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【将棋】山田定跡をひたすら称賛するブログ

居飛車急戦党の将棋史研究。
古の棋書から、将棋の思想・捉え方の変遷を追います。
対局は道場がメイン。

【将棋】対抗系後手番は、左美濃急戦のままで良いのか?

2024-01-06 20:49:02 | 将棋

本日、将棋道場で指導対局を受けました。もちろんフルボッコで負けましたよ。

序盤の練習のためあえて平手でお願いし、▲左美濃急戦(自分)vs△四間飛車(先生)の形で指しました。

どうも、自分は左美濃急戦のことを勘違いしていたようです。

指導対局の詳細は差し控えますが、これぐらいは書いても良いかな。

(自分)「これって、7一玉型藤井システム・・・」

(先生)「いいえ、オレ流システムです。」

 

例えば、田丸先生の棋書[1]には、以下の局面が載っています。

しかし、ガチの四間飛車党は後手のような駒組はしないんですね。指導対局で良く分かりました。

 

ほとんど何も理解していなかったのにも関わらず、3つ前の▲四間飛車vs△左美濃急戦ではよくもベラベラと勘違いを書いたものです。

今は恥ずかしい思いでいっぱいです。しかし、そういう経験をしないと成長できない人間なので。

たとえ過去のブログで記載した「私の見解」が間違っていたとしても、それはあえて撤回しないようにします。

何かを書いたり述べたりしたことには責任が伴います。それを自分の都合だけで撤回してしまうと、私の見解が軽いものになってしまいます。

こういう間違いには私個人が笑われるという以上の影響は無く、害は無いでしょう。

そして私は、自身の見解を述べる⇒間違いに気づく⇒恥ずかしい思いをする⇒・・・ということを繰り返すことでしょう。

ただし当ブログに、特定の個人・団体を中傷するようなものが含まれていたら、話は別です。謝罪&撤回させて頂きますので、ご指摘下さいます様お願い致します。

 

本題に戻ります。左美濃急戦は対抗系後手番のために私が用意した作戦ですが、今一度、(1)戦法選択(2)選択した戦法との付き合い方を見直す必要がありそうです。

(1)戦法選択

後手番の急戦策で私が思い付くものといえば・・・

A:後手番でも5七銀左急戦を採用する(青野先生みたいに)

B:8七玉型左美濃急戦(採用中)

C:7九玉型左美濃急戦

これら戦法の歴史的順序はA⇒B⇒Cで、Aは無理そうなのでBを選択しておりました。果たしてそれで良いのか。

 

(2)選択した戦法との付き合い方

仮に、今後も8七玉型左美濃を採用するとします。

A:左美濃に囲うと、相手の陣形によっては急戦を断念して、持久戦へシフトせざるを得ないのでは?

B:また、相手の陣形によっては8七玉型左美濃を組み替えたり、そもそもその囲いを断念せざるを得なかったりするのでは?

C:そもそも後手番で急戦という考えがナンセンスでは?

むむむ・・・

 

しばらくは文献調査ですかね。手元の中座先生の棋書[2]に、指導対局と同一局面が載っていたので読み返してみます。

【参考文献など】

[1]田丸昇、「急戦左美濃戦法」、創元社、1988年

[2]中座真、「対振り飛車 左美濃戦法」、マイナビ、2021年


【局後反省】▲ツノ銀中飛車vs△3八飛戦法

2024-01-05 21:30:21 | 将棋

中飛車は、プロアマ問わず人気の戦法の一つであることに、論をまたないでしょう。特にゴキゲン中飛車の出現は、将棋の先生も「画期的だった」と仰られています。

私自身は居飛車党ですが、リアル・ネットに依らず、相手方が中飛車に振るのを良く見ます。

しかし最近、単なる偶然かもしれませんが、ネット対局では古い中飛車を指される方が多いのです。

 

将棋道場の中飛車党は、ほぼ全員が5筋位取り中飛車を採用します。例えば、下図のような局面になります。

機を見て△5六歩と突き出して飛角の効きを一気に通して(上図は4四銀型ではありますが)攻め合いに持ち込める積極性が、この戦法の魅力でしょう。

 

一方で、ネット対局で出会うのはなぜか、5筋の位を取らないツノ銀中飛車であって、これは山田先生の時代に流行した戦法です。これは前述とは違って攻め5%・守り95%の戦法ですが、山田先生曰く「全面的な守備力」[1]を誇る振飛車なので、攻略するに苦労します。

 

そういう訳で、今回はネット対局での▲ツノ銀中飛車(相手方)vs△3八飛戦法(自分)を振り返ります。

お恥ずかしながら、既に自分の方が間違えています。

まず、居飛車の金銀の配列が加藤流となっています。山田流は△5三銀左とするところです。

また、この戦法は序盤早々に△64歩を突いて▲7八金と受けさせるのが定跡ですが[2]、それが意識されていません。

おまけに、振飛車は▲4六歩を保留していますから、角交換されて▲4六角と打たれたらどうするんですか。

 

ほらほら困ってる。

 

紛れを求めて△6四歩。将来的な▲6三歩成は△同金で対応。HoneyWaffle WCSC28[3]には悪手判定されましたが、多分また同じ手を指すと思います。

 

いやいや、まずこの局面を覚えましょう。次の△4五歩の仕掛けを封じるために、振飛車は▲7八金と受ける。後日、定跡を並べ直します。反省。

 

【参考文献など】

[1]山田道美将棋著作集、大修館書店、第二巻、1980年

[2]所司和晴、「中飛車定跡コレクション404」、マイナビ、2018年

[3]渡辺光彦氏Webページ、https://note.com/honeywaffleshogi/n/nf5ea34e9b00b#29dc1524-1ef9-4e74-bcf3-1308018a5617、参照日2023年12月24日


【将棋】自戦記の投稿に関する自分ルールについて

2024-01-05 20:02:23 | 将棋

今後も将棋の自戦記を継続的に投稿するつもりですが、その内容について自分でルールを設けます。

理由の一つは当ブログの趣旨がぶれないようにするためですが、最大の理由は将棋は相手がいるので一応のマナーとして。

 

ルール(1):指導棋士やプロ棋士などの指導対局の内容は投稿しない(先方の商売上のノウハウなので)。

ルール(2):リアル対局については、相手方と価値観が合う場合のみ投稿する。なお、子供は誰でも負けると悔しいと感じるので、彼らとの対局は絶対に投稿しない。

ルール(3):投稿対象は定跡系やその変化とし、力戦型は対象としない(当ブログの趣旨なので)。

ルール(4):検討は中盤までとする(拙い終盤をお見せするのが恥ずかしい)。

ルール(5):勝ち負けの結果には言及しない(披露するのは検討内容であって、勝った喜びや負けた悔しさではないので)。

他にも当ブログをより良くするために設けるべきルールがあれば、ご教示下さいますと幸いです。

 

たとえリアル対局であっても、感想戦でのメインは終盤であって、アマチュアの仲間内で序盤を語り合う機会が得られにくいのが、私の状況です(山田先生の文章によれば、昔はアマチュアから定跡の質問を受けたり、アマチュア同士での議論の結果が耳に入ったりしたみたいですが)。

そういうわけで、もし当ブログをご覧になった読者が、私の序盤研究に思うところがあれば幸いです。

間違いや疑問点なども、気軽にご指摘下さい。率直な議論を望みます。

 

今日は、もう一件、ツノ銀中飛車対策について投稿します。今回はここまで。


【局後反省】▲四間飛車vs△左美濃急戦

2024-01-04 10:24:49 | 将棋

第2回目は、ネット対局での実戦を振り返ります。

戦型は対抗系、戦法は▲7八銀型四間飛車(相手方)vs△左美濃急戦(自分)

当ブログの主旨(山田定跡をひたすら称賛すること)を考慮すると、心情的には後手番でも5七銀左急戦を採用したいところです。実際、山田先生の時代には後手番でも指されていました[1]。

しかし現代では、この戦法は後手番では無理とされています。その後の研究が進み、先手番でできる仕掛けが後手番ではできなくなったためです。

一方で、左美濃急戦であれば、先後関係なく同じ仕掛けが可能です。ただし、後手番では玉頭を攻められるタイミングが一手早いのでやはり苦しくはありますが。

それに、左美濃急戦の攻め方は5七銀左急戦のそれをアレンジしたものが多いという点[2]において、私の隠れたお気に入りでもあります。また、仕掛け方は同じでも中盤の攻め方が異なるため、一方を理解することは他方を理解することにも繋がります。

もし、山田定跡の基礎をなす哲学を大事にしたいなら、その技術的な部分は時代に即してアレンジしていくべきではないでしょうか[3]。

 

申し訳なくも前置きが長くなってしまいました。

△7二飛を見て相手方は角交換を挑んできたので、△4四歩でそれを拒否します。

もし鷺宮定跡なら、居飛車側から角交換して飛車取りに角を打つところです。

次に居飛車は7五歩で飛車先を切れるので、それを防ぐために▲6六角。

それを見て居飛車は6筋へ飛車を動かし、あくまで角頭を目標にします。

もし▲8四角の牽制なら、△8二飛により飛車先交換が確定して居飛車十分。

なので、相手方は▲3七桂と自陣に手を入れ、居飛車の攻めを待ちます。

その後は、△6四歩、▲同歩、△同銀、▲8四角、△6三飛、▲6五歩、△同銀、▲7七桂、△6七歩、▲同飛、△6六歩、▲7六銀と進みました。

HoneyWaffle WCSC28[4]によれば、ここまでで互いに疑問手は無しとのことです。既に50手ほどになっているので、初段レベルにしては健闘した方でしょうか。

そのあと大駒交換となって終盤の寄せ合いで一手負けしましたが、7八銀型四間飛車に対して中盤まで上手く指せたことは、一つの収穫でした。

 

【参考文献など】

[1]「四間飛車名局集」、日本将棋連盟、2016年

[2]田丸昇、「急戦左美濃戦法」、創元社、1988年

[3]カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳、「日の名残り」、早川書房、p.26-32辺り、2001年

[4]渡辺光彦氏Webページ、https://note.com/honeywaffleshogi/n/nf5ea34e9b00b#29dc1524-1ef9-4e74-bcf3-1308018a5617、参照日2023年12月24日

 


【局後反省】▲4五歩早仕掛けvs△四間飛車

2024-01-03 20:11:01 | 将棋

それでは第1回目は、四間飛車党の二段の方との対局を振り返ります。

戦型は対振り急戦、戦法は▲4五歩早仕掛け(自分)vs△4三銀型四間飛車(相手方)。

相手方はご年配の方で、私が5七銀左急戦を明示すると、「懐かしい。谷川先生が良く使っていた戦法だね。」と仰られました。

そのような格調高い将棋は無理でも、せめて局面を台無しにしないようにと、気持ちを入れ替えました。

局面は定跡型の進行で進行し、相手方は24手目に△4三銀を選択されました。

この手に対しては、昔は▲4五歩早仕掛けが有力とされており[1]、現在も畠山(鎮)先生の棋書[2]でも推奨されています。

 

それに倣って、私は▲4六歩と応手しました。

相手方は藤井新手(△5四銀)を選択されなかったので、以下の局面に。

△1二香は珍しい手だと思いました(ここで油断したのが、本局の一番の敗因でしょう)。

▲2四歩、△同角、▲4四歩、△同銀、▲2四飛、△同歩、▲3一角と進み…。

相手方は△5三銀と応手されました。

30手目△1二香が活きる展開になり、正直驚きました。この仕掛けに対して、振飛車側にこんな構想が存在していたとは。

▲1一角成には△2九飛で、振飛車の美濃囲いが固くて速度負けしそうです。

やむなく▲4二角成で飛車を取りましたが、その後の▲2二飛が悪手だったようで、その後色々あったものの負けました。

 

ちなみにネット対局ではだいたいこういう展開になります。△1二香が入っていると、▲2三角がなおさら厳しいので。

まぁでも、こういうのを勝手読みとでも言うのでしょうか。

手前味噌で恐縮ですが、▲4五歩早仕掛けを相手方に許して頂ければ、大体は勝ってきました。

しかしそれ故に、この戦法に対してある種の慣れのようなものが生じ、手なりで指してしまったのだと思います。

山田先生も「将棋に慣れるな」[3]と仰っていたのに…。その教えを守れていなかったです。

今一度、定跡や戦法に対する自分の姿勢を見直す必要がありそうです。

 

【参考文献】

[1]山田道美将棋著作集、大修館書店、第一巻、p.257、1980年

[2]畠山鎮、「すぐに使えてすぐ勝てる!、将棋・振飛車破りの基本」、マイナビ、2017年

[3]山田道美将棋著作集、大修館書店、第八巻、p.327、1980年