いぬくそ看板の向こう側

いぬくそ看板の背景に存在する「人間ドラマ」を紹介するブログです。

フォードKa その1

2020-04-18 15:30:00 | 背景はクルマ
フォードKa

■諸元
車名:フォード・Ka
駆動方式:FF
エンジン:エンデューラE 直4OHV 1.3L 60PS
変速機:5速MT
大きさ:長3660×幅1640×高1400(単位mm)
ホイールベース:2450mm
車重:940kg

■どんなクルマ?
欧州フォードが1996年から販売しているAセグメント車(軽自動車並みの小型車)である。欧州車らしいミニマムで質実剛健かつ小回りの利くモデルだ。初代モデルは外装内装ともに、当時フォードが提唱していた「ニューエッジデザイン」に基づいた丸みを帯びた独特のスタイル。ひと目見たら忘れられない印象的なデザインが魅力だ。

■フォードKaとの出逢い
2011年の初夏だっただろうか。2度の物損事故のせいで1秒でも早く廃車にしたかったスバルプレオ。愛が冷めきったプレオから乗り換えるクルマを探していたが、当時はお金が無かった。そんな時に目をつけたのがイタリアやフランスのクルマ(イタフラ車)だ。

中古市場では故障が懸念されるイタフラ車が安く、特に需要の無さそうなマニュアル車は小学生のお年玉でも買えそうなタマも結構あった。だから近所のイタ車専門店を何となく眺める事が多かったのだが、ある日、丸っこい妙な形をしたクルマを発見したのだ。お店の人に聞いてみると、フォードのクルマと言うではないか。当時のわたしは、フォードと言うとアメ車らしいマッスルなイメージしか持っていなかった。この瞬間、欧州フォードの存在をはっきり意識したのである。

値段は驚くほど安かった(当時の最新型iPhoneより低価格)。ドアがヘコんでいたり、ブレーキローターが消耗していたり、中々の瑕疵を抱えたタマゆえの事だ。今の私なら、その後の高額な補修代を考慮して購入は見送っていただろう。だが、プレオの呪縛から逃れたくて仕方がない当時の私は、そんな懸念を頭の隅っこで捻り潰し、勢い任せでフォードKaを契約してしまったのだ。

■Kaの魅力
このクルマに乗り換えたあたりから仕事のフィールドが広がった。京都周辺を彷徨いていたのが、北大阪一体と滋賀あたりをカバーするようになった。こうなると46PSの非力なプレオではストレスが溜まってしまう。良いタイミングでKaに乗り換えることが出来た。

60PSというスペックは大したこと無いように見えるが、46PSからの比較なので相当パワフルに感じた。低回転でもトルクが太めて運転しやすく、半クラッチ時にアクセルを踏まなくてもエンストしないのが嬉しかった。パワフル過ぎないのも良い点で、アクセルを踏み抜く楽しさをしっかり味わう事ができた。小さくカワイイ見た目の割には重めのステアリングもスポーティで好きだった。

一番の魅力は独特のフォルム。クルマ全体が丸いのではなく、ボンネットとそれ以外が別々に丸っこい感じに、おもちゃのようなキッチュさを感じて愛おしくなる。それでいてホイールベースの長さを実感させてくれるデザインに安心感も同居している。このデザインポリシーはフォードの不振が続いたせいで長く持たなかったが、その分愛着がより増すような気もする。

Kaのおかげで長距離移動が苦でなくなり、いぬくそ看板の収集範囲が一気に広がった。どんどん広がるいぬくそ看板への興味は、Ka無くしては語れないのである。

(つづく)