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フィンランド建築・デザイン雑記帳

昔、ヴァーサのユースホステルで見た、扉の開閉で電灯の自動点滅という装置。


自宅の納戸ドア上枠に取り付けた電灯点滅用のマイクロスイッチ。
ドアを閉めるとローラー部分が扉で押されてスイッチが切れ、電灯が消える。


今でこそ、よく見かけるようになったマイクロスイッチを用いた電灯の自動点滅装置(ドア扉の開閉で電灯を点けたり消したりするもの)。 
僕が、このアイデアを最初に観たのは、30年ほど前、フィンランド西海岸の都市ヴァーサ(Vaasa) のユースホステル(Retkeilymaja) だった。 
スイッチはマイクロスイッチのようなハイテク部品ではなく、扉により接点を閉じたり開いたりのごく単純な接点スイッチだったが、そのアイデアに感心し、仕掛けをスケッチしたのを思い出す。
帰国後、同じようなスイッチを試し、悦に入っていた。
その後、スイッチもマイクロスイッチを使うようになり、設計した多くの場面で使っているが好評である。
先日、友人達 (建築設計者) と、この自動点滅の話になったが、一般的のようでいて知らない設計者が多かった。 
フィンランドの建築やデザインとは直接関連は無いが、あえてここで取り上げてみた。

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住宅の納戸や倉庫内部に照明を取り付けるのは一般的だが、階段下の収納や寝室のクローゼット内部にも小さな明りがあると便利なものである。
このような場所の照明は、扉の開閉により自動点滅とすると消し忘れもなく、スマートで具合が良い。

自動点滅スイッチには熱や遠赤外線を利用するものもあるが、どれも高価なので、ここではマイクロスイッチを用いる。
マイクロスイッチは、建築の分野ではあまりなじみが無いが、電気器具や機械製品などではよく使われる部品で (コピー機の中にも、そして、あなたが今お使いのマウスの中でカチカチいっているのも小さなマイクロスイッチです)、秋葉原などの電気部品店で購入できる。

マイクロスイッチには、非常に多くの種類があるが、ここで使うのは定格 AC250V,15A でヒンジ・ローラー・レバー形のアクチェエーター(スイッチを動作させるための部品) が付いたものである。


写真1: オムロンのマイクロスイッチ(Z-15GW2-B) 定価965円


扉の上部戸当りに取り付け、扉の面がスイッチのローラー・レバーをうまく押すような具合に調整する。
扉の開閉方式は開き戸や引き戸、折り戸などほとんどの形式に使用できる。

結線も非常に簡単で、既存のスイッチから線を引き出し、マイクロスイッチに並列に接続するだけだ。
端子部分の結線を変える事により、扉が閉まったとき電灯が消えるようにすることも、逆に点灯するようにすることもできる。

マイクロスイッチは、1個1000円前後と比較的安価で、種類も多く、建築の様々な部位や家具など、工夫次第で色々な使い方が出来る電気部品であろう。


写真2: ドア上枠に取り付けたマイクロスイッチの様子。

【写真・撮影】 管理人
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