ごんたくれっ!マーケティング

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具体化=数値化で実行力を高める

2008-07-04 16:30:11 | ビジネス
 ビジネスでは物事をできる限り具体化、数値化する事が求められます。大体、物事は具体化しない限り実行できない。数字というのは、ある意味、究極の具体化です。例えば計画(plan)、実行(do)、評価(check)、見直し(action)というPDCAサイクルが「うまく回らない」というマネジメントの嘆きがよく聞こえてきます。そういう会社の問題点というのは大体相場が決まっていて、「具体化」ができていない。

「顧客満足度を高めよう」という大まかな方針を決めて、次に具体的な施策を打ち出さなければいけないときに、多くの会社は、たとえば「顧客訪問の回数を増やす」とだけ漠然と決めて、具体的な数値目標を立てない。そういう会社に限って、「今、営業マンは月に何回訪問しているんですか?」と聞いても、ほとんど応えられません。訪問回数を増やそうにも、現状を把握していなければ、どこまで訪問頻度を高めれば顧客の満足度が上がるのかもわからないのです。

ある企業の取締役会で、「顧客認知度を高めるのを今期の目標にしたい」という提案に対して、社外役員が「それは目標として相応しくない」とダメ出ししたことがあります。理由は「認知度を測るメジャーがない。数値化できないから」です。

結局、その会社でやっている事業領域に関してグーグルで検索したときに、少なくとも3番目以内に会社名が出るようにするということで取締役会の承認を取り付けました。正しいか正しくないかは別にして、とにかく顧客認知度を数値化して目標設定したわけです。

強い組織やできる人は、大きな目標方小さな施策まで、すべて数字に落とし込んで、目標に向かいます。しかし、日本人は往々にして漠然と方針を決めただけで何かやれそうな気になる。具体化したり、数値化しなくても、曖昧なものを曖昧なままで納得する傾向が強いのです。これは日本語という言語の特性に由来する部分があるのかもしれません。

日本語というのは漠然とした言語で、たとえば目の前に湯飲みが複数あっても、「ここに湯飲みがある」という言い方で通じる。英語では必ず「There is a cup of tea」と言うか、省略しても「There is a tea」と言います。湯飲みが4つなら、「four cups of tea」です。英語を始めたしたヨーロッパの言語では単数か複数化を必ず認識して言葉にするし、フランス語やイタリア語などは男性形と女性形の区別まである。

電車オタクな話題で恐縮ですが、主に新幹線のぞみに使われているJR東海のN700系の座席に座ると、前の座席の後ろについているテーブルに「Please switch your mobile phone to silent mode」という注意書きがあります。

しかし英語の車内アナウンスでは「Please switch your mobile phones to silent mode」と言っている。不特定多数に向けた車内アナウンスだから複数形の「Phones」で、座席に座って目の前の注意書きを読むのは1人だから単数形の「Phone」なのでしょう。日本語なら「携帯電話はサイレンとモードにして下さい」の一言で済んでしまう。

ヨーロッパ言語を使い人たちは子供のことから単数か複数化を頭の中で認識して言葉にしてきたわけです。だから数の概念が曖昧な言語体系で育った日本人よりも、数字に対する完成や論理構成力がずっと精緻にできているのだと思います。これはあくまで私の仮説で、言語学者に解明してもらいたいと思いますが、日本人は数をきちんと勘定すると言うことを日頃からしておかないと、数字力が上がりにくい民族なのかもしれません。