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その瞳に映るのは

2022年09月01日 23時27分58秒 | 映画 さ行
評価★★★★☆【4.5点】(Netflix)


ラスト5分、この秀逸シーンに僅かな光を見る。



第二次世界大戦下のコペンハーゲン。
大勢の子供たちがいる学校が誤爆されるという悲劇により、
住民たちの運命が交錯する。実話に基づく映画。
<Netflix>



デンマークの首都コペンハーゲンはドイツ占領下において
レジスタンス側、ドイツに雇用される側に分かれ
対する英国空軍の爆撃により学校関係者、生徒の多数が
この瞬間大きな被害を受ける。

ドラマは寄宿学校の先生で信仰に疑問抱く修道女、
ドイツに雇用されることに一家の恥と父に罵られる警察官の男、
爆撃直後のタクシー内部の悲惨な被害者を目の当たりにし
その日からショックで口がきけなくなる男の子目線で描かれる。
(過度のストレスによる心因性失声症だろう)

群像劇であることで序盤は複数のドラマがあり難解だが
それらが、クライマックスの学校誤爆からひとつのドラマとして
交錯していく手法はとても見ごたえがある。

学校が爆撃され瓦礫の中にいる多数の生存者を見つけようと
懸命に救出する警察、消防、軍隊と自ら率先するひとりの男。
口のきけなかった男の子が消防団員に頼まれ
一緒に救出の援助をしていくうちに徐々に失声症という病を
克服していく姿に感涙してしまう。

最後は我が子の生存に絶望していた母親が男の子に詰め寄ると
「彼女なら途中で家に帰っていった」
この言葉に母親は「もしや」という思いが巡り我が家に力走する。
まさにここ!
空爆された現場から家までの数分の距離を一目散に走りつづけ
カメラは母親の正面から表情を撮っているわけで、
これってものすごく重要なシーンになるわけですよ。
絶望から僅かに希望が見えた表情を走りながらの高難易度演技。

そして、家の玄関に飛び込んだ先には。。。

これって、朝の登校前に父親が娘に叱った最後の言葉が
超ファインプレーといえる。



【今週のツッコミ】

・しっかり伏線回収する見事な脚本でした。
 「死にたくなかったらスープを飲め!」
 
・戦争の実話モノって重そうでかなり後回しにしていた本作。
 概ね登場人物のかかわりが分かってくると没入感に浸れる。

・チョイと『パンズ・ラビリンス』入ってますみたいな。
 パン屋の超肥満女主人が死神に見えるんですね。

・あの医療従事者の思いやりのない言葉が酷すぎて辛い。

・英国空軍DH.98モスキートの大編隊がかなり壮観。
 ひとりの悩めるパイロット(民間タクシー誤射)目線の
 編隊の中を飛ぶ光景にアドレナリンが出まくります。
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監督:オーレ・ボールネダル
脚本:オーレ・ボールネダル
音楽:マルコ・ベルトラミ、バック・サンダース、キーリー・トージュセン
出演:バートラム・ビスゴ・エネヴォルドセン、 エスター・バーチ、エラ・ヨセフィーネ・ルンド・ニルソン

『その瞳に映るのは』2022年デンマーク

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