須藤甚一郎ウィークリーニュース!

目黒区議会議員・ジャーナリスト須藤甚一郎のウィークリーニュースです。

408号 上告理由書、上告申立て理由書を提出!原判決(高裁)は法解釈に誤り、判例適用違反だ!

2007-02-27 | 記 事
★上告理由書と上告受理申立て理由書を提出した!

昨日(2月26日)の午後、目黒区の旧区役所・公会堂を39億1000万円も安く随意契約で売却した損害賠償請求事件の住民訴訟で、上告理由書、上告受理申立て理由書、そして阿部泰隆・中央大学総合政策学部教授(弁護士、神戸大学名誉教授、法学博士)の意見書を裁判所に提出した。

A4判で、上告理由書30枚、上告受理理由書36枚、意見書16枚、目次2枚であって、提出したのは正本1通、副本10通、合計11通。そう、全部で924枚もあり、ダンボール箱に入れ、重いのをヨイショって持って、裁判所に届けにいった。

1月5日に、上告状兼上告受理申立て理由書(このような書式が裁判所にある)を提出。1月10日付で、上告提起通知書、上告受理申立て通知書が送付されてきた。それから50日以内に理由書を提出することになっている。
上告できるのは、民事訴訟法第312条で、①が判決に憲法解釈の誤り、憲法の規定に違反しているとき。

★上告理由書で、判決に理由不備、理由に齟齬。上告申立て理由書では、判決に法令解釈の誤り、判例適用違反を述べた!

随意契約で39億1000万円も安く売ったのは、憲法とは関係がない。したがって、民事訴訟法第312条②第6項「判決に理由を付せず、叉は理由に食い違いがあるとき」を理由にして、上告理由書を書いた。
上告理由書の内容を簡単に説明すると、随意契約を例外的に認めている地方自治法施行令第167条の2第1項2号の規定を誤って解釈して、それに該当するとした。しかし、不動産の売却は、随意契約を採用できないのだ。理由不備であり、齟齬がある。その理由を阿部教授の意見書を援用して、詳しく述べた。

また、上告受理申立ては、民事訴訟法第318条①の「原判決に最高裁判所の判例を相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件」を理由にして、やはり阿部教授の意見書で補強した。
上告申立て理由書の内容は、随意契約の規定に該当しないと主張したのは、上告理由書と同じだ。
そして、本件土地売却と同等の不動産売却を適法と認めた判例は皆無であることを述べた。

そのほかに、区財政の逼迫時に39億1000万円もの価格の有利性を犠牲にしたのに、原判決(高裁判決)は、「社会通念上許容される程度を超えているとまではいえないものである」と、とんでもない判断をした。が、とうてい社会通念上許容されるものではない。重要な最高裁判例の解釈、適用に誤りがある。

★適用した判例は、目黒区の場合とまったく逆で適用できない!

原判決は、最高裁判例(昭和62年3月20日第二小法廷判決)を適用しているが、福江市のごみ焼却施設請負工事での随意契約の事案だ。地方公共団体の支出の原因になる契約である。ところが、目黒区の土地売却は、収入の原因になる契約であって、まったく逆であり、そのまま判例を適用したのは、違法である。

上告理由書でも、また上告受理申立て理由書でも、最高裁判所は、原判決(東京高裁)を破棄して、本件には随意契約の適用がいないものとして、過失、損害の範囲について審理するように原審に差し戻していただきたい、と述べた。
最高裁判所が、厳正に判断すれば、原審(東京高裁)に差し戻しになるのは、間違いない。(2月27日午後11:40更新)

★区長・青木の新年会費返還請求棄却の反論の続きは、つぎの号に延期しましたので、ご了承ください。

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