前回の投稿(2025年1月)では、「将棋の定跡が満たすべき条件」という大袈裟な題を掲げて、その導入を述べました。
その後、仕事の忙しさにかまけて、続きを投稿できておりませんでした。大変申し訳ありません。
恐れながら、続きについてはまだ構想が纏まっていないので、今回は別の話題を取り上げさせて下さい。
この間、日本機械学会からメールが届きまして、私が取得した資格の「オープンバッジ」が付与されたとのことでした。
サムネイルの画像がそれです。このオープンバッジの情報は、リンクを参照下さい。
上記に例示した「オープンバッジ」制度は、デジタル庁も推し進めているらしいです。そのWebページ[1]によれば、
”オープンバッジは、世界共通の技術標準規格に沿って発行されるデジタル証明・認証です。"
"また、ブロックチェーン技術を活用することで、偽造や改ざんが困難な信頼性のある証明書として使用される事例もあります。"
なんですって。海外であまり仕事しないから、知らなかったです。
運営は今のところ、「一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク」が取り纏めています[2]。システム作成は「株式会社LecoS」[3]。
2019年に前者が設立され、2020年に後者がインターネット上に公開し始めたので、安倍政権の時に始まったことになります。
最近では雇用の流動化に伴いスカウト型採用も出始めていますから、企業側が人材候補を調べるための情報源になるかもしれませんね。
また、この制度はジョブ型の組織運営と相性が良いと思いますが、実態としてはメンバーシップ型を採る企業の方が多いので、ちゃんと社会へ定着していくか注視したいです。
今後の成り行き次第では、合格証書を写真に撮ってSNSに上げるのと、あまり価値が変わらないということもあり得ます。
ちなみに、サムネイルの「計算力学技術者」について、私は熱流体1級を受けましたが、出題内容は「商用コードを用いる場合でも、知ってて当たり前」というものでした。もちろん大事な知識です。論文から先行事例を調べる際に、大いに役に立つでしょう。
他方で、自身で計算設定する際には、今でも教科書が手元に欠かせません。
だから、「上級アナリスト」という最高位が別に用意されているのかもしませんね。
今は振動工学(FEM)を勉強中でして、今年度に2級を受けようと考えています。
最後に教科書紹介を。
流体計算(CFD, Finite Volume Method)については、下記を参照しています。この本のおかげでSIMPLEが半分ぐらい理解できました。
J. H. Ferziger et al., "Computational Methods for Fluid Dynamics", 4th ed., Springer, (2020)
振動計算(Finite Element Method)は、下記の教科書で勉強中です。基本となる数学知識(ヒルベルト空間など)が難し過ぎ。私にはまだ早かったでしょうか。
F. Ihlenburg, "Finite Element Analysis of Acoustic Scattering", Springer, (1998)
数値計算は下手するとプレゼン資料を華やかにするだけになるので、実験計測よりも神経を使います。
【参考文献】
[1] デジタル庁Webページ、"https://www.digital.go.jp/policies/digital_promotion_staff_openbadge"、閲覧日:2025年5月11日
[2] 一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク、"https://www.openbadge.or.jp/"、閲覧日:2025年5月11日
[3]株式会社LecoS、"https://www.lecos.co.jp/index.html"、閲覧日:2025年5月11日