映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~

映画でシミュレーションしておけば何処かで役立つはず

ブリッジ・オブ・スパイ

2016年01月10日 17時54分38秒 | 映画 は行
評価:★★★★☆【4.5点】



安定した面白さはむしろ地味な作品の方が多いのでは。




米ソ冷戦下の1957年、ニューヨーク。
ルドルフ・アベルという男がスパイ容疑で逮捕される。
国選弁護人として彼の弁護を引き受けたのは、
保険を専門に扱う弁護士ジェームズ・ドノヴァン。
ソ連のスパイを弁護したことで
アメリカ国民の非難を一身に浴びるドノヴァンだったが、
弁護士としての職責をまっとうし、死刑を回避することに成功する。
5年後、アメリカの偵察機がソ連領空で撃墜され、
アメリカ人パイロットのパワーズがスパイとして拘束されてしまう。
アメリカ政府はパワーズを救い出すためにアベルとの交換を計画、
その大事な交渉役として白羽の矢を立てたのは、
軍人でも政治家でもない一民間人のドノヴァンだった。
交渉場所は、まさに壁が築かれようとしていた敵地の東ベルリン。
身の安全は誰にも保証してもらえない極秘任務に戸惑いつつも、
腹をくくって危険な交渉へと臨むドノヴァンだったが…。
<allcinema>



冒頭から数分間、セリフがまったくないにも関わらず
グイグイ作品に惹き込まれてしまうスピルバーグの技に拍手!
カメラアングルやチョットした画面の動きだけで
登場人物の心情の奥深いところまで描き出す技量は健在だった。

そしてそれに見事に応える名役者たちが揃えば
脚本がいいだけに映画が面白くなるのは当然の結果と思う。

言葉も満足に通じない異国の地でポーカーゲームをする
主人公の底知れぬ度胸には、ただただ驚くばかり。
これもすべては保険専門の弁護士で養われた一語の重要性を
体で覚えた彼の中のスキルなんだろうな。

重大な責務から解放され我が家に帰って来たジェームズ。
疲れと風邪からスーツのままベッドに体を放り投げ眠る。
テレビでは彼の行った功績がニュースで流れ、それを見た家族の
驚きの表情が涙腺を刺激する。

男ってこうでなくっちゃ!(笑)



【今週のツッコミ】
・ソ連のスパイを弁護する羽目になったジェームズに
 冷たい視線を送った電車のご婦人が最後は微かに微笑む演出が秀逸。

・1957年代の舞台背景がワタシは大好きなのだ。
 男女のファッションから道路を走る車に至るまで^^

・ソ連のスパイを演じたマーク・ライランスのキャラがいい。
 本作でイッキに知名度が上がることだろう。
 ちなみに、まだ50代半ばという若さにびっくり(入歯だし)^^;

・弁護を引き受けてからNY市民に銃撃されるシーンは
 本作で予告編のワンシーンしか描かれなかったわけだが
 家族の恐怖を描くには少々物足らない気がした。

・出来る交渉人としての彼の上を行くのが実は彼の妻ではないか?と
 密かに確信しているワタシ。出発前の彼女のセリフが素晴らしい。

・双方の捕虜ともに抱擁はなかったですね。これが現実。
 情報漏えいの疑いがあるから仕方ないか。

・当初は地味な予告編のためか食指も動かずスルーを決めていたが
 地元の料金の安い単館でも上映することを思い出し急遽鑑賞!大正解!(爆)
------------------------------------------------------------
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:マット・シャルマン/イーサン・コーエン/ジョエル・コーエン
音楽:トーマス・ニューマン

出演:トム・ハンクス/マーク・ライランス/


『ブリッジ・オブ・スパイ』
 

コメント (16)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クリムゾン・ピーク | トップ | パディントン »
最新の画像もっと見る

16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (えふ)
2016-01-10 18:54:40
あけおめ~♪

男心をくすぐる作品なんですかね?!(爆
女心からしたら、
あんた、なにやってんのよー
って感じですが。
まぁ~あの時代ですから妻がでるまくないですね。
私にはちょと真面目すぎた作品でした。
えふさんへ (ituka)
2016-01-10 19:32:40
初対面の相手と交渉するときは強気な態度に出ると
意外と成功するものだと、この映画で学べました(笑)
地味だったけど、その分、現実っぽくてワタシは好きでしたよ。

>女心からしたら、
>あんた、なにやってんのよー

いいなー!こういうの(爆)
あの妻もこれくらいのセリフを言ってほしかった。
だとすると、サスペンス・コメディになっちゃうか(爆)
あけおめです。 (オリーブリー)
2016-01-10 19:47:46
すっかり遅れましたが、今年も宜しくお願いします。

あの妻、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」の悪母の印象が強すぎましたが、これで一気に好感度得ました(私的に)
監督、脚本、役者の綺麗なトライアングル作品でした。
オリーブリーさんへ (ituka)
2016-01-10 20:24:34
あけおめ~!ことよろ~!

スピルバーグ監督に群衆に呑みこまれてしまう目標物を描かせたら
もはや右に出るもの居ないと思っているワタシです。
これは、もう若手監督への教科書ではないかと(笑)

>あの妻、「ゴーン・ベイビー・ゴーン」の悪母の印象が強すぎましたが

なるほど!未見なのでこの良作はいちどチェックしたいものです。
いい映画にはいいスタッフが付かないとダメですね。

Unknown (mariyon)
2016-01-10 20:59:07
アナログなスパイ活動の小道具が、
あの時代の大変さを物語っていました。
ベルリンの壁が作られていくさまや、偵察機での撮影。
(そう、キューバ危機もこの写真からだったような・・・。)
ものすごい時代だったんだと。。。
こんな時代でなくて良かった。現代に感謝…と思いつつ
自分の生まれた頃って、こんな時代だったのかと
ちょっとしたカルチャーショックを受けて帰ってきました。

スピルバーグ作品で久々に感動しました。
mariyonさんへ (ituka)
2016-01-10 21:26:29
ソ連のスパイ爺さんから押収した品物もアナログ満載でしたね(笑)
公園のベンチから持ってきた銀貨に仕込まれてたのが
ホント時代を感じました(笑)

そうそう、キューバ危機勃発もあのU2-偵察機による画像が発端でしたもんね。

ジェームズが帰りの車窓から見る少年らの何気ない金網飛び越えに
可なり反応してましたね。
あれが所謂トラウマって言われるものなんでしょうね^^;
トライアングル (もののはじめのiina)
2016-01-21 09:51:09
1対1と思っていたスパイ交換に伏兵がいたり、交換後のその後の貢献に喜ばしく思いました。

ソ連側に抱擁はなかったですが、アメリカ側は上官との抱擁がありましたょ。

こんにちは。 (みぃみ)
2016-01-21 13:46:43
お父ちゃんドノバン氏は、
釣りに行ってた(ことになってた)んだ~、
と、子供達のお父ちゃん帰宅時の
のんびり具合に、思い出しました。
真実を知った時にも、
そっとお父さんを寝たままにしておいてあげる家族に、
良い家庭だな~と思いました。

マーク・ライランス、50代なんですか?
びっくりっ!!。
とっても心に響く役作りなさっていたと思いました。

撮り方もよかったですね。
最初のアベルが人混みに紛れる迄な映像に、
冒頭からひきこまれてました~。



iinaさんへ (ituka)
2016-01-21 22:32:34
スパイ交換なので互いの駆け引きなど緊張感ありました。
1体2という変則技を見事に成し遂げたドノバンの力量に尽きますね。
こういうのを見て日本政府も北の国との交渉を進めてほしいところです(笑)
みぃみさんへ (ituka)
2016-01-21 22:41:16
今度の週末はチョイと釣りに行ってくるわ!
会社の付き合いだから仕方ないんだよね~(苦笑)
というお気楽なノリで、実は凄いことをしていたというのが
ドノバン氏の粋なところでしたね。

妻は薄々気づいていたものの
まさかこんなことをしていたとはつゆ知らずってやつですね(笑)

アベル爺さんの静かな佇まいに見入ってしまい
こういうのが本当のスパイって感じなのかもしれませんね。
J・ボンドやイーサン・ハントが如何に劇画っぽいか
よ~く分かりましたよ(笑)

ちなみにアベル爺さんまだ50代ってびっくりですよね^^;

コメントを投稿

映画 は行」カテゴリの最新記事