二つに見えて、世界はひとつ

イメージ画像を織りまぜた哲学や宗教の要約をやっています。

フラクタル構造

2022-08-29 17:52:00 | 哲学
 鏡と鏡を合わせた時にあらわれる無限は虚像ですから、無いものが有るように見えているだけです。しかしそのイメージを損なわないまま実際に存在するものがあります。 
上図はコンピューターで描かれたシダの葉。

シダは、自己相似図形の代表例の1つ。すなわち、数学的に生成されたパターンであり、そのパターンは任意に拡大または縮小しても同一の形状が現れる自己相似性を示します。シェルピンスキーの三角形のように、バーンズリーのシダは、コンピューターで数式を繰り返し使用することで、視覚的に美しい図形を構築しています。

モデルとなった本物のシダの葉
  

フラクタル構造

 フラクタル構造とは、「図形のどの部分を取っても、それが全体と同じ構造になっている」ことを意味します。

 例えば、下図のように三角図形の一部を切り取ると、全体の三角図形と同じ構造が見られ、更に切り取った図形の一部を見ると、また同じ形になっている・・というものです。

シェルピンスキーの三角形

 このようにフラクタル構造は全体の形が、規則的に繰り返されているのが特徴です。
フラクタル構造は自然界の物体にもよく見られ、雪の結晶やブロッコリー、人間の血管などもフラクタル構造と言われています。




自己相似性



 全体と部分とが同じ形をしています。これはフラクタルの特徴で、「自己相似性」といいます。自己相似性とは自分自身のミニチュアがそっくりそのまま自分の中に入っているような構造のことです。



「フラクタル」が無限の正体かもしれません。拡大しても縮小しても同じものが現れます。底もなく天井もなく、どこが始まりかどこが終わりかわかりません。基準になる尺度がないのです。部分の中に全体があり、全体の中に部分があり、切っても切っても同じものが現れます。



見出し画 クリムト「生命の木」







無限への道

2022-08-26 21:07:00 | 哲学
infinity 無限

1.無限であること、無限性
2.無限の宇宙[時間・空間]
3.〔数えられない〕無限の[膨大な]数量
4.《数学》無限大
 •任意のどの数よりも大きな数で、∞で表される。
5.《数学》〔幾何学の〕無限遠
•ユークリッド平面上の平行線が交わる、仮想的な概念。
6.〔レンズの焦点距離の〕無限遠
•レンズの焦点を無限遠記号(∞)に合わせたときにピントが合う距離の範囲。

下図は半分を半分にしていくときにあらわれる無限小のイメージですが左図は常識的分け方、これでは無限小に入れません。右の図のほうが量子論的分け方で実際の無限小に近いイメージです。

実際に身近に見ることのできる無限小。下図は鏡と鏡を合わせた時にあらわれる無限です。

これも無限小のイメージ。京都の伏見稲荷大社。そこには三種の神器すなわち剣、鏡、玉がおさめられています。

「無限小」という名の奥の院の中に居るのはいったい誰なのでしょうか。


無限小ではないですが、それに近い万華鏡による無限のイメージ。







万華鏡の中に入ることもできます。



「三河工芸ガラス美術館」





二種の分け方

2022-08-26 09:22:00 | 哲学
0と1の間にあるもの 
  

0と1の間にあるもの、たとえば0.5あるいは1/2や50%などがありますが、これらは存在するものではなく関係なのです。

関係とは
二つ以上の物事が互いにかかわり合うこと。また、そのかかわり合い。(デジタル大辞泉「関係」)

二種の分け方

関係には色々種類がありますが、ここでは半分について。
下図はリンゴを半分にするときのごく常識的な分け方です。一つのリンゴを二つに分けたから1/2です。

下図は量子論的分け方。一つのリンゴを二つに分けたからやはり1/2です。うまい表現方法がないのですが「分けずに分ける」という分け方です。
同じようなものに細胞分裂があります。

物質では水銀がこの分け方です。

シュレーディンガーの猫。生かす分け方と殺す分け方があります。左が生かす分け方で右が殺す分け方です。普段なにげなく使っている右の分け方は生命のあるものに使うと殺すことになってしまいます。


自然は量子論的分け方を選んでいるようです。





















無限小の発生

2022-08-23 00:03:00 | 哲学

〈問〉
長さ1メートルの角材を二つに切ると左右はどうなるでしょう。
〈答〉
図からもわかるように「左右」といった概念も磁石の極と同じように対になっていて、分かれるとたちどころに生じてきます。ゼノンの二分法のパラドックスはこの現象を使っているわけです。


それでは小さくするとどうなるでしょう。

上図のように、細長い角材を半分に切ると、短い角材が2つ出来ます。この2つの角材のそれぞれを、さらに半分ずつに切ると、同じように角材が4つできます。同じ操作を繰り返していくと、どんどん短い角材が出きていきます。10回の操作でおよそ1000個、20回の操作でおよそ10000000(一千万)個、30回の操作でおよそ1000000000(十億)個の角材が生じます。
  

ゼノンの「アキレスと亀」や「二分法のパラドックス」はこれらの現象をもとにして、パルメニデスの「一なるもの」を擁護するために作られた話です。分けることにより無限小は生じ、分けなければ無限小はどこを探してもありません。

0と1の間の無限

 0と1という有限の中に無限があるというのは矛盾です。ところがこの矛盾の場所というのが「スーパーポジション」なのです。
 

 仮想と現実、現実と仮想とが重なっています。抽象が具象の中に入り込み、具象が抽象に入り込み、それでいて仮想と現実、抽象と具象の区別はきちんとついているのです。
 

0と1、1と0の間は、「有ると思えば無いし、無いと思うと有る」という不思議な場所です。















磁石を半分に切るとどうなる

2022-08-15 20:50:00 | 哲学
〈問〉
磁石を半分に切るとどうなるでしょう。

〈答え〉
①N極の切れたところもN極のまま、S極の切れたところもS極のままで、引き合う。
 
②N極の切れたところはS極に、S極の切れたところはN極に変化し、引き合う。

③磁石ではなくなり、くっつかない。

正解は②でした。

磁石はどこまで小さくなるか

 下図のように、細長い磁石を真中で半分に切ると、短い磁石が2つ出来ます。この2つの磁石のそれぞれを、真ん中でさらに半分ずつに切ると、同じように磁石が4つできます。同じ操作を繰り返していくと、どんどん短い磁石が出来ていきます。
 

形を変えたり大きくしても同じことです。基本の状態は変わりません。
 

スーパーポジション

AとBの重なり合う場所を数学では∩と記号化し、AかつBと読みます。
  

スーパーポジションの具体的な例

 ∪磁石の赤い部分がスーパーポジションにあたります。〘+と−と0〙の共存する場所で、物理学の「原子」と同じです。なぜなら磁石は原子からできているからです。
 下図は磁石を上から見た図。ちょうど「重なり合いの状態」になっています。

参考
磁石(初級)より 日本磁気学会