窓辺びより

毎日が平凡だなんてとんだ勘違い。カーテンを開けよう。ほら、今日も窓辺びより

口笛を吹けば嵐

2010-10-16 22:34:38 | 雑記
昨日は神楽坂で演劇を見てきた
ピーチャムカンパニーの「口笛を吹けば嵐」
物語の結末を知った今でももう一度見に行きたいな、と思ってしまう舞台だった
(10/20まで公演中@神楽坂シアターイワト)



登場人物はその殆どが、表社会から半分足を踏み外したような人たちだ
でもその愚かさはけして指差して笑えるような類のものではない
むしろ生きる事にあまりにも真剣で、不器用な人たちなのだ
夢だとか、生きる事の意味とか、そうしたものと向き合おうとする人たちだ
ある者はナイフを、またある者は拳銃を握る運命になってしまったのも不器用さゆえのちょっとした過ち
2時間半、"ろくでもない"人生を送っている人たちの生き様が描かれる

街の裏通り?の小さなスナックで繰り広げられる色んなやり取りが印象的
様々な会話、出来事が矢継ぎ早に起こっていく
観客はその一つ一つを追うというより、舞台から発せられる人々のエネルギーに魅了される感じ
狭いスナックの中で色んな人の思いがかなりの速度でもって交錯するのです
それこそ嵐のように
それは人が持っている「生きるエネルギー」そのものなんじゃないか、とさえ思えてくる

劇中、そんな"ろくでもない"生き方をしてきた人たちが一緒に長渕剛の「乾杯」を歌うシーンがあって
みんなの満面の笑みに涙が出そうになった
かっこ悪い不器用な歩み方、しかしそんなの笑い飛ばしてしまえばなんてことない
そうだ、そうだよねえ人生ってそんなものかもねえ、って自分の中で色んなものが共鳴した

ほろ苦い心地よさだった


演劇が終わった後、ちょっとした流れで劇団の皆さんの打ち上げに少しだけお邪魔させて頂いた
場所は神楽坂の安い飲み屋
今日の芝居で実はこんなハプニングがあったとか、稽古中の話とか、みんな豪快に笑いながらわいわい話していた
日付が変わるまで飲んで、また明日から公演
そんなちょっと一般人離れした生活
そして今、飲み屋の席の間に飛び交う色んな笑い声
なんだかさっき見た舞台の中の話がこうして現実にまで繋がっているような錯覚を覚えて
自分は今とてつもなく素敵な場所にいると思った


演劇に生きるってこういう事なんだろうな
きちんと年何回、って芝居を打っても興行収入で食っていける人は少ない
みんなバイトなりなんなり仕事をしながら
それでも毎回の公演のために真剣に時間を注ぎ込んでいくんだな
全力で稽古して、演じて、飲んで、笑って
社会的に見たらもしかするとステータスは高くは無いかもしれないけど
そうやって過ごしていく時間の価値の高さ!!

気がついたら終電はとうの昔に過ぎていた
歩いて帰れます、と言って飲み屋さんを後に
歩ける、とはいえ少しふらつく足取りで神楽坂から白山の自分の家まで帰った
この前ブログに書いた「夜中の東京散歩」が図らずも実現できた訳ですね

結局家に着いたのは2時
歩いている間、酔ってるから、というだけでは説明できない
なんともいえない満たされた気持ちでいた
ここ最近のくすんだ日々の中にあって
久しぶりに幸せな一日だった

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2010-10-14 21:47:53 | ひとりごと
今年度下半期のToDoリストなど。

[必修]
・英語の上達
・座学のみで最低10単位取得
・実験室決める

[準必修]
・作品集みたいなやつの発行(できれば年内)
・定演乗る
・ラジオドラマ企画の進行
・東京についてもっと詳しくなる。文化的歴史的側面からも知識を取り入れる
・植物同定技能の向上

[選択科目]
・せっかく出会えた人たちともっと色んな話をしたい。10回くらい鍋会やりたい
・創作活動で何かユニット(グループでもいいよ)組みたい。あらぐさだけに依存しない何かを


せめてここに載せた事くらい達成したい
欲を言えば選択科目も。最後のやつとかね

… …


……いつの日かこの街を題材になにか大きな作品を作れたらと思うんだ
その気持ちは少しずつ大きくなっていて、自分の夢になりつつある気がする

大学時代の余興といわず、やはり何らかの創作というか、表現活動というか……それは一生続けて行きたいな

この所何度も何度も「夢がなくなった」とか冷めた事を呟いていて
それでも最後にいつもこれだけは、きれいさっぱり洗い流した筈の胸の底に残ってきた気がする

下手の横好きと、それから
三つ子の魂、か

東京は、面白い

2010-10-12 02:06:31 | 雑記
ちょっとしたたわむれで文京区本郷から目黒区駒場まで自転車
意外と地下鉄とそんなに時間が変わらなかった
まあもちろん駅の中歩いたり電車待ったりする時間も込みでの勝負だけど

東京って意外とコンパクトなんですよね
ちょうどこの前とある先輩とそんな話をした
本郷と駒場、遠く離れた二地点のように見えて
実は自転車で行けてしまうほどの距離しかない

地方出身者向けの遊び
グーグルマップを2つ開いて、片方で東京、もう片方で自分の出身地を出してみよう
2つの地図のスケールを同じにして両者を眺めると
きっと東京は小さいと思えるはず
あれえ、新宿と原宿と渋谷ってこんなに近かったんだ、みたいな

よく知っているはずの街も自転車で走るとまた違って見えるから不思議
堀を挟んで対岸を走る中央線とか
道路から見下ろす丸の内線の四ッ谷駅とか
みんな普段車窓から見ている景色の逆パターン

そして人がいっぱいだと言われる東京だけど
どこもかしこも人だらけって訳じゃない
四ツ谷から赤坂に抜ける道は人通りもまだらで車も少ない
青山通りも特に人が多いのは渋谷から表参道にかけての区間だけ
渋谷とか四ツ谷みたいなものが駅を中心に一つのエリアを形成していて
そのエリアの間には案外「静かな東京」が広がっている



色んな情報が独り歩きしてるから
日本人ならきっと誰でも「東京ってこういう所でしょ?」というイメージを持ってるはず
東京に住んでいない人の方がイメージは鮮明かな
大都会、ビルの海、眠らない街、etc……
僕は、東京は「妄想されやすい日本の都市No.1」だと思っている

ある面ではそんなイメージどおり
でも別の一面ではそのイメージを壊したり
或いは変化球を投げてきたりする
そんな東京の実際の姿を見るのはとても新鮮で楽しいこと

だから、東京は面白い。


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2010-10-11 02:53:34 | ひとりごと
愛用のデジタルカメラを修理に出した
年代もののフィルムカメラなら骨董価値もあるだろうが
一世代前のデジカメなんてのはただただ古いだけ
新しいのも買わずそれを修理しようというのだから
店の人に「修理費と同額でこのような商品もございますが……」云々
そんなことをきっと言われるのだろうなと思っていた

でも実際は違っていて
「昔のデジカメってねぇ、画素数は低いだけど画質のいいやつが意外とあるんですよ」
修理窓口の人も一昔前のデジカメを持っているとのことだった

新商品を売ってナンボの家電屋だけにね
古いものも大切にしてくれるとほっこりする
……

奥田民生のイージューライダーが歌うのはこれもまた一昔前の青春
でも全ての言葉がすんなり胸のうちに入ってくる気がする

今まさに青春時代の真っ只中のはずなのに
「青春」に憧れる自分
理想はなかなかに高いのだな
……

最近の夜は過ごしやすいようです
秋の夜長、何をして過ごそうかな

そうそう
一度、真夜中の東京を散歩してみたいのです
一人だけでもいいけど寂しいから二、三人で
夜の街を歩いて、色々面白いものを見つけたり見つけなかったりして
きっと不思議な時間の使い方になりますよ

同意してくれる人がいたら是非!