1945年、太平洋戦争末期。アメリカ軍はマクベイ艦長率いる巡洋艦インディアナポリス号にある極秘任務を与える。それは長きに渡る大戦に終止符を打つ最終兵器・原子爆弾の輸送であった。危険極まりない戦地へと旅立ったマクベイと兵士たちは、日本軍との激しい戦闘を掻い潜りながらなんとか目的地テニアン島にたどり着く。任務を終え安堵に包まれながら次の目的地へ出発するマクベイ一行。しかしその時、艦内に爆音が鳴り響く。橋本少佐率いる日本軍の潜水艦が発射した魚雷が艦に直撃したのだ。激しい戦闘の末沈没してしまうインディアナポリス。なんとか命からがら脱出したものの太平洋を漂流するはめになったマクベイと兵士たちに、今度は飢えと喉の渇き、そして獰猛な鮫たちが襲い掛かる。極限状態に陥り次々に命を落としていく兵士たちと、彼らを一人でも多く生きて家族の元へ帰そうと奮闘するマクベイ。しかしこれはマクベイに襲い掛かる過酷な運命の始まりに過ぎなかった…。
パシフィック・ウォー 2016年/アメリカ/マリオ・ヴァン・ピーブルズ
日本人としては気持ちが複雑になってしまって、途中で何度か止めてしまいました。
戦争を早く終わらせるために原爆が必要だと最初に釘を刺されたようで(何度も)、正直、不愉快でした。
と同時に、もっと早く終戦を決意することができたであろう天皇陛下に対する悔しい気持ちを思い出してしまいました。
インディアナポリスの隊員たちが救助されてから、ようやく、映画として観ることができたような気がします。
ジグザグ航行をしなかったことの裁判では、日本軍の橋本艦長が証人として現れたことにとても驚きました。
橋本艦長とマクベイ艦長、お互いそれぞれの任務を果たしただけで、でも、軍人ではなく人として…と涙を流すシーンは、感動的でありつつ、複雑な気持ちになりました。
その後、非難の電話が鳴り止まず、自殺してしまったマクベイ艦長…。
そんなマクベイ艦長の名誉を回復させようと奔走したのが橋本艦長。
お二人とも立派な軍人だったのだと強く思いました。