5月29日、平日だったけれど会社の「NO残業DAY」に便乗してとっとと帰宅。贅沢にも須賀川ICから高速に乗って郡山南ICまで。そこからショッピングセンターMALLに急行して花束を買った。今日はhisaのお誕生日、食事に行く約束なのだ。
居間の扉を開けて花束を差し出すと、彼女は「イノスケに花束貰ったの初めて!嬉しいー!」と思いの外喜んでくれた。そうか、初めてだったか。意外なことに気づかされて少し戸惑ってしまう僕。
当初は「ホテルの鉄板焼きで極上のステーキ!」と豪語していたのだけれど、「家計が厳しいから高いとこじゃなくても良いよ。」と言う彼女の言葉に甘えて「三国」でもいいかなぁ。」と切り出してみる。すると一瞬彼女の表情が曇り、一息飲み込んでから「いいよ~。」と答えが返ってきた。やはりホテルの鉄板焼か、そうだよなぁ。改めて「やっぱりホテルにしようか?」と訪ねると、「いいから、それは来月の結婚記念日までとっておこうよ。」と固辞する。そんな押し問答の末に振り出しに戻って「三国」に落ち着いた。 日和田ジャスコの近くにある洋食レストラン三国は、十数年前から利用させて貰っている。高級店ではないものの、手抜きのない美味しい料理を提供してくれる。例えばコーンポタージュ。これほど濃厚で甘いコーンは他にない。更にハンバーグのデミグラスソース。赤ワインが良く利いて何処までも深い味わいを醸し出す。テレビ東京の『開運!なんでも鑑定団』のレギュラーにして鑑定士の中島誠之助流に言えば「良い仕事してますなぁ~。」ということである。
近頃ファミレスなんかに押されてすっかり目立たなくなってしまった街の洋食屋さん。侮る事なかれ。近代日本の夜明け、文明開化の足音と共にこの国の食文化の革新をリードし続けたのは正しく彼らの仕事。そして老舗ホテルの血統を受け継いでいるのも実は彼らなのだ。カレー、オムレツ、クリームコロッケ、カツレツなど日本人の舌を捕らえて放さない定番メニュー。今時流行りのイタリアンにばかりうつつを抜かしていてはだめよ~。
そんな能書きをたれている間に料理が届いた。hisaが大好きなステーキセット。存分に召し上がれーっ!