
評価:★★★★【4点】
ヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』の異様な世界感は
そのままこの作品にも受け継がれているようだ。
◇
美しい妻と2人の子どもと郊外の豪邸で満ち足りた生活を送る
心臓外科医のスティーブン。彼には家族に内緒で定期的に会って、
その成長を優しく見守る少年が一人いた。
それは以前彼が担当した手術で死なせてしまった患者の息子マーティン。
ある日、そんな彼をスティーブンは家に招いて家族に紹介する。
ところがこれを境に、スティーブンの子どもたちに
説明不能な異変が起き始めるのだったが…。
<allcinema>
◇
不条理風サイコホラーというジャンルをヨルゴス監督が描けば
こんな作風になるという一種のとどめを刺された感じがした。
魔物から家族を救うには、もはや生贄しかないという思いが
主人公スティーブンに行動を起こさせる。
極限の状態に落とされたとき人間の本質が如何に残酷であるか
妻が夫にささやく「死ぬのは子供しかない、また作ればいいのだから」
この言葉を我が子を育てた母が言うセリフですか!?^^
しかし、この作品世界にどっぷり浸かってしまうと
魔物から生き延びるには彼女の言うひと言も確かに一理あると
そう思えてくるから怖い。
ある意味、どこぞの宗教にはまりマインドコントロールで
まともな判断能力を失った出家者のようである。
魔物とは得体のしれない謎の少年マーティンのことで
その風貌から察するに心臓外科医スティーブンとのツーショットが
どれほど違和感があったか、これはキャスティングの妙であろう。
下手なCGに頼らなくても全編に流れる不快な音響効果だけで
これだけの一種異様な世界感を表現できるのだから
やはりヨルゴス・ランティモス監督は只者ではないということか。
【今週のツッコミ】
・結果、マーティンの復讐劇なんだが彼のIQがいかに高かったか
会話ひとつで心臓外科医家族を崩壊させていくんだからこれはすごい。
・富も地位もマーティン家より格段に上なのにマーティンの一言で
彼の母に嫉妬するニコール・キッドマン。女はやはり取扱注意だな。
・回って回ってズドンッ!ってこれ『SAW』シリーズで使えるかもね。
新手のロシアンルーレットと割り切ればいいのか^^;
・パスタの食べ方がまさにホラー。
・急に歩けなくなったり目から出血したりどんな魔力だったのか。
個人的にあの少年のせいではなくスティーブン自らが手を下したと
深読みしてたんだが(医者だし)それはなかったですね。
・かつての夫の患者のカルテを見たいがための需要と供給でしょうか。
妻も妻だが麻酔科医のオッちゃんも親友を裏切る行為に躊躇なし^^;
・ニコール・キッドマンの全裸が今になっても美しいわけとは。。。
・魔物少年マーティンの母親がチョット可愛かった件。
なんと!あの母ってかつて学園モノで世界を席巻した(オーバーな)
アリシア・シルバーストンだったのね。
『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』でバットガールも。
・ワタシならあの母の誘いに簡単に乗ってしまうだろう^^;
・ところで、ドゥニ・ビルヌーヴ監督だったらどう撮るのか興味がある。
---------------------------------------------------------
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ
音響:ジョニー・バーン
出演:コリン・ファレル/ニコール・キッドマン/バリー・キオガン
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』
ヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』の異様な世界感は
そのままこの作品にも受け継がれているようだ。
◇
美しい妻と2人の子どもと郊外の豪邸で満ち足りた生活を送る
心臓外科医のスティーブン。彼には家族に内緒で定期的に会って、
その成長を優しく見守る少年が一人いた。
それは以前彼が担当した手術で死なせてしまった患者の息子マーティン。
ある日、そんな彼をスティーブンは家に招いて家族に紹介する。
ところがこれを境に、スティーブンの子どもたちに
説明不能な異変が起き始めるのだったが…。
<allcinema>
◇
不条理風サイコホラーというジャンルをヨルゴス監督が描けば
こんな作風になるという一種のとどめを刺された感じがした。
魔物から家族を救うには、もはや生贄しかないという思いが
主人公スティーブンに行動を起こさせる。
極限の状態に落とされたとき人間の本質が如何に残酷であるか
妻が夫にささやく「死ぬのは子供しかない、また作ればいいのだから」
この言葉を我が子を育てた母が言うセリフですか!?^^
しかし、この作品世界にどっぷり浸かってしまうと
魔物から生き延びるには彼女の言うひと言も確かに一理あると
そう思えてくるから怖い。
ある意味、どこぞの宗教にはまりマインドコントロールで
まともな判断能力を失った出家者のようである。
魔物とは得体のしれない謎の少年マーティンのことで
その風貌から察するに心臓外科医スティーブンとのツーショットが
どれほど違和感があったか、これはキャスティングの妙であろう。
下手なCGに頼らなくても全編に流れる不快な音響効果だけで
これだけの一種異様な世界感を表現できるのだから
やはりヨルゴス・ランティモス監督は只者ではないということか。
【今週のツッコミ】
・結果、マーティンの復讐劇なんだが彼のIQがいかに高かったか
会話ひとつで心臓外科医家族を崩壊させていくんだからこれはすごい。
・富も地位もマーティン家より格段に上なのにマーティンの一言で
彼の母に嫉妬するニコール・キッドマン。女はやはり取扱注意だな。
・回って回ってズドンッ!ってこれ『SAW』シリーズで使えるかもね。
新手のロシアンルーレットと割り切ればいいのか^^;
・パスタの食べ方がまさにホラー。
・急に歩けなくなったり目から出血したりどんな魔力だったのか。
個人的にあの少年のせいではなくスティーブン自らが手を下したと
深読みしてたんだが(医者だし)それはなかったですね。
・かつての夫の患者のカルテを見たいがための需要と供給でしょうか。
妻も妻だが麻酔科医のオッちゃんも親友を裏切る行為に躊躇なし^^;
・ニコール・キッドマンの全裸が今になっても美しいわけとは。。。
・魔物少年マーティンの母親がチョット可愛かった件。
なんと!あの母ってかつて学園モノで世界を席巻した(オーバーな)
アリシア・シルバーストンだったのね。
『バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲』でバットガールも。
・ワタシならあの母の誘いに簡単に乗ってしまうだろう^^;
・ところで、ドゥニ・ビルヌーヴ監督だったらどう撮るのか興味がある。
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監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:ヨルゴス・ランティモス/エフティミス・フィリップ
音響:ジョニー・バーン
出演:コリン・ファレル/ニコール・キッドマン/バリー・キオガン
『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』
彼って変人ではないのか?なんて思う私です。
>死ぬのは子供しかない、また作ればいいのだから...
体外受精もあると宣うキッドマンが魔女に見えました。
コリンもニコールもナイスキャスティングでしたが、でもでもやはりバリーですよね。
得体の知れないキャラが恐ろしいほど似合っていてゾクゾクしました。
パスタのシーンは、ケチャップが血に見えたりしてホラーの世界。
そうそうアリシア・シルバーストン懐かしすぎますよね。
前作の『ロブスター』でヘンテコな作風だな~と思いましたが
監督自身が変人だとワタシも思います^^;
家族でだれかを犠牲にするわけですが、夫婦でこっそり確認する辺り
なんとも恐ろしく感じました。
たぶん今の自分ならどってことないでしょうけど
一人で生きていけない子供の立場からすると恐怖でしかないですよね。
魔女キッドマン←これから彼女をそう呼びたいです(笑)
あのマーティン役の子って一風変わった雰囲気持ってますよね。
『ダンケルク』のときから特徴的な子だな~と感じてました。
本当に、異様な世界観でした。流石にヨルゴス・ランティモス監督ですね。
子供また作れば発言も怖かったですが、私はスティーブンが娘と息子のそれぞれの学校に行って担任達に彼らの評判を聞いてくる展開…どちらを残すか値踏みしてるってことでしょう?アレが結構恐ろしかったです。
娘と息子のどちらにしようかな、神様の言う通り!で鉛筆転がす方がまだいいですよね(←違)
しかし、この母親像にはゾッとしましたけど、それを止めようとしない夫もまたすごい。
ヨルゴス・ランティモスワールドにまた翻弄されてしまったワタシです(笑)