ボクの宗教へようこそ!其之八

2006-08-22 20:35:57 | 小説

 八、ラヴァーズ・レイプ

「…ってヴィデオがあってさ。あ、置いてあるとしたらアダルト・コーナーだと思うんだけれどさ。レンタル・ヴィデオ・ショップの。ドキュメンタリーでさ。オレみたいな真面目そうで純朴そうな青年を騙す訳。ターゲット。ハード・コア版『ブラック・メイル』って感じです。仕掛け人がポルノ女優(キョーコ)、指示を出すのがイケメン監督なんだ。電話やメイル攻撃を仕掛けて頻繁に連絡を取らせんのよ。そのポルノ女優が、監督の指示受けて。そんで、女は厭々でさ、メイルの返信に顔文字があっただけで、「おえ~!」みたいな表情なんだけれど、「大好きです!」みたいな内容で返すの。電話にしても猫撫で声で。デートもするんだけれど、終わってから監督の所へ行ってさ、「あの匂いがダメ!マジ、気色悪い!」とか抜かすのよ。指輪もらっても、「合わない~!」とか。凄え莫迦にしてさ!更に女はカメラに向かってこう言ったんだよ!

「KANCHIGAI男って、厭ですよね!」

だって!勝手なことばっか言ってんじゃねえよ!それから二ヶ月くらい付き合わせてラヴラヴメロメロにさせるんだわ。マインド・コントロールって感じ。 
そんでそれを一気にぶち壊す! 女の部屋でデートしている所に監督らクルーが突入し、「オイ!テメ!コラ!何してんだ、オラ!」ヤクザのリンチみたいのが始まる訳!そんでポルノ男優にレイプされんの!眼前で!今迄彼女だと思っていた信じていた女が。ターゲットはガムテみたいのでぐるぐる巻きにされてさ、もう、嗚咽号泣、見ることも厭だから眼を瞑ろうとするんだけれど、それを抉じ開けられて。『時計仕掛けのオレンジ』かよ!?って感じ。この作品でオレは見事に精神的にウチノメサレタよ。いや、マジで。
それでこれはさ、飽く迄も推測の域を脱しないのだけれども、演出ではその、「真面目で純朴そうな青年を騙しました!」みたいに見せているんだけれども、実は本当に騙されているのはポルノ女優なんじゃないかな?って思うんだ。予め、「騙されて下さい!」って、ターゲットの方に言っといて。そうでなければ逆上して殺人事件に迄発展しそうなくらいリアルに激昂していたんだよ。発狂寸前て感じで。
そして、『世界の中心で愛を叫ぶ』だっけ?あれの数百倍は愛の本質を描いていると思ったよ。オレは。って、そっち観てないけれど。如何?観てみたくない?って、観てみたくないよね?でもね、衝撃的でショック療法になると思うよ。エロス抜きにしても見応え充分でした。顔文字を使うのが恐くなったし、騙されていたとしても吃驚しないよう心掛けています。「からかわれてるんじゃねえの?」って。在り得ないけれど、やり取りが活字化されたとしても恥ずかしくないよう心掛けています。って、凄い被害妄想だよね?笑えるね?否、笑えねえよ!人を嫌ってるから人から好かれない!よく、言われるんだ…。それじゃ!」

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