須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

604号(1) 生活福祉委員会の行政視察結果の報告書を紹介します!

2010-11-09 | 記 事
★生活福祉委員会の行政視察結果を報告します!
 
今年度、ぼくが委員長をやっている目黒区議会の生活福祉委員会は、10月25日から27日まで、行政視察を行なった。その視察に参加した区議会議員である委員全員が、視察結果の報告書を書き、委員長がまとめ議長あてに提出することになっている。
生活福祉委員会では、報告書の内容、長さなどは、各自の判断に任せている。
 
むろん、報告書は情報公開の対象になっていて、開示請求すれば、閲覧やコピーの入手が可能である。
ぼくが視察結果の要点を記載した報告書をご紹介する。
 
****************
平成22年度 目黒区議会生活福祉委員会
行政視察報告
委員長 須藤甚一郎
 
(まえがき)
目黒区議会として、今回の行政視察の結果をいかに生かして、目黒区民の生活レベルアップに役立てるかを報告する前に、まず行政視察の概要を述べ、そのあとで個別・具体的に行政視察報告を行なう。
生活福祉委員会は、平成22年10月25日(月)~10月27日(水)まで、2泊3日で行政視察を行なった。参加した委員は、委員長のわたくし須藤甚一郎、赤城ゆたか副委員長、石橋ひとし委員、戸沢二郎委員、星見てい子委員、橋本欣一委員、青木早苗委員、二ノ宮啓吉委員の8名であった。
 
視察した地方公共団体は、(1)滋賀県近江八幡市、(2)滋賀県長浜市、(3)岐阜県岐阜市、(4)愛知県春日井市である。
視察目的は、つぎの通り。
(1)近江八幡市:福祉トータルサポートセンター基本構想・第一期計画について
(2)長浜市:観光まちづくり推進のための「にぎわい街づくり事業」等
(3)岐阜市:新たな組織によるまちづくり推進と生涯学習の総合的事業実施
(4)春日井市:春日井市町内会活性化研究委員会の取組み
以下、個別・具体的に行政視察の結果を報告する。
 
1近江八幡市:福祉トータルサポートセンター基本構想・第一期計画について 
 
(1)近江八幡市は、人口81,884人(22年9月1日現在)で、目黒区の約3分の1の人口だ。古くから琵琶湖に面した商業都市であり、とくに江戸時代以降、商業界、経済界で多方面にわたる活躍をした近江商人の発祥の地として知られている。
 
近江商人の活躍は現在にいたるまで続いており、例えば西武グループ、アパレル総合メーカー・ワコール㈱、布団で名高い西川産業など数多い。いつも算盤(そろばん)を念頭において、経済的合理性を追求し、巨大な利益をあげてきた近江商人根性は、近江八幡市の市政運営に生きているのか、ということにも、わたしは大いに関心があった。
 
(2)山本英雄副議長の挨拶のあと、主に視察目的の説明にあたったのは、健康福祉部福祉相談課の嵐孝雄課長補佐だった。簡潔で的を射た説明で、しかも行政マンには珍しいユーモアを交え、関西弁での本音トークだった。
まず、近江八幡市における「福祉トータルサポートセンター」とは何か。資料に基づいて説明があった。が、目黒区の行政と較べて、じつに資料も説明もわかりやすい。
 
トータルサポートセンターとは、『総合相談窓口機能』『子どもの育ちを地域で支える拠点機能』『高齢者・障がい者等の雇用の場の創出推進機能』『市民共生の拠点機能』の4つの機能を持ち、市民の要求に総合的に応える拠点だという。
縦割り行政の弊害と窓口の分散化を排除して、総合窓口と関係部署の機能的な集約配置を行なった。基本構想の資料にある福祉総合相談窓口のチャート図を見ると、「高齢者・障がい児者の相談室」(地域包括支援センター)と「児童虐待の相談担当」(子ども家庭相談室)が含まれている。
 
目黒区では、法令に基づく「地域包括支援センター」の名称をそのまま使用しているけれど、区民の何割が「包括」という言葉を正確に理解しているだろうか。目黒区の幹部職員ですら、「包括」と「包摂」を混同して答弁したことがあった。「包括」とは、明解国語辞典(三省堂)によれば「全部をひっくるめて一つにまとめること」とある。つまり、「総合」と同意語なのである。「地域」包括支援センター」をわかりやすくいえば、「地域総合支援センター」「地域何でも支援センター」ということなのだ。その点でも、近江八幡市の「福祉総合相談窓口」のほうが、目黒区の場合より住民にずっと親切である。
 
(3)嵐課長補佐は、説明の中で、近江八幡市の福祉行政の基本姿勢は「税金であれ、保険であれ、いまある制度の中で使えるカネは積極的に活用して、市民のために役立てる」「ぐだぐだ考えているよりも、とにかく『やってみなはれ!』の精神でやらないかんですわ」といった。
近江商人の商法「やってみなはれ!」の精神が市政運営にも生きているといえそうだ。
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