ごんたくれっ!マーケティング

日々徒然なるままに日常で起こっている出来事に喝っ!!

発生する4つの原因

2008-08-26 11:22:57 | クレームを宝に変える

 顧客満足と言う言葉を耳にしたことがあると思う。作れば売れた時代から、モノあまり・作っても売れない時代へと変化した今は、会社優位から顧客優位とかわらねければ生き残ってはいけない。

一般的に顧客満足を実現する要因には

① 商品力

② サービス力

③ 価格力

④ ブランド力

の大きく4つがある。自分が消費者になったつもりで考えてもらえれば、状況によりこの優先順位は変化するものの重要なことは理解できるはずだ。この4つの要因がしっかりとできていないとクレームに発展するということになる。

一般的にクレームの原因を挙げると上位は次の4つになる。

① 製品品質不良
商品の欠陥や不足、サイズや色が違うなどの問題。賞味期限切れや破損、約束時間を守らないと言うこともこれに当てはまる。

② 接客態度のまずさ
無愛想だった、ものの言い方が横柄、態度・言葉遣いがぞんざい、たらい回しにされたなど。

③ 社内ルールの押し付け
返品したいお客様に対して「当社ではレシートがない場合返品はできない」といった「駄目・無理・決まり・システム」などの会社都合、ルールの押し付け。

④ お客様の勘違い・不注意
言った言わないの勘違いは、企業側の説明の仕方や配慮のなさから起こる。クレームは、お客様からの問題提起だ。

その起業に商品やサービスを信頼して永く利用する、有料顧客の4割近くが、実はその発端がクレームの応対方法にあったと回答している。自分の要求が100%受け入れてはもらえなくても、社員と企業が真摯に要望を聞き、解決に向け努力してくれたことを顧客は評価する。起こしてしまった事実にどう対応するかで、非難されるか、ファンになってもらえるのかが決まる。

お客様からのクレームは年々増加、深刻化し、企業としても危機管理体制の1つとして専門の受付部門を設置しているところが急増している。消費者センターへ寄せられたクレームの件数は、1969年は5,000件だったものが2006年度は137,000件に跳ね上がっている。その内容も大変複雑化し、企業として真摯に受け止めなければならないことなのか聞き流しても良いことなのか、見極めが難しくなっている。

クレームは組織にとっても担当者にとっても避けて通りたいことではあるが、視点を変えればお客様からの問題提起だ。見過ごした誤りや企業本位の仕事の進め方に警告を与えてくれるものだからだ。「クレームのない企業は成長しない」のであり、クレームは組織に対するメッセージであると理解してほしい


やってはいけない応対

2008-08-25 10:06:00 | クレームを宝に変える

 クレーム応対力のキーワードは「迅速」と「傾聴」だ。しかしなぜか後手に回ってしまうことが多い。理由としては次のようなことが考えられる。

① 感覚がマヒし軽く見てしまう。

一日に何本も苦情を受ける専門の部署では、同じような内容のクレームがくると「またか!」というマンネリ感覚に陥りやすくなる。よくあるクレームに関しては誰もが速やかに応えられ、応対する人によって伝える内容が変わることのない様、対応策を標準化することが大切である。

② 感情的に対応してしまう。

「さっきから、すみません、すみませんって謝ってばかり。早く何とかしてちょうだいよ!何やってるの」クレームがこじれると、顧客は感情的になり、断定的なものの言い方をしたり語気をあららげたりするものだ。クレームを言う顧客の心理は「早期解決」と「怒りをぶつけたい」というものである。相手の怒りのテンションに釣られず冷静に解決策へ誘導したい。

③ 原因ではなく犯人捜しをする。

「自分は悪くない。あそこの部署の対応が悪い」と傍観者的な応対になり「担当者ではないので良くわかりません」「どちらにおかけですか」と、つい自分を正当化する逃げ言葉を使ってしまう。犯人捜しを選考させると顧客への対応が後手になり、一気に会社に対する信頼感が失われる。顧客とすればこの問題を迅速に解決してほしいという思いが先決である。

④ 消極的な対応

クレーム対応では、確実でない約束や曖昧な説明など消極的な応対をしてはならない。こういう応対は更なる勘違いを引き起こす可能性がある。消極的な応対をしてしまう場合として、次の2つが考えられる。

応対方法が分からない(業務や商品知識が浅くどのように応対すれば良いのか流れがわからない)

自分のことしか考えていない(「どちらにおかけですか」「こちらは担当ではありません」担当業務以外は仕事ではないと割り切って、平然と会話を中断してしまう)

⑤ 先送りの対応

「たくさんの仕事を抱えているから、小さなクレームに対応している暇はない」この言い訳はタブーだ。「僕は忙しいからキミが片付けておいて」と上司が部下に対応を押し付けていては、真剣に取り組む気持ちも起こらない。「ここまでは現場で対応してください」「こういうケースはこう対応するように」とある一定のところに線を引いて、現場で処理できるようにしておけば、より迅速な対応が可能になる。


応対力のセルフチェック

2008-08-22 14:47:12 | クレームを宝に変える
 クレーム対応で大切なことは二次クレームに発展させないことだ。起きてしまっていることから逃げずに、前向きにとらえてそれ以上に発展させないことが重要である。

二次クレームとは本来のクレームではなく、稚拙な応対やたらい回しなどにより引き起こされた新たなクレームのことだ。最初は小さな不満だったはずのことを大きくしてしまったら、解決が一層難しくなる。お客様はマイナスの心理状態、いわば感情的・わがままになっていることを理解し応対したい。

自分のクレーム応対スキルを確認してほしい。

① クレームを販促だと前向きに考えているか。

② 初期段階での対応が最も大切だと認識しているか。

③ 何かあったときに相手先へすぐ訪問しているか。

④ まずは素直に謝罪することが大切と意識しているか。

⑤ 相手が感情的になっていても平静さを失わないように努めているか。

⑥ 相手のミスを責めず寛容な態度を取るようにしているか。

⑦ 迅速な応対を心がけているか。

⑧ 相手のミスを気づかせる時穏やかな表現を用いているか。

⑨ 言い争いをしないよう意識して応対しているか。

⑩ 相手の言い分を十分聞いているか。

⑪ クレームを上司に速やかに報告しているか。

⑫ 後輩・同僚のミスから発生したクレームを協力して解決しているか。

⑬ 責任回避・責任転嫁はしていないか。

⑭ 発生原因を追究しているか。

⑮ クレーム応対のシステム化を推進しているか。


「はい」が11個以上あった方は最低限のクレーム応対スキルが備わっていると言えます。10個以下ではクレームに対する基礎体力がまだ不足している。

クレームはマニュアルさえあれば解決できる単純なものではない。応対方法は組織や経営方針に関わると同時にお客様に対する考え方も色濃く反映される。つまり経営トップの考え方、上位者の考え方が最も重要である。現実には残念ながら上位者や現場の危機意識の欠如が多く見受けられる。

お客様の「困った」の声に適切な情報を提供していくことは顧客満足の具体的な取組みとして非常に重要である。社員がお客様との「マイナスの出会いの瞬間」を「お客様との信頼関係を結ぶための貴重な出会い」として再構築するためには、組織としての明確な判断基準が要求される。

今起きている問題を明確にする

2008-08-22 09:46:53 | クレームを宝に変える
 良好なスタートを切った後は解決のための「問題に焦点を当てる」流れだ。今起きてしまっている実際の被害に対し、弁償・弁済しなければならない状況の把握、お客様の目的や問題を明確にする場面だ。クレームをいうお客様は、必ずしも要望や状況を的確に伝えられるわけではない。感情的な言い方や曖昧な表現であっても、的確に焦点を絞れる聴く力と、お客様の怒りを鎮める共感力が必要になる。

クレームは、起きてしまった事実問題だけではなく、お客様の個人的な事情や気持ち・感情までもが複雑に絡んでいる。自分の様々な思いや状況を受け止めて欲しいと誰もが思っている。その心情に目を背けるわけにはいかない。

クレーム応対とは問題解決の手助けである。解決しなければならない課題は2つある。

① 事実問題
   送球に解決して欲しいと思っている、今起きてしまっている事態。会社として弁償・弁済すべきことである。

② 心情問題
   感情的な問題であり、被害を受けたお客様の不満・不安だ。この商品を使ったためにこんな目にあった、という感情を暴露したい気持ちである。

クレームとは、会社側として回答・解決すべき約束事と、お客様の勝手な要望・感情をごちゃ混ぜにしてぶつけられるものだ。お客様の心情もきちんと受け止めることが、お客様の立場に立った対処になる。

この心情的な問題への解決策は「受容と共感」で対処したい。受容と共感を活用することで、お客様の怒りの感情は徐々にボルテージが下がり、次の解決策への誘導に移りやすくなる。そして、お客様の怒りを鎮め冷静なものに移行させ、お客様自身の問題解決能力を引き出すことができる。

お客様の望むことの第一は「まず謝ってほしい」ということだ。感情を解きほぐすことから始めたい。お客様が困っている状況を真剣に受け止め「何とかしたい」と言う気持ちを自分の言葉で伝えていく。受容・共感の実例は以下の通りだ。

「料金をちゃんと払ったのに指定時間に届かないなんて不愉快だ、忙しいのに待っているんだぞ」
「お忙しいところわざわざ時間を取っていただいたのに、申し訳ございません」
「何が理由かわからないが、連絡ぐらいすべきだ」
「ご連絡もせずお待ちいただいたことは私どもの不手際でした。申し訳ございません」

謝罪はしても「申し訳ございません」の同一語のみの使用では相手の気持ちを鎮めるのは難しい。