エウアンゲリオン

新約聖書研究は四福音書と使徒言行録が完了しました。
新たに、ショート・メッセージで信仰を育み励ましを具えます。

将来の暗雲を宿す祝福

2024-09-05 | メッセージ

列王記上3:3-15 
 
ソロモン王は、ダビデの掟に従って歩んでいましたが、「高き所でいけにえを献げ、香をたいていた」といいます。「高き所」について、聖書は激しく弾劾はしていないものの、良い評価を下してはいません。主の神殿へのベストな接し方には至らないような形で、それでも主を拝していたのでしょうか。そうしていたソロモンは、主の祝福を受けます。
 
いけにえを献げるために、ソロモンはギブオンの高き所へ来ていました。そこは特に要所であったと説明されています。一千頭という途方もない犠牲の動物が書かれています。本当でしょうか。するとその夜、ギブオンにいたソロモンは、夢を見ます。古来夢は神的な存在が大切なことを知らせるための手段だと考えられていました。
 
創世記のヨセフはその典型でしたが、ここでもソロモンの夢の中に、主が声をかけます。「願い事があれば、言いなさい。かなえてあげよう」とのことです。ソロモンは神に向き合い、応えます。父ダビデへ与えたその慈しみが、自分を王に据えました。が、自分は「未熟な若者」に過ぎません。自分の判断では何をどうすればよいか分かりません。
 
多くの民が、ソロモンには与えられています。それを思い、「聞き分ける心を与え」てほしい、とソロモンは願いました。上に立つ者として、ソロモンは人民を治めるための知恵を求めた恰好になります。しかも、この民は主の民です。「あなたの民を治め、善と悪をわきまえることができるように」と神へ自分の望みを願うのでした。
 
この願いは、主に嘉せられました。「訴えを聞き分ける分別」を求めたことが評価されたのです。もとより、長寿を求めていけないことはなかったでしょうし、敵の命を求めることも、国を守ることになったでしょう。しかし聖書は、知恵を、それらより以上のものだと価値づけます。神は、ソロモンの求めに応じたばかりか、さらに恵みを施します。
 
もっと大いなる力を与えよう。ソロモンの口からは出なかったような、「富も名誉も」与える、というのです。ソロモンの最高の栄誉を保証する上で、ダビデのように主の道を歩むなら、長寿を授けよう、と言います。ソロモンはこの夢を、目覚めてもなお明確に覚えていましたが、主の道を歩み通せない将来の暗雲を自ら予感することはありませんでした。


父ダビデが歩んだように、あなたが私の掟と戒めを守り、
私の道を歩むなら、私はあなたに長寿を与えよう。(列王記上3:14)

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