新型の1号店は、2006年9月にJR川崎駅前に開業した商業施設「ラゾーナ川崎」の1階に開いた。近隣の百貨店、さいか屋川崎店に中級者以上が通う通常型のコーヒー豆販売店を出していたこともあり、初心者向けの業態開発に取り組んだ。
コーヒー豆販売店は一般に、産地ごとに分かれた豆が入ったショーケースで商品を選択した上で量り売りする。ただ、量販店や食品スーパーなどで袋入りのレギュラーコーヒーを購入している若い消費者には「従来型の店舗は取っつきにくい」。
そこで考案したのが専用にペットボトル容器にコーヒー豆を100g入れて販売する方式だ。容器入りなら、袋入りタイプ同様、手軽に買えるはず。産地など詳しい知識が無くても済むよう、飲用シーンごとにブレンドした豆を別々の棚に置くなど販売方式も工夫した。
飲用シーンは朝に適した「目覚めの朝」、夜に適した「一日の終わり」、リラックスに適した「のんびり行こう」、午後の休憩時に適した「活動的な午後」の4つ。すぐわかるようにパッケージをそれぞれピンク、青紫、緑、黄色にした。商品数は計18個。商品名も「いつものブレンド」や「和スイーツとおいしい」など日常使いの雰囲気を打ち出した。
店頭では4つのゾーンに分類して商品を置き、カラフルに見えるようにした。ペットボトルも横置きで平面状に並べて陳列。「面積をとって目立たせる」。食品売り場での顧客誘引効果を狙った。
18アイテムそれぞれについて酸味、苦味、コク、口当たりの4項目を7段階評価した表も掲示。選ぶ際の目安をわかりやすくした。全て試飲も可能。店員に依頼すれば、豆も挽いてもらえる。挽き方もサッパリ飲みたいなら粗挽き、苦いコーヒーが飲みたければ細挽きなど3段階で指定できる。
販売価格は\483~\945(税込)と、通常店舗の100g当たりの値段とほぼ同じだ。来店客は20~40歳代の初心者が多く、ペットボトル容器入りの目新しさも手伝って象用用に求める人も目立つという。「相手の好みがわからない場合、どういう商品がよいかといった相談も多い」
ペットボトルのリサイクル推進のため、使用済み容器を持ち込めば\50引く仕組みを採用。1~2週間ごとに来店するリピーターも増え、「ペットボトルの持ち込みも次第に多くなってきた」。店が増え、容器回収量が一定規模になれば、専用の買物袋などに再生する考えだ。
キーコーヒー直営の通常のコーヒー豆販売店は全国に92店。ケープラスは今年5月末でまだ3店にとどまっている。商業施設などで「カジュアルな店が求められれば是非出たい」と意欲を見せている。