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FIFA女子W杯を振り返る:なでしこジャパンのオランダ戦の展望と先発メンバー予想など

2020-09-24 14:00:05 | サッカー女子ワールドカップ
FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会、なでしこジャパンは6月26日決勝トーナメント1回戦をオランダ代表チームと戦うことが決定。試合開始は日本時間26日朝4時。

グループステージD組で1勝1分1敗の2位通過のなでしこに対しオランダはグループEで3勝の1位通過。

トーナメント戦なのでミスからの失点は避けたいところ。負ければ16強止まりで評価は急降下、勝てばベスト8になりファンの期待に応えられる。勝利するためどんなスタメンが予想されるのか、試合の展望も含めて紹介したい。 


なでしこジャパン 対 オランダ 試合展望

オランダ 中堅主体だが経験値は高い
  • FIFAランク8位
  • W杯最高成績:ベスト16
  • 前回大会(2015年):ベスト16
  • 平均年齢は25.5歳で4番目に低い
  • 大舞台経験者は12名
  • 2月末のスペイン戦から若手3名を外して中堅とベテランへ変更
  • 代表歴100試合以上はGeurts、Spitse、Martensの3名
  • 世代交代はかなり前に終了
  • Sanden選手はリヨンで熊谷と同僚
  • LunterenはSCフライブルグで猶本と同僚
  • Dongenはレアルベティスで山根と同僚
  • 2017年ユーロ選手権を制した後伸び悩んでいる
  • 2019年度強化試合など強豪国との対戦成績:無 
  • ただし、6/1オーストラリアとWarm-upマッチ。3-0で勝利
高倉体制になってからのなでしこジャパンは2018年3月に対戦して2-6。この時の先発メンバーはこの試合先発が予想される鮫島、市瀬、長谷川、中島だけ。この試合、中島と途中出場した岩渕が得点している。

一方、オランダは現在の主力の6名がこの試合に先発出場。FWのL.Martensに2得点されているので要注意。 

オランダ 2019年度試合成績

太字はTop10チームとの試合、赤字は今回のW杯

対戦国
スコア
勝敗
シュート数
(相手)
枠内
シュート
南アフリカ
1.19
2-1


スペイン
2.27
0-2


ポーランド
3.5 
0-1
● 


中国
3.7 
1-1 
PK勝 
26(7)
13(1) 
メキシコ
4.6 
2-0
〇 
21(1)
10(1) 
チリ
4.10
7-0
24(4)
14(1)
オーストラリア
6.2
3-0
10(15)
5(5) 
ニュージーランド
6.11
1-0
16(5)
3(3)
カメルーン
6.15
3-1
11(11)
4(2)
カナダ
6.21
2-1
8(12)
2(2)


なでしこジャパン 2019年度試合成績

太字は強豪国(FIFAワールドランクTop10)チームとの対戦
赤字は今会のW杯のスタッツ
対戦国
シュート
(相手)
枠内
シュート
アメリカ
2.27
2-2
5(13) 
2(6)
ブラジル
3.2
3-1
〇 
11(22)
6(6) 
イングランド
3.5
0-3
● 
12(10)
4(4) 
フランス
4.4
1-3
● 
6(24)
4(7) 
ドイツ
4.9
2-2
△ 
7(22) 
4(9) 
スペイン
6.2 
1-1
△ 
3(4)
1(2) 
アルゼンチン
6.10
0-0
8(5)
2(1)
スコットランド
6.14
2-1
19(12)
7(4)
イングランド
6.20
0-2
16(14)
4(6)



なでしこジャパン 試合展望

Top10と対戦した6試合のスタッツまとめ

スタッツ
合計
1試合
得点
8
1.3
失点
13
2.2
シュート数
57
9.5
枠内シュート数
24
4
被シュート数
105
17.5
枠内被シュート数
38
6.3
先制点獲得
2
33%
先制点献上
4
67%

2018年度も同様であったが、全てのスタッツで対戦相手が上回る。さらに大事なポイントとして、2018年度から継続している課題の「先制点を献上したら勝てない」という悪いジンクスを未だに抱え込んでいる。

上記の表を見ればTop10チームと明らかに実力差があることが分かる。しかし、そこはサッカーだ。負けるとは限らない。実力差を別の手段で埋めればいい。

得点力は実質1試合1点に満たない  

得点が1試合1.3は良い数字と思うが実態は相手の致命的なミスによる得点が少なくても3点含まれている。実質的には1試合1点には届かないが、とにかく勝つには最低1点が必要。シュート数は悪くないが決定力不足。

主な修正ポイント

期待が持てるプレーには〇
期待はするが精度などに問題があるプレーには△
  • 素早いワンタッチプレーで相手守備網を崩す △
  • 守備網を崩せなければPA付近での正確なミドルシュート △
  • セットプレーからの得点 △
  • PA内でファウルを誘うプレー △
  • 攻撃のリーダー △
失点は1試合平均2点以上

失点を悪くても1点以内に抑えなければ勝利は見えてこない。
そのためには、
  • 徹底したカバーリング 〇
  • 粘り強い守備 〇
  • 素早い寄せでプレッシャーをかける 〇
以上が実力差を埋める手段と思う。

こうして見るとやはり前半失点しないことが最も大事と分かる。それができれば後半チャンスが必ずある。そこで得点することが勝利へ道。

今回の相手はオランダでFIFAランク8位。トップ4のチームよりレベルは少し落ちるだろう。相手のプレッシャーが弱まれば、イングランド戦の後半のような展開に持ち込るので得点のチャンスは大きく膨らむ。

ただ、問題は、パス・クロス・シュートの精度・決定力不足。これらをほんのちょっと改善できれば得点は間違いなく奪える。そして運が味方すれば追加点も可能。

鮫島選手も語る「前半失点しないこと」(追記) 

(日刊スポーツ史からの引用)
この記事で鮫島選手が次のように語っている。

岩渕と同じく3度目のW杯となるDF鮫島は「いろんなプレッシャーがかかる試合になる。前半を無失点で後半勝負に持っていけたらいいなと思う。クロス対応など、ペナルティーエリア内の攻防でどちらが勝つか」 

「ベスト8はこれで決まりだ」の記事でオランダ勝率の確率は60%と予想したが、この記事を読んでオランダ、日本、共に50%と変更します。鮫島選手の気持がチームメートと共有されることで選手一丸となって前半無失点で乗り切るだろう。


勝利への道

まとめると、
  • 粘り強い守備とカバーリングで前半を無失点に抑える
  • 後半オランダのプレシャーが弱まったら素早いパスサッカーで守備網を破り、PA内でミスを誘うか、ロングシュートで得点
  • 無得点なら相手も積極的に攻めてくるのでカウンター攻撃プラン実行(監督がテストしているいるか疑問)
  • 仮に先制点を取られても必ず守りに入る時間帯がくる。そこを狙う 


ベストの決勝トーナメントブロック

イタリア、中国、オランダは全て女子ワールドランキングで日本より下。特にトップ10外のチームには1年以上負けたことのない日本はオランダに勝利すればベスト4は目前だ。オランダとの力の差はほぼ互角。オランダは不調な時期を脱して勢いに乗り始めた点が気になる。


課題(早い時間帯に失点)は分かっていた

まさか、今気づいたとは思わないが、全く熊谷選手の言う通りである。ハッキリ言えば、2018年のTournament of Nationsから分かっていたこと(残念ながらこの大会、熊谷はクラブチームの都合でクラブ世界一決定戦に参加)。

私も何度もこの課題を口にした(特にSheBelievesカップでのチェックポイントを綴った記事)。

(イングランド戦後のFootball ZONE web編集部の記事からの引用)

主将のDF熊谷紗希は「いいシミュレーションになった」とこの試合を振り返り、決勝トーナメントに向けての修正点に言及している。「前半の早い時間帯に失点したら苦しくなるし、前掛かりで攻めている時にチャンスをモノにできないと次のステージからは本当に苦しくなる。いいシミュレーションになった。・・・・・」 

これまでこの課題に対して多くの努力を積み上げているはずだから、是非、修正できたことを結果で示して欲しい。


外された選手に「頑張ったね」、と言われるプレーを期待

仮に決勝T一回戦で敗退となれば外された選手に顔向けできない。
  • 所属チームをスカイ・ブルーFCに変えてまでW杯出場を願った川澄
  • 召集されるのを見込んでコンディションを万全に整えておくためシーズンオフにオーストラリアのWリーグでプレーした永里
  • スペインでレギュラーGKとなって活躍している山根(SheBelievesカップに全試合出場は何だったのか?)
  • ドイツで奮闘する猶本
  • 3年連続得点王で今シーズンも9試合9得点で得点ランキング1位の田中美南とベテランで大舞台での実績豊富な有吉
選手選考はそもそも若手中心が方針

W杯メンバーに選ばれた若手選手は外れた選手に「よく頑張ったね」と言われるくらいの気概を持ってプレーしてほしい。
次の添付記事では「なぜ22歳以下の選手が10名も選ばれたのか?」 を紹介。




この一戦はなでしこの未来を掛けた試合

協会は若手主体のメンバーでもベスト8になれると考えている。W杯を経験させることが若手成長の近道なので必然的に若手主体のチーム編成となった
それは素晴らしい目標や夢の為である。
  • 女子サッカーの人気回復
  • 東京五輪でのメダル
  • 女子サッカーのプロ化
  • 2023年W杯日本開催
こうした目標達成に向けて弾みをつけるためも、そして若手主体路線を継続する意味でも落とせない一戦である。この点を理解しているなら若手は必ずやってくれる。そしてやればできる。Yes, You Can!


なでしこらしさ・真剣さが伝わるプレーを期待

イングランド戦でもシュートを外して苦笑いしていた若手が写ったが、代表という責任感と使命感を持っているのだろうか?城彰二のようなバッシングはおこらないだろう。しかし、失敗してもいいから常に真剣な顔つきでプレーする姿を見たい。

なお、別の若手もSheBelievesカップシュートミス後に苦笑いしていた。何となく今回召集された若手と中堅以上の選手の間にW杯に掛ける思いに距離感を感じる。ハッキリ言って何人かの若手よりベテランの方がよく動いている。若手はもっと力を出せるはずだ。


W杯は「いい経験をした」とコメントする大会ではない

4年に一度の真剣勝負の大会。4年間の努力の積み重ねを全て出し切って結果を残す大会だ。「東京五輪に向けての経験値を高め成長する場」と捉えているならあまり成長は期待できない。

このW杯でしぶとく、粘り強く、泥まみれになって、それでも負けたら悔しさ・不甲斐なさで大泣きするくらいの全力を出し尽くしてこそ成長できる。2011年のメンバーのように全力で挑め! 


オランダ戦:先発メンバー予想

コンディッションさえ問題なければ、イングランド戦と同じメンバーで臨むだろう。ただ、万全なコンディションを前提に長谷川先発出場。ダメなら、遠藤か小林。なお、FWは菅澤からオランダ戦に得点したことのある横山にに変更。それに菅澤は後半に起用したほうがいいだろう。

イングランド戦では市瀬に代わり南に急きょ変更し予想を外した。この試合では市瀬を外して南。

もし指揮官が「これが最後の試合」と考えれていれば、攻撃陣に大舞台を経験させる意味で若手を起用することも考えられるが、まさか、そこまではしないだろう。

〇はスタメン  数字は途中出場のプレー時間(分)


GK
山下
GK
池田




GK
平尾




DF
鮫島
DF
清水
DF
市瀬

DF
熊谷
DF
宇津木




DF
宮川




DF



DF
三宅




DH
杉田
DH
三浦
〇 
28
〇 
DH
阪口夢




MF
籾木




MF
中島
MF
長谷川
8

FW
遠藤
 16
〇 

FW
宝田
 1

5

FW
菅澤
〇 
29
FW
横山

〇 

FW
小林

24

FW
岩渕
 23


なでしこジャパン代表チーム プロフィール
  • 若手主体
  • 最新FIFAランキング 7位
  • W杯最高成績:優勝(2011年)
  • 前回大会(2015年):準優勝
  • 平均年齢は24.0歳
  • 大舞台経験者は6名
  • 4月の欧州遠征からメンバー4名変更して経験値を高めた
  • 代表歴100試合以上は宇津木、鮫島、熊谷、坂口の4名
  • W杯・五輪での経験値が強豪国の中で最も低い
  • 平均年齢も強豪国の中で最も低い(22歳以下10名)
  • 日テレ・ベレーザから10名召集→9名(植木理子がケガの為、セレッソ大阪堺レディースの宝田沙織へ変更)
  • 海外プレーヤーはリヨン所属の熊谷とレインFCの宇津木の2名
  • 2019年度強化試合など強豪国との対戦成績:1勝2分2敗
  • 1勝はブラジル戦
  • W杯でなく東京五輪でメダル獲得を目標にした成長途上チーム
 
 
ベテランの先発メンバー起用は?

なでしこの課題は前半の失点。イングランド戦にも言えた事だが、前半は宇津木など大舞台での経験値のある選手を使えば、
  • より落ち着いて試合に入れる
  • 経験から培った予測を活かして危機を未然に防ぐ
などで失点を防げる可能性がアップするがオランダ戦でスタメンにベテランを増やすかどうかが一つのポイント。 ただ、坂口も宇津木も別メニューで調整中らしい。籾木も出場は難しそう。完全にコマ不足。


オランダに接戦の末 1-2 で敗北

試合終了後の熊谷選手の含みのあるコメントに悔しさがにじみ出ていた。「・・・何かが足りなかった」。本人は答えを分かっているが、具体的に言うのは差し控えたのだろう。

ここ8カ月でなでしこやW杯関連記事を30以上書いたが、最初の記事は「どうして永里優季は召集されないの?」からでした。「実力のある選手が選ばれないのはおかしい、永里選手なしてはベスト8は厳しい」と言い続けた。

そして「W杯は若いメンバーの育成の場と協会は考えている」と思うようになった。それで4月にやっと「若いメンバー招集は協会の方針であろう」と悟った。まさしく、勝つためには「何かが足りなかった」。

ずばりオランダ戦の2失点に同じ選手がからんでした。私は前から指摘していたが、守備意識の欠如、代表意識の欠如が結果に表れた。1点目は相手のヘディングをすぐ後ろで傍観。2点目は終盤自陣でボール奪われても奪い返そうとしない。そこから決勝点につながった。

非常に残念なのは、SheBelievesカップ、イングランド戦、そしてオランダ戦でシュートミスや敗戦後に映し出された若い選手の笑っている顔。対照的にオランダ戦後の中堅・ベテラン選手・数人の若手の悔しさと涙が滲み出た顔。これまで苦しみに苦しみを重ねて築いた「なでしこ」というブランドと代表としての重みを理解しているか否かの違いだろう。

五輪に向けて成長・経験という大きな財産を得たことは間違いないが、ミスや敗戦後に悔しさを表現できない数名の若手選手の成長はいくら協会が後押ししても期待できないだろう。次の招集がどうなるか見守りたい。


まとめ  

イングランド戦で実力の差を見せつけられ、2-0で完敗したなでしこジャパンにとって決勝トーナメント1回戦は汚名返上のチャンス。2018年とはいえ屈辱の2-6の敗戦を喫したオランダには何としても勝たなければならない。

この試合は「負けても失うものはない」の正反対の試合。なでしこ代表としてのプライドを傷つけられる程度では済まない。なでしこの未来を背負った試合なのだ。負ければ、
  • 女子サッカー人気復活
  • 東京五輪への期待感(メダル獲得)
  • 2023年の日本開催のW杯招致
などに水を差す結果になりかねない。そして何よりも選手自身の将来(女子サッカーのプロ化など)に大きなマイナス要因を作ることになる。

その点を肝に銘じ、若さを前面に出しなでしこ魂を発揮してベストを尽くせ!
未来を拓け、なでしこジャパン!


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