アーム通信(海外会員インドだより)

国際子ども権利センターの元運営委員の成田由香子が、インドのデリーで滞在する暮らしの中で体験することを伝えます。

数字で知るインドの子ども

2005-11-05 02:19:19 | Weblog
今日は、簡単に「数字で知るインドの子どもの状況」について、お伝えします。

国際子ども権利センターでも紹介している「国連子どもの権利条約」。インドも1992年12月に批准していますが、この条約の主な領域である、「生きる権利」、「守られる権利」、「育つ権利」、「参加する権利」は、どのくらい守られているのでしょうか?(「子どもの権利」について詳しくは、http://jicrc.org/pc/teigen/index.htmlを参照下さい。)

インドの全人口は、約10億。そのうちの40%である4億人が18歳未満。インドは、子ども人口が世界で最も多い国です。

・生まれた赤ちゃん1,000人のうち、70人が1歳の誕生日を、95人が5歳の誕生日を迎えることができません。
・生まれた赤ちゃんの約35%しか出生登録されていません。
・約50%以上の子どもが、栄養失調です。

・法律では、6~14歳までの全ての子どもは、無償義務教育の権利があるとうたっていますが、実際にはそれらの子どもの約50%は学校に通っていません。
・小学校1学年に入学した子どものうち、男の子の約50%、女の子の約58%が、5学年になるまでにドロップアウトしてしまいます。
・小学校1学年に入学した子どものうち、3分の1しか8学年に在学していません。

・子ども人口のうち、男の子1,000人に対し、女の子は927人。死亡した女の子の6人のうち1人は、性的差別によるものです。
・4人に1人の女の子が、4歳になるまでに性的虐待を受けています。
・法律で禁止されているにもかかわらず、女の子の約50%が、18歳未満で結婚しています。

・政府による統計では働く子どもは1,700万人。実際には約1億人いると言われています。
・児童労働者の約80%が、農業の仕事に従事しています。
・商業的性的搾取労働に従事している子ども約200万人が5~15歳、約330万人が15~18歳です。

これらの数字は、インドの子どもの状況をホンノ一部数字で表したものでしかありませんし、子どもたちの日々の生活での思いや声を反映するものではありません。しかし、これらの数字で分かるのは、インドの「全ての子どもがハッピーな訳ではない」ということ。「子どもの権利が十分に守られていない」という証拠です。
なぜそんなことが起きるんでしょう?今後、インドの子どもの権利が守られない理由、インドの子どもの問題とはどんなものか、などを少しづつ、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。違うトピックも入れて息抜きしながら、ですよ~。

<参考資料>
CRY - Child Relief and You, URL: http://www.cry.org/crypage.asp
Department of Women and Child Development, Ministry of Human Resource Development, URL: http://wcd.nic.in/

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