奄美自然観察記

高のフィールドより

野外にいるのはメスだけ? トゲナナフシ

2007-07-31 17:19:21 | 昆虫




背中にトゲがあり、なんとなく触りたくないトゲナナフシが、ハゼノキ
の葉上にいました。地上にいることも多いようですが、地上だと枯れ
枝に似ていて、たぶん見つけることは困難だったでしょう。この太目
のナナフシ、野外いるのは全てメズだけで、単為生殖で卵を産むと
いいます。図鑑にも「♂は未知」とあり、なんとも不思議な昆虫です。

【島口バージョン】(キシゆむた)
くしなんてぃトゥギぬあてぃ、あまりちかみしゃかねんガガ(トゲナナ
フシ)ぬ、ハジギぬ葉ぬうーなんてぃうりょうたっと。じなんてぃうんく
とぅぬふうさんにししゅりょうんじゃが、じだれぃば枯れぃ枝とぅ似しゅ
てぃ、きっとぅにっきららんたんち思ゆぅと。くんふとぅかんガガや、す
とぅなうんや全部ウナグべりあてぃ、ウナグだけしぃ卵ば産みゅんち
ゅか。図鑑なんてぃだか「♂は未知」ち書かとぅてぃ、うとぅまらしゃ
ん虫だりょっと。

マングローブで咲く花と着床する種子 メヒルギ

2007-07-30 17:29:02 | 植物

夜明け前のマングローブの東側の山々は、深い霧に包まれています。


日の出が近づくと、山の霧がすごい勢いで横に流れ出します。


日が射し始め霧も晴れてきて、満ちた海水面がキラキラ輝く。


やがて、潮がひき始めると海水面に沈んでいたメヒルギも姿を現わす。


メヒルギの花も、清楚で美しい。


波打ち際によっては、おびただしい数の種子が集まっています。


種子からは若葉が出始めています。これだけ多く集まっても、
ちゃんと着床して大きく成長できるのは、ごくわずかでしょう。
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変わった形の花 シコウラン

2007-07-29 18:57:13 | 植物




花弁の一部が細長く伸びた、変わった形の花を咲かせるシコウラン。
盗掘などでかなり数が少なく、やっと出会うことができました。和名は
漢字で「指甲蘭」と書き、花の色が指甲(爪)の色と似ているところか
ら名づけられています。奄美大島と徳之島に分布、絶滅危惧ⅠB類。

【島口バージョン】(キシゆむた)
花びらぬちいちやむる長っさぬでぃ、しゅうだかんだっかぬ花ぬ咲きゅ
んシコウラン。盗まったりしいころいきらっさなとぅてぃ、やっとかしにゅ
んくぅとぅぬでけりょうたっと。和名や漢字とぅ「指甲蘭」ち書しぃ、花ぬ
色ぬ指甲(つむぃ)ぬ色とぅ似しゅんくとぅら名ぬちきらとぅんちゅか。わ
きゃ島とぅ徳之島なんてぃありょっと、絶滅危惧ⅠB類。
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迫力ある体格と鳴き声 オットンガエル

2007-07-28 17:31:28 | 両生類




森の中の渓流近くで、コケの生えた岩にどっかりと鎮座している
オットンガルがいました。オットンガエルは、奄美に生息している
カエル類9種のうちで最も大きく、「ウォォッ!、ウィ~、ウィ~」と
低く太く迫力ある声で鳴きます。前足に5本目の世にも不思議な
指を持っている変わったカエルで、県の天然記念物に指定され
ています。奄美大島と加計呂間島に生息する固有種。

【島口バージョン】(キシゆむた)
山ぬ中ぬこらぼてぇなんてぃ、ヌリぬめぇとぅん石なんてぃいゅし
ゅんオットンビッキャぬうりょうたっと。オットンビッキャや、島なて
ぃうん9種ぬビッキャなんてぃ一番ふうさぬ、「ウォォッ!、ウィ~、
ウィ~」ちドゥスぬきちゅんくいとぅ鳴きょっと。めぇーぬはぎなん
てぃ、うとぅまりゃしゃんいひちめぬいゆぶぃばむちゅりょん、しゅ
うだかんビッキャありょてぃ、県ぬ天然記念物なとぅりょっと。わき
ゃ島とぅ加計呂間島なてぃだけうんしじょだりょっと。
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襟巻きは脱いで来たけれど エリマキシギ

2007-07-27 19:35:25 | 鳥類




北欧あたりで繁殖するエリマキシギは、奄美では主に春秋の渡りの時期
にみられます。どうした訳かガイド中に夏羽の残るエリマキシギ(♂)1羽
がいました。その名のとおり、繁殖地では雄は首の周りの羽が伸びて襟
巻きのようにみえますが、その色合いはかなり個体差があります。この個
体も首の後ろ辺りにちょっとだけ襟巻きが残っていました。奄美でこうした
個体を見るのは珍しいことです。

【島口バージョン】(キシゆむた)
北欧ぼてぇなんてぃくゎなしゃりしゅんエリマキシギや、島なんてぃやて~
げ春秋ぬ渡りぬ時期にゃれんじゃが。ぬががぬ、ちゅば案内しゅんとぅき
夏羽ぬ残りゅんエリマキシギ(♂)ぬちいちうりょうたっと。うん名ぬとうり、
くわぁなしゅんどろなんてぃやいんがや首ぼてぇぬ羽ぬぬでぃ襟巻きにし
にゃれぃんじゃが、うん色合いやちいちじちいころ違ゆっと。くんトゥリや首
ぬくしぼてぇなんてぃ、なありくゎ襟巻きぬ残とぅりょうたっと。島なんてぃ
かしゃんトゥリばにゅんやむじらっさんことぅだりょっと。

サガリバナなどを送粉 シロスジヒトリモドキ

2007-07-26 18:58:46 | 昆虫




アップで見るとちょっと怖い蛾のシロスジヒトリモドキ(写真下・ストロ
ボ使用) ハグルマノメイガなどのように、いきなり飛んできたかと思
うと、すぐに葉の裏に止まって隠れ、姿をくらましてしまいます。西表
島では、サガリバナなどの送粉者にもなっているようです。そういえ
ば、マングローブの近くでも見たことはあります。翅の白いスジ模様
が後ろの方向を指差しているようにも見え、意味ありげです。

【島口バージョン】(キシゆむた)
だいばんしにいいば、なありくゎうとぅるしゃんハブルぬシロスジヒト
リモドキ(写真下・ストロボ使用) ハグルマノメイガきゃにし、あった
だんまとぅでぃちゃんち思うば、すぐ葉ぬ裏り止まてぃ隠れぃてぃわ
からんにしなりょっと。西表島なんてぃや、サガリバナきゃぬ花粉ば
運びゅんちど。がいしいば、マングローブぼてぇなんてぃだかにしゃ
んくとぅぬありょっと。翅ぬしるかんどろやくぅしば指差しゅんにししゅ
てぃ、ぬかぬ意味ぬあんにしだかしゅりょっと。

夏の海が似合う クサトベラ

2007-07-25 18:21:16 | 植物






【島口バージョン】(キシゆむた)
暑い夏の天気が続き、青い空青い海が美しい。浜辺では、クサトベラが
咲き、海岸の風景に花を添えています。クサトベラの葉は、つい食べた
くなってしまうほど柔らかそうな明るい緑色で、花は扇のような形で5片
の花びらが開きます。シャワーヘッドのように上に突き出しているのは
めしべで、おしべは花の奥のほうにあります。ハチやアブなどが花に来
たとき、ちょうど背中にめしべの先端ががくっついて受粉される仕組み
です。(写真3枚目)

【島口バージョン】(キシゆむた)
あつかん夏天気ぬ続しぃ、おーさんてぃんとぅおーさんうんぬきょらっさ。
浜なんてぃやマラフクラぬ咲しぃ、うんぼてぇぬむるきょらっさにゃれぃっ
と。マラフクラぬ葉や、かみしゃかなりゅっとべりびりびりくゎしゅんひきゃ
るん緑色あてぃ、花や扇にししゃんだっかあてぃいひちぬ花びらぬあき
ょっと。シャワーぬかまちにししゅんやめしべあてぃ、おしべや花ぬ奥な
んてぃありょっと。ハチんきゃアブきゃぬ花ちきゅんとぅき、ちょうどくしち
めしべぬ先ぬくっかてぃ受粉しられぃん仕掛けだりょっと。(写真3枚目)

夏の枝手久島観察会ーその3

2007-07-24 20:55:35 | その他

今回は初めてデジカメを、コンパク水中ハウジングに入れて撮影を試み
ました。簡単なものなのでよくデジカメの画面が見えず、直感で撮影する
ことに。いざ水中へ!




上の段は、ロクセンスズメダイ、ダンダラトラギス、それ以外は種
名がわかりませんので、今後わかった時点で追記いたします。


隣の海岸へ回ってみると、おや~?


今は廃墟となった家が・・・以前、誰かが住んでいたのでしょうか?
それとも、漁師かダイバーたちの休憩場所だったのか・・・不明。


そろそろ、枝手久島観察会も終わりが近づきました。対岸の宇検へ
向け出発。


遠く離れたところからみた枝手久島。確かに人の寝ている姿にもみえ
ます。次回(秋ごろ?)もまた行きます。では。

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夏の枝手久島観察会ーその2

2007-07-23 18:54:30 | その他

暑いので日陰のある海岸への上陸を目指し、この海岸に決定。


さぁ、いよいよ上陸です。


上陸してみると、日陰と沢まであって、ここで荷物を降ろす。


すぐそばのオオハマボウの絡み合った中からアカショウビンがじっと
こっちをみていた。沢の湿地にはクロベンケイガニ。


熟れたアダンの実にオキナワツヤハナムグリがいっぱい。森の中には
アオバズクの羽が落ちていた。


リュウキュウマツの幹にいたキノボリトカゲ。ソテツの陰に隠れて、
こちらを警戒していたアカヒゲ。


おいしそうなエビヅルの実がなっていたが、まだ熟していなくて残念。
森の中の一輪のアデクの花が美しかった。


熟れたアダンの実が浜に落ちて、待ってましたとばかり群がるオカヤド
カリたち。


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夏の枝手久島観察会ーその1

2007-07-22 18:58:28 | その他


奄美大島の南西側のはずれに位置する枝手久島(えだてくじま)は、面積
5,81k㎡の奄美群島最大の無人島で、最も小さい有人島・与路島(よろじ
ま)の約半分位の大きさです。宇検村宇検からは目の前にありながら、海
を隔てているためなかなか訪れる機会のない島で、私は20年ぶりの訪島
でした。



宇検村宇検の艀から船をチャーターし、参加者10名でいざ集発! 



すぐ目の前に、枝手久島。一番高い烏帽子岳(標高322m)が真ん中辺り
にみえ、無人島の割には結構高い。



焼内湾(やけうちわん)内のマグロの養殖をしているところのブイにいた
エリグロアジサシ2羽。



近くには、ベニアジサシも飛んでいた。赤いくちばしと脚が目立つ。



外洋に面した場所は、さすがに風当たりが強いため荒々しい岩場が多い。
所々にソテツが生え、ヤギの姿も。日曜日のためか、こんな岩場にも釣り
をする人もいた。



島を一周し、再び焼内湾へ。陽が射してきてサンゴ礁もみえてきた。



島の海岸線には、一部にヒカゲヘゴの群落もみられる。



さあ、いよいよ上陸だぁ!
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おしべの形が面白い ミヤマハシカンボク

2007-07-21 19:23:18 | 植物




名前のとおり、山地の少し湿った谷間などに多く見られるノボタン科
の常緑低木です。ノボタンやハシカンボクの花が華やかで人目を引
くのに比べると花も小さく地味ですが、よくみるとなかなかきれいて
面白い形の花です。おしべの2対の葯が2~4個位突出していて、
?マークの形に曲がっているのが面白い。

【島口バージョン】(キシゆむた)
名ぬとぅーり、山ぬなありっくゎじめじめしゅんどろなんてぃいっぱい
にゃれんノボタン科ぬ年中緑色ぬ低かんきぃだりょっと。インヌビん
きゃハシカンボクぬ花ぬきょらっさぬちゅぬむぃば引きょうんじゃが、
くん花やいなっさぬ地味だりょんば、ゆんまにいばきょらっさぬむじ
らっさんだっかぬ花だりょっと。おしべぬたあちぬ葯ぬたあちらゆう
ちべりつきじてぃりょうてぃ、?マークぬだっかち曲がとぅんぬむじら
っさりょっと。

のどを膨らませて鳴く リュウキュウヨシゴイ

2007-07-20 19:23:17 | 鳥類




農耕地の低木の枝に止まって鳴いているのは、リュウキュウヨシゴイ
です。のどを膨らませてちょっと鶏に似た「コーッ、コッコッコッ」という
声で連続的に鳴きます。近くに営巣でもしているのでしょうか、通常は
草むらの中からなかなか姿を現さないリュウキュウヨシゴイですが、繁
殖期はこのような姿を見ることがあります。湿地が少なくなって、だん
だんと棲み辛い環境になってきましたが、がんばってほしいものです。
最後の雛の写真は、農家の方が発見された巣(5/18研究用に撮影)。

【島口バージョン】(キシゆむた)
はてぇぼてぇぬ低かんきぃち止まてぃ鳴しゅんや、コーサギだりょっと。
ぬどぅば膨らましぃ、なありくゎ鶏とぅ似しゅん「コーッ、コッコッコッ」ち
いゅんくぅいとぅ続けてぃ鳴きょっと。うんぼてぇなんてぃ巣でもありょん
かい、普通やぶすぅぬ中らなかなかいじてぃくんコーサギありょうんば、
巣ば作とぅんとぅきや、かしゃんどろだかにゃあれっと。泥じぬいきらか
なてぃ、だんだんと暮らしにくかんゆぬ中なてぃきょうたっか、くばてぃ
ほしゃんむんじゃ。最後ぬくゎくゎぬ写真や、はてぇぬちゅぬにっきりょ
うたん巣(5/18研究用ちし撮影)。
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地名のついた固有種 ユワンオニドコロ

2007-07-19 19:11:33 | 植物




湯湾岳(694m)は、霧に包まれていました。こうした湿潤な高度が湯湾
岳独特の植物たちをはぐくんでいるようです。今日は、湯湾岳の地名を
冠したユワンオニドコロの花をみることができました。ヤマノイモ科のつる
性多年草で1980年代に奄美大島で初めて発見された希少植物です。
花は白色の粒状の花がならんで咲きます。

【島口バージョン】(キシゆむた)
湯湾岳(694m)や、霧ぬかぶとぅりょうたっと。かしし湿たんたあかんど
ろかな湯湾岳にしかねん草んきゃぬほでぇりゅんだりょうろや~。きゅ
うや、湯湾岳ぬ名ぬつちゅんユワンオニドコロぬ花ばにゅんくとぅぬでけ
りょうたっと。ヤマノイモ科ぬつる性多年草ありょうてぃ、1980年代島な
んてぃ初めてぃにっきらったんむじらっさん草ぬあんべぇじゃ。花やしる
かん粒々しゅん花ぬならでぃ咲きりょっと。
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湿潤な樹幹で咲く クスクスラン

2007-07-18 19:36:59 | 植物



希少な着生ラン・クスクスランが咲いていました。根茎を樹幹に
蔓のように巻きつきながら伸び、葉は15cmほどの革質1枚葉で、
花はマメヅタランのような淡黄色の花つけます。奄美大島、石
垣島、西表島でみられますが、非常に数か少なく貴重。でも、
ネットでは1万円ほどで苗が販売されており、説明に「20年ほど
前に鹿児島で山採り」などど表示。不思議な話です。

【島口バージョン】(キシゆむた)
むるいきらかんラン・クスクスランぬ咲しゅりょうたっと。ねぃば
きぃちカジラにし巻きちぃきがちなぬでぃ、葉や15cmべりぬくぅ
わかん1枚葉ありょてぃ、花やマメヅタランにし薄かん黄色だり
ょっと。わきゃ島、石垣島、西表島なんてぃありょんじゃが、むう
るいきらっさぬ宝むん。うがししゅんば、ネットしんきゃや1万円
べりしないぬうらっとぅりょうてぃ、説明にや「20年ほど前に鹿児
島で山採り」ちかかとぅりょっか。しゅうだかん話だりょうりや~。
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雨でも平気? スアカアオバト

2007-07-17 18:18:54 | 鳥類





とかく奄美は雨が多いのです。今日も梅雨に戻ったかのように雨が
降り続きました。スアカアオバトなどは、このような天気でも採餌に
余念がありません。雨などを気にしていたら、奄美では生きていけ
ないかのようです。そういえば、奄美の多くの子どもたちが濡れたま
ま傘も差さずに平気で歩いていることにカルチャーショックを受けた
という話を聞いたこともあります。人も野生の生きものも、雨の多い
奄美で培われたひとつの文化なのかもしれません。

【島口バージョン】(キシゆむた)
ぬっちいしゃんち島やあむぃぬふうさんどろだりょっと。きゅうだかな
がしち戻たんにしゃんあむぃ降りありょうたっか。オーバトんきゃや、
かやんとぅきだかかみむんとぅむしぢっきばりだりょっと。あむぃきゃ
やきゃっさきでんふりゅんち思わんば、島なんてぃや生きやならんど。
うがしいば、島ぬて~げぬわらべぇんきゃぬ濡れぃたんまま傘も差
さんにしあちゅんばにし、うどぅっきうtきたんちいゅん話ば聞ちゃんく
とぅだかありょうたっか。ちゅんも生きむんだか、あむぃぬふぅさん島
なんてぃ昔らあんちいちいぬいわれぃだりょうろ。

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