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人工授精という選択肢
いかにもはっきりしているようでありながら、実は考え出すときりがない「親子」という概念。特に最近は、親子関係も医学などが進歩したことで複雑化してきているからなおさらです。人為的につくりだされた親子が増えるに連れて、今までなかった問題も生じてきました。そうした問題に目を向けてみたいと思います。
親子といえば、血のつながりがある関係を思い浮かべるのは当たり前かもしれません。しかし、血のつながりがあっても、社会的には必ずしも親子であるわけではありません。例えば、婚姻外にうまれた場合、父親の認知がなければ、いかに親子として血のつながりがはっきりしていても、社会的には親子とは認められず、その子は相続や扶養を受ける権利も持てません。
一方で、血のつながりはなくとも親子と認められるケースもあります。人工受精子や体外授精、最近に至っては代理母などが大きな議論になっています。例えば、人工授精には、全く他人の精子を用いる場合と配偶者のそれを用いる場合とがあります。前者の場合、父親と子どもに血のつながりはないわけですが、親子となるわけです。この人工授精は、昭和24年に慶応病院で行われて以来、各地の病院でも行われています。また、体外授精については、昭和58年に東北大学において最初の体外授精の出産が行われており、それ以来、各地で行われるようになりました。
体外受精で生まれてくる子供は意外と多い
しかし、今でも世の中には体外受精に対し抵抗のある人もいます。
なかには「異常な子が生まれてくるんじゃないか」と心配する人がいます。ですが現在、約40人に1人が体外受精で生まれてきます。
日本で生まれる子どもの数は年間約107万人ですが、そのうち体外受精で生まれてくる子は年間約2万5000人もいます。すでに世の中に定着し、体外受精で生まれても問題が起きることはまずないとわかっています。世界的に見ると、これまでに約400万人~500万人が体外受精で生まれているのです。
体外受精の費用は、採卵から凍結させるまでに30万円~60万円程度、子宮に戻すときに10万円~20万円程度かかります。さらに受精卵の管理費が年間1万円~5万円ほどかかります。健康保険は適用されません。自治体によっては補助の出るところがありますが、それでもけして安くはありません。しかも、成功率は20~30%と言われています。それでも、晩婚化に伴い、体外授精を希望する夫婦はますます増えていくでしょう。
ちなみに、日本で初めて体外受精のための器具の輸入許可を取得したのは株式会社東機貿(非上場)という会社です。体外受精関連製品(ミニインキュベータ、培養液、カテーテル等)や子宮頚管拡張器などを主に扱っています。