
今日は曇りときどき晴れ。今朝の気温は9℃で湿度が高く、北よりの風が吹いている。出勤のために家を出ると、上空に綿雲がまき散らされたように浮かんでいて、雲と雲の合間には白い空が見えた。東の空には南北に細長い綿雲が伸びていて、煙のような低い雲が北から南に流れていくのが見える。外は湿った空気がヒンヤリと感じられた。コートを着るほどでも無いが、風が涼しくて、少し肌寒いくらいの陽気である。
日野駅から電車に乗って都心に向かう。新宿駅に到着すると、電車を降りて改札を抜けた。地下道を歩いて職場に向かう。職場に着いて、西側の窓から外を眺めた。市街地の上空には薄い雲が折り重なるように広がっているのが見える。西の空は雲が切れていて、雲の下に関東山地の低い山々の淡いシルエットが横たわっていた。
日中は雲が多いものの晴れて青空が広がった。昼間の最高気温は20℃で湿度が低く、乾い北よりの風が吹いている。外に出ると、日が射している間は、強い日射しが肌を焦がすように熱く感じられるものの、日が陰ると風が涼しく感じられた。
今日は思いの外、早く仕事にひと区切りが付いたので、少し早めに帰ることにした。職場を出ると、外は少し空気が冷たく感じられるが、空調の効いた執務室が少し暑かったこともあって、ちょっと気持ちがいい。久しぶりに気分転換を兼ねてお茶をして帰ることにした。
新宿NSビル1階にあるカフェ「タリーズコーヒー 新宿NSビルアネックス店」に入店する。この店を利用するのは実に9ヶ月ぶりである。
奥のテーブル席を確保すると、入口脇のレジの隣にあるショーケースの中を覗き込んだ。注文することにしたのは「あんずとサワークリームのタルト」である。ドリンクは今月2日に発売になった「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイク」とした。
代金をタリーズカードで支払うと、店の奥のカウンターで「あんずとサワークリームのタルト」と「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイク」の載ったトレーを受け取った。更にスプーンと紙おしぼりをもらい、カウンター横のカトラリーのコーナーで、冷水を注いだ紙コップをトレーに載せて確保したテーブル席に戻る。
最初に紙おしぼりで手を拭くと、「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイク」を飲むことにした。
「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイク」は映画「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」で登場した「バタービール」をモチーフにしたシェイクで、エスプレッソのほろ苦さをプラスしたキャラメル風味のシェイクに、泡に見立てたバタービールフレーバーの甘いホイップクリームをトッピングしている。
ホイップクリームはきめが細かく、見た目にもビールの泡っぽく見える。
「バタービール」というと、10年以上も前に大阪のUSJで飲んだ「フローズン・バタービール」を思い出すが、どういう味だったかよく覚えていない。
ストローを挿して勢いよく吸い込むと、口の中にはドロリとした冷たいバタービール風味のシェイクが流れ込んできた。なめらかな口あたりにバターやキャラメルのような甘い香りが広がり、エスプレッソの程よい苦みがアクセントになっている。
表面のホイップクリームをスプーンで掬って口に運んだ。舌触り滑らかなホイップクリームはとろっとしていて、甘くて美味しい。シェイクと混ぜると、ミルクコーヒーのような味わいで、冷たくて甘くて美味しかった。
「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイク」を半分くらいまで飲んでしまったところで、ケーキを食べることにした。
「あんずとサワークリームのタルト」はタルト生地の上にあんずの果肉を載せてサワークリームを重ね、爽やかな色鮮やかなあんずソースをあしらったタルトケーキである。
ケーキにフォークを入れて口に運ぶ。軽い食感のサワークリームに甘酸っぱいあんずの味わいが重なる。あんずの果肉がジューシーで美味しい。さっくりとした食感のタルトがケーキにボリューム感を与えていて、小さいケーキながらも食べ応えがあった。
ケーキを食べてしまうと、再び「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイク」を飲んだ。あんずの味わいにエスプレッソの苦みが重なって、喉の奥に消えていく。ちょっと落ち着いた気分である。
閉店まで既に1時間を切っているということもあり、店内は閑散としているが、却って静かで居心地が良い。「ハリー・ポッター エスプレッソ バタービール シェイクル」の入っていたプラスチックカップが空になると、紙コップの冷水を注ぎ入れてカップを綺麗に洗うようにして飲んだ。
ビジネスカバンの中から文庫本を取りだして、しばらく読んでいたが、きりのいいところで本をビジネスカバンの中にしまうと、食器を返却して帰ることにした。店を出て、新宿NSビルの外に出ると、新宿駅に向かって歩き出す。
新宿駅から中央線快速電車に乗った。電車は比較的空いていて、しかも中野駅で座ることができた。シートに腰を下ろすと、心地よい眠気が全身を襲ってきて、自然に瞼が落ちる。気付くと、電車は立川駅を出るところだった。
日野駅で電車を降りると、改札を抜けて駅の外に出る。上空には澄んだ暗い空が広がっていて、天頂付近に月が煌々と光を放っている。月の周囲には星が瞬いているのが見えた。風が少し冷たいが、むしろ心地よく感じられる。あたりはしんと静まりかえっていた。