真実ノ光景ヲ描ク度ニ穢レル心、其之拾伍

2007-01-06 21:38:53 | 小説

本当に狂言だったのだろうか?無意識の中にもしかしたら、何かが在ったのかも知れない。そんな訳はないか。それは、オレには判らない。How does’ feel?哀切の念は、微塵も感じない。哀しみはすぐに失くなって、消えた。これこそが、御利益だったのか!アイ・ガット・ザ・光・フロム・DEATH!オレの中の不穏な魂、本当の未来なんて知りたくないと嘯く、絶望的虚無をRAPE,I JUST KILLYOU,その亡骸が腐敗し裂けたマイ・ソウルから新たに、鈍く然し美しく光り輝く、人間本来の生命力を孕んだハードコアなリアリスト、ANTI NEGATIVE APPROACHが誕生した。極めて晴れやかな気分、また明日から頑張って生きよう!生きる気力が溢れるようにして湧いて来、その表情にはきっと、希望が充ち満ちていたことだろう。これぞ、自らを放免し自らを戒める生き様。春にして新しきことに出逢うべく、悔いのないようにいきましょう。立ちすくむバケモノ青年。青年はこのオレで、語り掛けられる。「それでいいのだよ。」え?ふと視線を揺り動かすと、隣に子供なのか老人なのか判然としない顔つきをした畸形がいた。車輪付きの巨大な樽に収容され杖のようなものも立て掛けて在る。「でもさ?それで象徴のつもりィ~?浅墓じゃねえ~?」と、身を乗り出し体を摺り寄せて来やがる。(気味悪イなァ。触んじゃねぇよ。放せよ。それに、誰だよ?)と、手をいやんいやんしていると、RIGHT NOW!「賢くもないのに他人をバカだと見下しているでしょう?」煩っせえよ!何故、こんな面倒臭いことになっている!?「NICE!」訳判んねえこと言ってんじゃねえよ!
オレは常時携帯、機械文明の賜物である機械文字明朝体で記された、手製の爆弾的遺書、

「先立つ不倖を顧みず、彼の人、絶望と互いに深く言い交わし、人眼を忍ぶ仲と相成りました。ついには御腹に仔、虚無を宿し、それは幼いと雖も、尊き命を殺生するには哀し過ぎます。如何か私めの身勝手をお許し下さいませ。遅々として進まず、漸く書き上げた本文、乱筆乱文失礼致します。それでは。」

を奴の懐に差し込み、何故ここにいるか理由は判らずにいるオレはその場を立ち去った。事在る毎に現実に起こった或る事象を考察分析し、其処から最大限の利益を捻出することに努めるオレは、然し、こう訊きたかった。
「あのう、突かぬことをお訊きしたいのですが?すいません、あなた、バカじゃあ、ないですよね?」言えなかった脅威的科白たけが蟠り、心残りで御座います。羽ばたこうとして羽根を拡げているのは烏、オレは自らの影踏みに夢中。合掌。

BASED ON SHINSHOW‘S 落語、FUTANARI

参考文献:実存と人生 / フランツ・カフカ

参考映像:スターダスト・メモリー / ウディ・アレン監督
       決別 / J.L.ゴダール監督
       華氏451℃
 / フェデリコ・フェリーニ監督
       審判 / オーソン・ウェルズ監督