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【将棋】山田定跡をひたすら称賛するブログ

居飛車急戦党の将棋史研究。
古の棋書から、将棋の思想・捉え方の変遷を追います。
対局は道場がメイン。

【局後反省】▲4五歩早仕掛けvs△四間飛車

2024-01-03 20:11:01 | 将棋

それでは第1回目は、四間飛車党の二段の方との対局を振り返ります。

戦型は対振り急戦、戦法は▲4五歩早仕掛け(自分)vs△4三銀型四間飛車(相手方)。

相手方はご年配の方で、私が5七銀左急戦を明示すると、「懐かしい。谷川先生が良く使っていた戦法だね。」と仰られました。

そのような格調高い将棋は無理でも、せめて局面を台無しにしないようにと、気持ちを入れ替えました。

局面は定跡型の進行で進行し、相手方は24手目に△4三銀を選択されました。

この手に対しては、昔は▲4五歩早仕掛けが有力とされており[1]、現在も畠山(鎮)先生の棋書[2]でも推奨されています。

 

それに倣って、私は▲4六歩と応手しました。

相手方は藤井新手(△5四銀)を選択されなかったので、以下の局面に。

△1二香は珍しい手だと思いました(ここで油断したのが、本局の一番の敗因でしょう)。

▲2四歩、△同角、▲4四歩、△同銀、▲2四飛、△同歩、▲3一角と進み…。

相手方は△5三銀と応手されました。

30手目△1二香が活きる展開になり、正直驚きました。この仕掛けに対して、振飛車側にこんな構想が存在していたとは。

▲1一角成には△2九飛で、振飛車の美濃囲いが固くて速度負けしそうです。

やむなく▲4二角成で飛車を取りましたが、その後の▲2二飛が悪手だったようで、その後色々あったものの負けました。

 

ちなみにネット対局ではだいたいこういう展開になります。△1二香が入っていると、▲2三角がなおさら厳しいので。

まぁでも、こういうのを勝手読みとでも言うのでしょうか。

手前味噌で恐縮ですが、▲4五歩早仕掛けを相手方に許して頂ければ、大体は勝ってきました。

しかしそれ故に、この戦法に対してある種の慣れのようなものが生じ、手なりで指してしまったのだと思います。

山田先生も「将棋に慣れるな」[3]と仰っていたのに…。その教えを守れていなかったです。

今一度、定跡や戦法に対する自分の姿勢を見直す必要がありそうです。

 

【参考文献】

[1]山田道美将棋著作集、大修館書店、第一巻、p.257、1980年

[2]畠山鎮、「すぐに使えてすぐ勝てる!、将棋・振飛車破りの基本」、マイナビ、2017年

[3]山田道美将棋著作集、大修館書店、第八巻、p.327、1980年


ブログ開設のご挨拶

2024-01-03 18:31:03 | 雑記

皆様はじめまして。

この度、初めてブログを開設することになりました、「カズオ」と申します。

 

今や誰もがインターネットを介して情報発信する時代、遅ればせながらではありますが、

種々のテーマに対して私も意見や感想を公共の場で申し上げ、(可能であれば)皆様からフィードバックを頂き、

傾聴力・表現力・説得力などを当ブログを通して磨きたいと考えています。

 

実のところテーマは何でも良いのですが、とはいえ政治や経済などのセンシティブなテーマは「炎上」しそうで、ブログ初心者には難しそうです。

なのでまずは、(気楽さも兼ねて)趣味の将棋を取り上げることにします。

行きつけの将棋道場やネット対局の局後反省を投稿していくつもりですが、果たして、初段レベルの棋譜とコメントだけで読者の益に成り得るか。

 

そこで、私が尊敬する(故)山田道美九段の定跡や戦法(5七銀左急戦)をメインテーマとし山田先生の教え(※1)と絡めて反省を述べたいと思います。

近年、AI(※2)の台頭によって人間の在り方が改めて問われています。プロの先生を上回る棋力を持つソフトが、誰でも手に入る時代です。

しかし、ソフトが示す最善手はその局面限りのものです。アマチュアはそこから何を学べば良いのでしょうか?

こういう時代こそ、「将棋の急所」を出来るだけ分かりやすく表現することに情熱を注がれた、山田先生の教えを見直すべきではないでしょうか。

上達のために心がけるべきこと、「本筋」と「イモ筋」の違い、種々の戦法が持つ狙いや背景など、

こういう類のものは、人間の深い教養や思索・芸術性などによって表現し得ると思います。

将棋の内容は拙くて恐縮ですが、山田先生に始まるプロ棋士の教えやアドバイスなどの有益性を、アマチュアの立場から申し上げたい次第です。

 

自分は製造業界でエンジニアとして働いていますが、山田先生の将棋の上達に関する考え方は将棋という枠に留まらず、

少なくとも製造業にも通ずるところがあります。将棋の戦法開発と製造業の技術開発は、アナロジーで結び付けられるためです。

また、この教えを援用しながら、現在もてはやされている情報技術との付き合い方についても、私なりの意見を述べたいと思います(後日投稿します)。

 

もう文章が長くなったので当ブログの概要説明はここまでにしますが、ざっくり言えば、当ブログは「山田定跡をひたすら称賛する」のが趣旨とお考え下さい。

各々の詳しい議論は、別途投稿したいと思います。

何卒、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。

 

(※1)山田先生の文章は、「山田道美将棋著作集、1~8巻」(大修館書店、1980~1981年)を主に参照します。

(※2)Artificial Inteligence(人工知能)。私はこの呼び方が好きではありません。人間の不断の努力で成しえた技術であるにもかかわらず、エイリアン(地球外生命体)が突然飛来したかような印象を受けるからです。少なくとも将棋ソフトには、「数値計算」ないし「機械学習」という明確な表現を与えるか、曖昧な表現にするなら「コンピュータシミュレーション」と呼ぶべきだと考えます。