公費を支出し出席した回数について、平成18年3月の予算特別委員会で、請求人の質疑に対して、「公費支出での新年会ということでは百三十二回でございます」と答弁した記録が議事録にある。(事実証明書1、線囲い個所(5))
目黒区公式ホームページの「区長の部屋」で、区長・青木の交際費が公開されている。それによれば、平成18年1月に開催された新年会で、会費を公費で支出した件数は107件で、合計金額は918,500円である。また、同様の支出方法で同年2月の新年会の件数は25件で、合計金額は195,000円である。同年1月及び2月の出席総件数は132件であり、総合計金額は1,113,500円である。(事実証明書2)
(2)上記ホームページ「区長の部屋」には、区長交際費支出基準が掲載されている。(事実証明書3)支出基準を列挙する前に、「区長交際費の適性、かつ公正な執行を図るため、次の基準により支出しています」とある。しかし、文中の“適性”は“適正”の誤りであるのは明らかだ。
区長交際費支出基準の「会費経費」の項目には、(1)出版記念会、送別会、新年会の経費。(2)その他の各種会合の会費、とあるだけである。区長・青木がわざわざ公費で会費を払い、区長の公務として、出席しなければならない新年会であるか否かを判断できる記載はない。支出基準は、極めて曖昧である。支出基準は、新年会に関して、単に「新年会の経費」とあるのみで、会費制の新年会に限定しているのか、あるいは会費制でない新年会も含まれるかについては定めていない。
また、支出基準には、新年会の主催者と目黒区との関係についての規定はなく、区長・青木が、会費を公費で支出するのが適正であるか否かの判断はできない。
このような支出基準では、公費で支出した新年会の会費が、「区長交際費の適正、かつ公正な執行」であったとはいえない。
(3)「めぐろ区報」平成18年12月5日号(事実証明書4)の第2面に、「12月・1月は寄附禁止強化月間です」の見出しで記事が掲載された。記事に関する問い合わせ先が、選挙管理委員会事務局となっていることから、目黒区選挙管理委員会が作成した記事である。
「三ない運動」と題した囲み記事で、「・政治家や候補者は、有権者に寄附を贈らない。・有権者は、政治家や候補者から寄附を受け取らない。・有権者は、政治家や候補者に寄附を求めない」と注意を呼びかけている。
本文記事のリード(導入部)に、
「議員・区長などの政治家や、これから立候補しようとしている人が、自分の選挙区内の人に寄附することは、選挙に関係した寄附であるかどうかにかかわらず、公職選挙法で一切禁止されています。有権者が寄附を勧誘し、要求することも禁止されています」とある。
当該記事の「せんべつ・会費には注意を」の小見出しの個所には、「各種の行事の参加に当り、金額や集め方から見て会費(懇親会などに係る実費相当分)と認められるものを支払うときは、債務の履行と認められ寄附の当たりませんが、次の場合は寄附に当ります。」とある。
そして、「・招待状などに会費が明示されていない場合に会費相当分を出すこと。・政治家や候補者本人が、自ら出席しない行事に会費を出すことや、顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」(下線は請求人)を挙げている。さらに、記事で「懇親会を伴う行事に政治家や候補者を招待する場合は、招待状に会費を明記するか、会費は受け取らないことを明記するようにしてください」と呼びかけている。
以上、「めぐろ区報」の当該記事で、寄附の禁止を呼びかけた記事は、議員・区長などの政治家や候補者個人による寄附のことであると解される。しかし、区長・青木の新年会の会費に関しては、支出基準が曖昧であり、新年会出席が公務として適正であるとはいえないものまで、含まれている。一例を挙げれば、平成18年1月9日には、目黒区稲門会新年会に10,000円の会費を公費で支出して出席した。稲門会とは、早稲田大学同窓会のことであり、その目黒の新年会であって、とうてい会費を公費で支出する公務に該当するものではない。
区長・青木自身も平成18年3月の予算特別委員会で、請求人の質疑に対して、同窓会は公務ではないと認めて、「例えば今言った、同窓会だけ行って、そのときに公用車に乗って家に帰るという使い方はしてございません」(事実証明書○、線囲み個所(6))と答弁しているのである。
区長・青木は同年1月8日には、じつに12か所で開催された新年会に、会費を公費で支出して出席したのである。会費の総額は、108,000円である。公職選挙法で禁止されている議員・区長などの政治家が「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」に該当するというべきである。さもなければ、12か所もの新年会に出席することは不可能である。
違法・不当行為の根拠:
(1)区長・青木は、平成18年1月及び同年2月に開催された132回の新年会に、合計1,113,500円の会費を公費で支出し、出席した。しかし、ホームページで公開されている区長交際費支出基準の「新年会の会費」については、何ら規定が設けられておらず、適正かつ公正な公費の支出であったと断定できない。
公職選挙法第192条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)で、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。中略)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。中略)内にある者に対し、いかなる名義をもってするかを問わず、寄附をしてはならない。中略。必要やむを得ない実費の補償(食事についての補償を除く。中略。)としてする場合は、この限りでない。」と定めている。
措置請求の内容(3)で、すでに請求人が述べたように、「めぐろ区報」の寄附禁止強化月間の記事では、公職選挙法第192条の2に基づいて、寄附に当る例示として、「招待状に会費が明示されていない場合に会費相当分を出すこと」「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」を挙げている。
公開されている区長交際費の支出状況からは、区長・青木が公費を支出して出席した新年会が、招待状などに会費が明示されていたとは判断できない。また、先述したように、平成18年1月8日には、じつに12か所の新年会に公費を支出して出席した。このことは、まさに公職選挙法で禁止する「顔だけ出してすぐに引き上げるような場合に、一般と同じ会費を出すこと」に該当するというべきである。
そうすると、区長・青木は、公職選挙法で禁止されている寄附を公費を使って行ったというべきである。
さらに、同年1月9日には、これもすでに述べたが、区長・青木は早稲田大学の目黒区の同窓会である「目黒稲門会新年会」に、公費で10,000円の会費を支出して出席した。一私立大学の新年会であり、会費を公費で支出することが適正であるとは、とうていいえるものではない。
区長・青木が、同年1月及び2月に公費を支出して出席した132回の新年会、公費による会費の合計金額1,113、500円のすべてについて、区長交際費支出基準、区長交際費の支出状況から判断して、疑義がある。公開されている区長交際費支出基準、支出状況から、住民が適否を判断することは不可能である。
したがって、区長・青木は、出席した新年会132回のうち、公費を適正に支出したものがある場合には、その根拠、会費制であったか否か、新年会に出席した時間等の内容などを詳細に明らかにして、立証する責任が区長・青木自身にある。
区長・青木は、最大で1、113、500円の損害を目黒区に与えたことになる。そのことは、区長・青木は、地方公共団体である目黒区の執行機関の長として、地方自治法第2条14項で定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に務めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に違反しているのである。
2 請求者
目黒区議会議員
須藤甚一郎
地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します
平成18年12月28日
目黒区監査委員 様
(別紙)
事実証明書1(平成18年3月、予算特別委員会議事録の抜粋写し)
事実証明書2(目黒区ホームページ「区長の部屋」の区長交際費の支出状況をプリントした写し)
事実証明書3(「区長の部屋」区長交際費支出基準をプリントした写し)
事実証明書4(「めぐろ区報」平成18年12月5日号)
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(12月29日午後11:40更新)